劇団の歩み、歴史実感する機会に C.C.CTHEATER演出・大谷恵理子さん第8回公演終え寄稿
C.C.C.THEATERの第8回公演「ねこはしる」がこのほど無事に終演いたしました。3回の公演はすべて満席となり、合計1000人以上のお客さまにご覧いただきました。心より感謝申し上げます。
今回の公演では、新たな試みとして、日ごろ劇場に来ることが難しい子どもたちをゲネプロ(公演初日前に行われる最終的な通しのリハーサル)に招待しました。劇場に入る前は少し緊張した表情を見せていた子どもたちが、公演後には笑顔で帰っていく姿を見て、大変うれしく思いました。
「ねこはしる」は、C.C.C.THEATERにとって初の再演作品です。工藤直子さんの原作が持つ美しい言葉と力強い物語が特徴で、主人公のネコのランと魚の友情、そして彼らを取り巻く動物や自然が織りなすストーリーは、シンプルながら深い意味を持っています。稽古が進むにつれ、初演の持つイメージや、特に中学生以上のメンバーはオリジナル作品とは異なるテイストに戸惑いながらも成長し、初めて公演に参加するメンバーも、経験豊富な仲間の姿を見ながら意欲的に取り組んでいました。こうした姿を通じて、劇団がこれまで培ってきたものや歩んできた歴史を実感する機会となりました。
今回の公演には、小学生から大学生、専門学生まで合わせて44人が参加しました。年齢やバックグラウンドを超えて一つの目標に向かい、真剣に取り組む姿は、他ではなかなか見られないものです。この経験が、子どもたちの今後の人生にとって大きな成長の一歩となることを願っています。