ママ友との“年齢差”が気になる…。子育て中の「年齢コンプレックス」との向き合い方とは?
臨床心理士・公認心理師のyukoです。多様な生き方が増える中、周囲のママ友との年齢差が気にかかり、コンプレックスを感じる親御さんも多くなっています。中には、子どもやママ友の何気ない一言に傷つき、距離を置きたくなるケースも。子育てに関わる年齢コンプレックスとの付き合い方を考えていきます。
ママ友との年齢差にモヤモヤ
子ども同士の会話で何気なくなされる親の年齢について。
子どもから「10個も違うんだって」「どうして〇〇ちゃんのママはそんなに若いんだろう」などと言われると嫌でも気になってしまいますよね。
また、ママ友同士で会話する中で世代間ギャップを感じると居心地が悪くなってしまうときもあるでしょう。
ママ友との年齢差があるとどんなところが気になりやすいのか、対処法とともに考えていきます。
年齢コンプレックス、どんなときに感じやすい?
話題や価値観の違い
娘のママ友たちはLINEだけではなくInstagramやThreadsなどで習い事や地域の情報をうまく収集して共有しているみたいだけど、SNSには疎くてついていけない。食事の話ひとつでも、宅配デリバリーや外食の話が多くていまいち嚙み合わない。「丁寧に作ってて偉いね」「不便だと思わないの?」など何気ない一言が嫌味に聞こえてしまうときも。
世代が異なると、スマホやSNSの使い方が異なったり、教育や食事についての捉え方にずれが生じやすくなります。
もちろん各家庭によってそれぞれの考え方があって当然であり、正解はないのですが、多数派に囲まれるとつい自信をなくしてしまいますよね。
ママ友は、いちコミュニティとして捉え、居心地のよいコミュニティを複数個もっておくのがよいでしょう。
金銭的な不安
現役でばりばり働いて忙しそうにしているママ友を見るとつい焦りや不安がよぎる。自分のキャリアは上限が見えており、夫の定年も近い。これから親の介護や自分たち夫婦の老後、子どもの学費など支出ばかり増えることを考えると気が滅入る。
金銭的な面で他の家庭と比べてしまう方は多いのではないでしょうか。年を重ねていくと収入よりも支出が増えやすくなり、不安に感じる方も。
しかし他の家庭の一面を見て羨ましく感じたり、比較してもキリがありません。
それぞれの家庭には複数の側面があり、外から見えるのは一側面であることも認識しておけるとよいでしょう。
健康や将来に対する心配
夫婦ともに持病があり、今後年を重ねていくと治療が必要になる可能性も高い。子どもに負担をかけてしまわないか、子どもと後何年一緒にいられるだろうか。気持ちが落ち込むと将来を想像して心配になってしまう。
若い親御さんと比較すると、自身の健康や将来について心配になる方も多いでしょう。
何においても、自身の足りないところや欠けているところに目を向けてしまうと、辛くなってしまいますよね。
捉え方を変え、「子どもと一緒に健康でいられるように何ができるか」に目を向けていくのもひとつ。
また、他人を一旦脇に置き、自分の人生の中で「子どもを産み、育て、向き合う選択」にどんな意味があるかを考えてみるのもよいのではないでしょうか。
親自身の経験の長さが心理的なメリットに繋がることも。
親になる年齢が若ければ若いほどよいかと問われると、一概にイエスとは言えません。
・20代で子どもを授かったから、自分が20代のうちにやっておきたかったことができなかった。
・30代でキャリアをしっかり積みたかったのに、子どもがいたことで叶わなかった。
・自分の人生にキリをつけてから産みたかった。自分がやり残したことをつい子どもに求めてしまう。
など、年代別でも様々な悩みを抱えているもの。
若年層の親である家庭は、転勤や下の子の子育てや進学、親のキャリアなど、見通しが立たない不確定要素が多いことも。
一方、ある程度将来の展望が見えており、予測がつく点では子どもが安心して成長できる環境となりやすいともいわれています。
また、年を重ねてからの子育てでは、親の経験や落ち着きが子どもの安定した情緒に繋がるなど、心理的にポジティブな側面もあります。
ネガティブな側面ばかりに目を向けるのではなく、肯定的な面にも気づいていけるといいですよね。
yuko/臨床心理士・公認心理師