【リスキリング・リカレントへの準備体操】「5大脳力」と「エピソード記憶」を鍛える“大人の脳ドリル”[川島隆太教授監修]
「スマホ認知症」という言葉をご存じでしょうか。
スマホ認知症は、医学的に認められた正式な病名ではありませんが、スマートフォンの使用で生じる脳疲労が原因で、認知症と似たような状態に陥ると言われているものです。
その多くは高齢者ですが、30代や40代でも発症する可能性があるそうです。
スマホから膨大な情報が脳に入り続けると情報がうまく整理されず、脳の情報処理能力が低下します。脳の衰えを防ぐには、毎日少しずつ脳を使う作業を行うとよいそうです。
どのような作業で脳が活性化するかを調べるため、東北大学とGakkenの共同研究により、いくつかのドリル問題で実験したところ、イラストのまちがい探しや熟語や漢字の読み書き、簡単な計算の作業で前頭葉の働きが活発になることがわかりました。
今回は、ドリル形式でパズルと日記に取り組める『脳いきいきパズル クロネコ編』(Gakken)の中から、脳を活性化させるパズルを一部抜粋してご紹介します。
リスキリングの準備体操として、まずはバラエティに富んだ問題と日記に取り組み、前頭葉の働きを活発にして脳を若返らせましょう。
お子さんと一緒に取り組んでみるのもオススメですよ!
脳の衰え対策には脳の前頭前野を活性化
体を動かしていないと、なかなか体の自由が利かなかったり、すぐに動くことができなかったりしませんか。
脳も体と同じで、普段から使っていないと衰えてしまうので、毎日少しずつ脳を使う作業を行うとよいのです。
どのような作業で脳が活性化するかを調べるために、東北大学とGakkenとの共同研究によって多数の実験を行いました。
本書にあるようなイラストのまちがい探しや熟語や漢字の読み書き、簡単な計算の作業について実験したところ、前頭葉の働きが大変活発になることがわかりました。
前頭葉の働きが活発になって前頭前野が活性化され、脳が若返るのです。
ドリルによって鍛えられる前頭葉には「前頭前野」と言われる部分があり、この部分は、思考や言葉でのコミュニケーション、感情のコントロール、意思の決定、情動の抑制など、人間らしい非常に高度な働きを行っています。
人間らしい生活をするうえで非常に重要な役割を担っているので、この部分を鍛えることは「人間がよりよく生きる」ことにつながり、いきいきとした生活を送ることができるのです。
パズルで5大脳力を鍛え、日記を書くことで脳が活性化
脳の認知機能の中で重要な脳力が、上記にあげた5つの項目『認知力・記憶力・注意力・視空間認知力・情報処理力』です。
本書では、さまざまな種類のパズルを解くことで、効率よく脳を鍛える構成になっています。
たとえば、認知力や記憶力を高める文字を用いたパズル、情報処理力をアップさせ頭の回転がよくなる数字を使ったパズル、視空間認知力や注意力を高めるイラストを使ったパズルなどバラエティに富んだ問題で、バランスよく5大脳力を鍛えることができます。
また、記憶には、「何を食べたか」「だれと会ったか」など、自分自身の行動や経験に関する「エピソード記憶」や、単語や年号など自分に直接関係のない事柄に関する「意味記憶」などがあります。
日記を書くことは、記憶の整理・強化に役立つため、「エピソード記憶」の機能を鍛えることができます。本書では、現在や過去、少し先の未来に関する質問に答えながら、日々の日記をつづります。
このように、パズルで5大脳力を鍛えたり、昔の記憶を思い出したり、書く内容を整理しながら日記を書いたりすることで脳が活性化され、認知機能がどんどんアップします。
毎日続けることで、脳も生活も元気に
本書から、パズルの一部を抜粋してご紹介します。
お子さんと一緒に取り組んで、競争してみても楽しめますよ!
※答えは『脳いきいきパズル クロネコ編』(Gakken)に掲載しています。
「せ」「ん」ぬき言葉見つけ
思い出し日記
・あなたの趣味は何ですか?(とくにない人はやってみたいことを書きましょう)
・始めたきっかけ、またはやってみたい理由を教えてください。
ジグソーパズル
思い出し日記
・小学生のころの、一番楽しかった夏休みの思い出を教えてください。
・どんなところが楽しかったですか?
計算(時間)
思い出し日記
・運動は得意ですか? 苦手ですか?
・これから始めたい運動はありますか?
同じもの見つけ
思い出し日記
・最近、電話やメールをした相手はだれですか?
・その人とどんな話をしましたか?
果物漢字探し
思い出し日記
・忘れられない「世界的な事件」といえば?
・その事件を知って、あなたはどのように感じましたか?
脳いきいきパズル クロネコ編・ミケネコ編
川島隆太(監修) 定価 1,210円 (税込)
『脳いきいきパズル クロネコ編』
川島隆太(監修) 定価 1,210円 (税込)
『脳いきいきパズル ミケネコ編』
■川島隆太教授監修
■パズルによって5大脳力を鍛え、日記を書くことで脳が活性化!
認知機能の中で重要な脳力が、
「認知力・記憶力・注意力・視空間認知力・情報処理力」の5つです。
本書では
認知力や記憶力を高める文字を用いたパズル、
情報処理力をアップさせ頭の回転がよくなる数字を使ったパズル、
視空間認知力や注意力を高めるイラストを使ったパズルなど
バラエティに富んだ問題で、バランスよく脳力を鍛えることができます。
また、記憶には「何を食べたか」「だれと会ったか」など
自分自身の行動や経験に基づく「エピソード記憶」と
単語や年号など自分に直接関係のない事柄に基づく「意味記憶」があります。
本書ではパズル問題に加えて、
毎日日記を書くことで記憶が整理・強化され、
「エピソード記憶」の機能を鍛えることができます。
このように、5大脳力を鍛えること、
過去や現在、未来に思いをはせながら日記を書くことで、脳が活性化され、
認知機能がどんどんアップしていきます。
【この本の監修】川島 隆太/東北大学教授 加齢医学研究所
1959年、千葉県に生まれる。 1985年、東北大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。 医学博士。 スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員、東北大学助手、 同専任講師を経て、現在同大学教授として高次脳機能の解明研究を行う。 脳のどの部分にどのような機能があるのかを調べる研究の、日本における第一人者。宮城県蔵王町観光大使。※プロフィールは発刊時(2024年11月)のものです。