LEEVELLES「Brand New Day」インタビュー――急速な進化を遂げるLEEVELLESの現在地
──4月から3人編成となり、どんな心境の変化がありましたか?
小川紘輔「僕たちは今まで、4人で1つの生命体のような感覚でした。もちろん、今もその気持ちはあるんですが、3人になったことで、以前はそこまで突出させてこなかった個々の個性をもっと出していくべきでは?と思うようになりました。もともと、猫を被りがちなメンバーが揃っていたんですよ。でも、これからはもっと人間性を出していきたいですね」
──確かにメンバーの個性、人間性を出すことによって、また変化はありそうですよね。
小川「そうなんですよ。ライブでのMCひとつとっても、これまでは敬語で話すことが多かったんです。でも、お客さんやファンの方にもっと親しみがあるような存在だと思ってもらいたくて…」
川﨑純「これまでも見えない壁を作ろうとしていたわけではないんですけどね。でも、そう見えていたら良くないので、その壁を取っ払っていきたいんです」
小川「常に僕たちは誰に対しても失礼のないようにという想いが先行してしまう、マジメなタイプなんです(苦笑)。でも、それよりもみなさんと“もっと仲良くなりたい“って思ったんです」
宮地正明「オフの紘輔はもっと面白いんですよ!」
小川「ちょっと!(笑)普段は面白くないみたいな言い方!」
宮地「あはは。でも、もっと和気あいあいとしていて、冗談を飛ばし合うような会話が多いんですが、ラジオやMCになると一気にマジメになっちゃって。もちろんそれは良い所でもあるんですが、最近はもっとくだけてきて、普段の紘輔が話しているように感じることもあるんです。それがすごく嬉しくて!」
──そう言われると、これまでインタビューさせてもらっていても、マジメなイメージはかなりあります(笑)。
小川「徐々にその壁を壊していきたいですね」
──川﨑さんはいかがですか?
川﨑「体制も変わり、4人でやってきたLEEVELLESに一度終止符を打って、3人で新たにやっていくと決めた今は、すごくワクワクしています。いい方向に変えるしかないので、さらに3人で足並みを揃えてやっていきたいです」
小川「最近の純くんはSNSをよく動かしているんですが、僕らに使っているような絵文字を使い出したんですよ」
川﨑「あ、ほんとだ!(笑)」
小川「それだけでちょっと印象が変わるんですよね。ただ、あまり使いすぎるとおじさん構文みたいになってしまうので気を付けてもらって…(笑)」
川﨑「それは絶対に避けたいので気をつけます(笑)。でも、考えすぎるとアップできなくなっちゃうのでいい距離感で自然体で取り組みたいですね」
宮地「純くん、すごく最近楽しそうなんですよね。きっとリラックスできているんだと思います」
──宮地さんはいかがですか?
宮地「素を出していくということはバンドの課題だったので、すごく良くなっているように思います。あとは、ライブではベースに注目が集まるところは好きなように弾くようになりました(笑)」
──いいですね!
小川「もともと僕たちは原曲に忠実に弾くことを大事にしていたんです。全員が音源を再現しようとしていたんですよ。でも、“それって音源を聴けばいいよね”って意見もあって。確かにそうは思うんですが、音源としてリリースしたものにも愛があって、僕はそれを分離することが出来なかったんです。でも、ライブに来ていただく意味を考えたときに、“ここだからこそ聴けるものを大事にする大切さ”ってあると思ったんです。宮地がオリジナルのフレーズを弾いたりすると僕もニヤッとしますし、純くんも同じことをしているので、ボーカルとしてオリジナリティを表現していきたいと思っています」
川﨑「もともと宮地は素のイメージが強かったよね。そこはすごく羨ましいと思っていました」
宮地「僕はもうちょっと猫を被った方がいいのかな?(笑)」
──あはは。
──そして4月4日にリリースされた新曲「Brand New Day」は、TVアニメ『この恋で鼻血を止めて』のオープニング・テーマとなります。既にアニメと共にオンエアがされていますが、どんな反響がありましたか?
小川「今回、初めてアニメのオープニング・テーマをやらせていただいたんですが、オンエアとともに友達から反応が届いたり、ファンのみなさんからDMを頂いたりと、とても喜んでもらえました」
──このアニメのオープニング・テーマだからこそ大事にしたのはどんなところですか?
