東京に今なお残る歳の市を東日本橋で楽しもう!「薬研堀不動尊 納めの歳の市」が12月26~28日に開催
2024年12月26日(木)~28日(土)に東京都中央区の薬研堀不動院周辺で「納めの歳の市」が行われる。正月用品を売る市が立つほか、にぎやかな催しも。年の瀬の雰囲気を味わいながら、江戸時代から続く市を楽しもう。
東京の年末を締めくくる歳の市
東京都中央区東日本橋にある薬研堀不動院は、天正19年(1591)に隅田川のほとりに創建されたと伝えられ、古くから目黒不動、目白不動と並び“江戸三大不動”として知られている。明治25年(1892)には大本山川崎大師平間寺の別院となり、今日に至っている。
そんな薬研堀不動院で江戸時代から年末に行われている恒例行事が「納めの歳の市」だ。歳の市とは、門松やしめ飾り、羽子板などの正月用品を売る市のこと。江戸の町では年末になると各地で歳の市が立ち、そのラストを飾ったことから「納めの歳の市」といわれた。今もなお残る歳の市は、浅草の羽子板市とこの市だけだ。
薬研堀不動院前の路上には市が立つほか、江戸太神楽(だいかぐら)の公演やチンドン屋の練り歩きなどがにぎやかに行われる。400年以上の歴史を誇る江戸太神楽は祭り囃子に始まり、寿獅子舞、傘の上で毬などを回す曲芸などが繰り広げられ、年末ムードを盛り上げてくれる。また江戸講談発祥の地らしく、最終日の28日(土)には講談が開かれる。
新たな活気を生むイベントがスタート!
「今年はかつての大出庫市(おおでこいち)に代わるイベントを開催します」と教えてくれたのは東日本橋二丁目町会の会長・川口修一郎さん。薬研堀不動院のある東日本橋界隈は衣料品やバッグ、靴といったアパレル商品の卸が集まる問屋街であることから、かつては地元商店会がそれらの商品を格安で販売する「大出庫市」が併催されていた。しかし近年ファストファッションの台頭により需要が減ってきたことから2023年はとりやめになっていた。
2024年は大出庫市で人気のあった店を呼んで、名前も新たに「やげん堀楽市楽座」として開催。「実はこの辺り、若いファミリー層が移り住んできて子供たちが多いんです。地元の子供たちにも喜んでもらえるようなイベントを企画しました」と川口さん。衣料品や飲食の店が並ぶほか、26日(木)・27日(金)にはステージイベントを実施する。「ステージでは『東日本橋なぐり合い』を行います! スポンジの刀で体につけた紙風船を破り合う実況付きのチャンバラ合戦です。ほかにジャグリングやお笑いのステージも。江戸時代、この辺りは日本橋両国といわれ、両国橋のたもとには芝居小屋や料亭が立ち並んだ場所なんです。かつてのにぎわいを感じさせるような娯楽をお届けしたい」(川口さん)。年の瀬に楽しいステージで大笑いして、お買い物や食べ歩きを満喫しよう。
開催概要
「薬研堀不動尊 納めの歳の市」
開催日:2024年12月26日(木)~28日(土)
開催時間:10:00~19:00(やげん堀楽市楽座は11:00~17:00)
会場:薬研堀不動院周辺(東京都中央区東日本橋2-6-8)
アクセス:地下鉄浅草線東日本橋駅から徒歩3分
【問い合わせ先】
薬研堀不動院☎03ー3866ー6220
公式HP:https://www.yagenborihudoin.com/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。