三浦市・県 ライドシェア本格導入へ国に規制緩和要望
一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「神奈川版ライドシェア(かなライド@みうら)」を巡り、三浦市と県は10月23日、タクシー事業者が実施主体となった場合の規制緩和を求める要望書を国に提出した。県などは年内にも本格導入への移行を目指しているが、実施主体が現在の市から民間に切り替わった際、採算性が見込めないとして業務委託での雇用形態を許可するよう求めている。
実証実験は夜間のタクシー不足を解消するため、市を実施主体として4月17日に開始。午後7時から翌日午前1時まで、乗車地を市内に限って運行している。
県によると10月28日までの利用回数は計709回で、1日平均は3・64回。単月最も多かった8月の1日平均は4・5回で当初想定の5回に近づいた。これまで事故やトラブルはないという。
こうした経緯を踏まえ、9月19日の県議会本会議で黒岩祐治知事が本格導入に向けて言及。「タクシー不足に対して有効な手段」と評価した上で、「採算性など事業スキームの検討を深め、実験終了後、切れ目なく本格実施につなげていきたい」と述べていた。
県と市は実証実験終了後、タクシー事業者に実施主体を移行した上で独立採算での本格実施を目指す。ただ、道路運送法で自家用車活用事業はドライバーとの雇用契約を前提としており、要望書では「都市部と比べて需要が少ない三浦市域で実施した場合、タクシー事業者の採算は成り立たない」と指摘。働き方の自由度が低い雇用契約ではドライバーの確保も難しいとし、業務委託契約を認めるよう国土交通省と内閣府に求めた。