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ライドシェア 111日で利用398件 県「順調」も実感乏しく

タウンニュース

自家用車を使って乗客を運ぶ一般ドライバー

一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「神奈川版ライドシェア(かなライド@みうら)」の実証実験が4月から三浦市で始まり、8月5日までの計111日で398件の利用実績があることが分かった。週末を中心に伸びているといい、3カ月目には当初見込んだ1日平均5件の水準に達した。県は「順調に推移している」と評価するが、一般ドライバーや地元飲食関係者ら視点では需要に対する実感は乏しく、両者の受け止めに差が生まれているようだ。

「暇ですね。1件も予約がない日もある。もう少しお客様がいると助かるんですが」。8月2日午後8時半過ぎ、ライドシェア事業に参加する女性(65)がため息交じりに話した。

女性は早くに夫を亡くし、年金を頼りに市内で暮らす。生活の足しになればと同事業の参加に手を挙げたが、始まった4月は収入ゼロ、5月以降は徐々に増えたが、週5日を勤務日に充てても月1〜2万円程度という。「思っていたのとは違うけど、三浦の役に立てればとボランティアの気持ちと半々で続けている」

実証実験は12月16日までの8カ月間。タクシー会社2社のほか、一般ドライバー15人が参加し、交通手段が不足する午後7時〜深夜1時まで、移動の足を提供する。

県によると、4月17日〜5月9日の1日平均利用は0・9件だったが、月を追って増え、6月19日〜7月16日の期間には5件となり、想定に達した。県はアプリの改良や周知活動が利用増を底上げしているとみており、「需要があることは分かった。秋の観光シーズンにさらに利用が伸びれば」と一層の需要増に期待をにじませる。事故やトラブルはこれまで発生していないという。

経済効果見えず

利用実績は増加傾向にはあるが、一方で地元への経済波及効果は不透明だ。市内で飲食店を営む男性は事業に伴う来客の増加に期待を寄せていたが、実感はほとんど得られていないという。「夜の来客にむすびつかなければ意味がない。当初より浸透してきた気はするが、期待の方が大きかった」と落胆する。

県は実証実験を経て本格導入したい考えで、担当者は「どういう形で実施するのか市とタクシー業者と調整しながら検討していく」としている。

ライドシェアの利用はタクシー配車アプリ「GO」に登録。乗車前に目的地を登録し、キャッシュレス決済する。

配車アプリ「GO」の画面。車両の位置が端末の画面で確認できる

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