気になる“熟年離婚”のその後…元夫婦たちの末路 #10「自由はあっても…元夫が失ったもの」
熟年離婚を選ぶ人は、人生の区切りで離婚を思い立ったり「その日」を待ち望んで準備を続けていたり、事情は本当に人それぞれです。
問題なのは離婚後の生活で、生活費や住むところ、両親との関係など、結婚していたら直面することのなかった現実が襲ってきます。
熟年離婚したそれから後、元夫婦たちはどんな人生を送っているのか、お伝えします。
「元妻と離婚したのは、個人事業主として成功した妻が変わったからです。
それまでは家事や育児もきちんとやっていたのに、仕事が忙しくなってくるとサボることが多くなり、それを指摘すると『私もあなたと同じくらい収入があって今は対等なのだから、家事は折半するべき』と言い出して。
腹が立って放置していたらしぶしぶやっているようでしたが、家で偉そうな態度を取る元妻には嫌気が差していましたね。
子どもがふたりいて、俺の実家に世話になることが多かったのですが、そのうち母の日に俺の母親にプレゼントをすることもやめました。
離婚は俺も考えてはいたけれど、プライドがあるのでこっちからは言い出しませんでした。
次男が県外の大学に進学が決まったとき、妻から『別れるか、それが嫌なら別居して』と言われ、離婚を決めました。長男はもう就職していて次男の学費だけ折半して払うことに決めて、家を出たときはスッキリしましたね。
子どもたちとは別々に連絡が取れるし、それからは実家に戻って両親と暮らしています。
想像はしていたけれど、親との生活は病院の送り迎えとか買い物とか用事が多くて、ひとりで過ごせる時間が減りました。
まだ結婚していた頃は自分の部屋で映画を観たり本を読んだりできていたけど、それは妻が家事をやっていたからで。
それと、実家にいると訪ねてくる親戚の相手などもすることが増えて、休みの日もどこか落ち着かないですね。
これからは親の介護の問題も出てくるし、自由はあってもそれを楽しむ時間を失ったことは、仕方ないのでしょうね」(男性/49歳/製造)
熟年離婚後に自分の実家に戻るのは男女関係なくよく見るケースですが、声が多いのはやはり両親の面倒をみることの負担です。
親もすでに高齢となっていれば、戻ってきた子どもを頼るのは当たり前で、復活した親戚付き合いに時間を取られることも出てきます。
こちらのケースでは、男性はひとり暮らしをする自信がないために実家に戻っており、それならこんな負担が発生しても受け入れるのが筋ともいえます。
(ハピママ*/弘田 香)