【西播磨】空き家を活かして龍野でまちづくり 西兵庫信金と民都のファンド 、投資先第1号に3者決まる
空き家を活用した揖保川流域の活性化を目的に、西兵庫信用金庫(宍粟市山崎町)と公的金融機関「民間都市開発推進機構」(民都機構)が昨年3月に共同で組成した「にししんまちづくりファンド」の投資先第1号が決定した。このほど、たつの市内で投資先の事業発表会が開かれた。
選ばれたのは、いずれも城下町の面影が残る同市龍野川西地区で事業展開する「龍野みらい舎」「オールクー」「mysig(ミューシグ)」の3者。
龍野みらい舎は地元有志らが立ち上げたまちづくり会社で、築270年の古民家をリノベーションして今夏に宿泊施設を開業するとともに、店舗区画も設けてテナントを誘致する計画。地元で開かれる各種イベントの調整役も手伝っていくという。
オールクーは、オリジナル醤油作りを体験できる「発酵ラボ・クー」の運営者。至近の醤油樽製造蔵跡で醸造や革細工を楽しみながら宿泊できる体験・滞在型観光施設を来年初頭にオープンさせる。
ミューシグは、直営の料理店「SUSHI&VEGETABLE 心」近くの私設図書館「九濃文庫」跡を7月から生活体験施設として活用し始める。〝人生の日曜日〟をキャッチフレーズに、田舎暮らしをしたい人に移住体験してもらうほか、店舗開業のコンサル業務も請け負う。
「にししんまちづくりファンド」投資先の事業発表会
民都機構によると、同機構が協力する同様のファンドは現在、全国で36件あるが、立ち上げから1年で3件の投資先が決まるのは異例の早さという。今後は同じ揖保川流域の姫路市網干地区と宍粟市山崎地区でも投資先を広げていく。
同金庫の桑垣喜一理事長は「人口減少で空き家が大きな課題になっているが、このファンドで少しでも地域が盛り上がってほしい」と期待を述べた。