全国高校選抜大会 自転車 ポイントレース3位となった大後戸颯青(別府翔青3年) 勝負の夏へ 【大分県】
自転車の全国高校選抜大会で男子学校対抗2位となった別府翔青。その原動力の一人が、大後戸颯青(おおせどふうせい、3年)だ。24kmにわたるポイントレースで、最終スプリントを2位で通過。だが、通算ポイントで3位という結果に終わった。「あそこで1位を取っていれば優勝だった。悔しい」と唇を噛む姿に、勝負師の本音がにじんだ。
400mのバンクを60周し、2kmごとに付与されるポイントを積み重ねて競う過酷な種目。途中で何度も勝負が訪れるため、瞬発力と持久力の両立が求められる。全国選抜は2度目の出場だったがポイントレースの出場は初めて。プレッシャーの中で大後戸は冷静に展開を読み、レースに緩急をつけた。「経験の少ない種目で不安もあったと思うが、メリハリをつけることを理解し、よく走ってくれた」と明珍多久雄監督は振り返る。
日本一に向け脚力を鍛える
普段から大後戸は自転車とともにいる。通学は片道20km以上、週末には120kmを超えるロングライドで脚力を鍛えている。「日本一になる。それしか考えていない」という一言から、積み上げてきた努力と覚悟が伝わる。
ポイントレースは本来得意とするロードレースとは異なる。しかし、明珍監督は「何度も勝負のあるポイントレースで得たインターバルの強さは、ロードにも必ず生きる」と語る。また、大後戸は自分の考えを明確に持ち、目標に向けてまっすぐ進むタイプだという。「私たちはそれを否定せず、常に話し合いながら進めてきた。入学当初と比べて、精神面でも大きく成長した」と指導陣は目を細める。
全国選抜が終わった今、大後戸の視線はすでに夏に向いている。気温の上昇に合わせてギアを重くし、さらなる負荷をかけたトレーニングを開始。「まずは5月の県高校総体。そして6月の九州大会でしっかりピークを合わせ、全国高校総体で勝つ」。静かな口調に、全国の頂点を狙う揺るぎない思いが宿っていた。
「得意のロードレースで結果を出したい」と語った
(柚野真也)