小川「主人公のモカは、退屈を感じると死んでしまう設定なんです。でも、その設定に寄せすぎるとLEEVELLESとしての世界観が崩れてしまうので、雰囲気を大事にしつつ、どうLEEVELLESを掛け合わせていくか?ということを考えて、落としどころを見つけていきました」
川﨑「最初にこの曲を聴いた時に、とてもいい曲だと思いました。アニメの世界観と、LEEVELLESとの交差点のような曲だと感じました。どちらもないと出来なかった曲だと思います」
宮地「僕も聴いた瞬間からすごくテンションが上がりました! “紘輔、またいい曲書いてきたな!”って思ったんです」
──メンバーがそう喜んでくれることが嬉しいですよね。
小川「とても嬉しいです。二人の反応があったからこそ、ファンのみなさんも喜んでくれると思いましたし、メンバーの反応が、一番身近な客観的意見なので、素直に伝えてくれるのはありがたいです。ただ、反応が遅いと“あれ、ダメだったかな…?”って(笑)」
川﨑「いや、曲をもらったときに寝ている時もあるからね?(笑)」
小川「そういうときは良いんですけど、既読がついてから、時間が経って“良かったよ~”って届くと、“微妙だったのかな…”って思ってしまって(笑)」
──面倒な彼女みたいですね(笑)。
川﨑「これからはすぐに反応しようと思います(笑)」
──今回、アニメとバンド、両方のいいバランスで作ることはすごく難しかったと思うのですが、譲れなかったのはどんなところですか?
小川「…難しい質問ですね。世界観という意味では、かわいすぎないことや、小説っぽい言葉遣いなどは大事にしました。繊細な言葉、日本語としての美しさは大事にしたくて。あとは歌った時の自然さ。だからこそ、歌詞の一人称も“僕”なんです。決して“俺”が悪いわけではないんですが、歌っているとどこか不自然な感覚があって…その感覚はとても大事にしています。それに今回は、アニメのコメディ要素がかなり強かったんです。でもそのコメディ要素を出しすぎると、LEEVELLESらしくなくなるように思えて。アニメは、退屈さを感じてしまうと死んでしまうことをテーマに、主人公の2人、モカとヤーセンの人生が絡み合い、退屈を感じさせないような展開が重なっていくので、それを汲みつつ、僕らはかわいくなり過ぎず、コメディに寄り過ぎず、言葉は繊細に作っていきました」
──実際にアニメと重なったオープニング映像を見てみていかがでしたか?
小川「実は、そのオープニング映像だけ先に頂いていたんです。さらに2話までの台本も頂いていたので、そのオープニング映像を見ながら作っていきました」
宮地「曲に対して絵をはめていくのがスタンダードだと思うんですが、その逆パターンだったのですごくいい経験をさせていただきました。実際にこの映像が放送されたときは、すごくテンションが上がりました!」
──「Brand New Day」のMVが既に完成していますが、とても素敵な映像でしたね。
小川「ありがとうございます。今作は監督と一緒にミーティングを重ね、色味ひとつとっても“こういう色がいい”と話をして決めさせてもらいました。実際に出来上がったMVを見ると、本当にエモーショナルな作品になってとても嬉しいです。カメラワークや演出力、キャストの方の表現力など、僕たち以外の力が加わって、本当にドラマチックなMVになったので、プロの仕事ぶりに感動しました。ドラマパートも、触ると崩れてしまうくらい繊細な空気感で。光の差し具合もそうですし、天候に左右されながらも、ああいった画が描けたのは本当にツイているなぁって。素敵なMVが完成しました」
宮地「いろんなシチュエーションで本当にたくさんのところで撮影ができたので楽しかったです。バンドシーンは屋上で撮影をしたんですが、じつは純くんが高所恐怖症だったので大変だったんです!」
川﨑「本当に大変でした! 柵がないんです! 柵は絶対にあったほうがいいです(笑)」
宮地「そのせいか、純くんは撮影中もいつも真ん中あたりにいたよね」
川﨑「スタッフさんたちに気を遣ってもらったのかも(笑)」
宮地「僕はあまり怖くないので端っこの方に行っていたら、純くんがすごい目でみていて(笑)」
川﨑「振り返ったら宮地がいなくなるんじゃないかって気が気じゃなかったです(笑)」
──さて、今後やってみたいことはありますか?
小川「映画音楽を手掛けてみたいです。主題歌はもちろん、劇伴などにも挑戦してみたいですね。アニメやドラマなどの作品にあわせたBGMなども作れるようになると楽しそうだと思うので、チャンスをいただけるように頑張ります!」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
2025年4月4日(金)配信
LEEVELLES「Brand New Day」