四日市高がセンバツ21世紀枠の三重県推薦校に 文武両道で甲子園目指す
三重県立四日市高校(四日市市富田)の硬式野球部が、2026年の第98回選抜高校野球大会(春のセンバツ)の「21世紀枠」三重県推薦校に選ばれた。「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校で県内トップクラスの進学校が、文武両道の力で甲子園を目指す。
朝練無しテスト期間練習なし 限られた練習時間で秋季大会ベスト4
「勉強が本業なので、負けても勉強で紛らわせます」
そう語るのは、隯海生(しま・かいせい)主将(2年)。文武両道を掲げる四日市高校は、「朝練なし」「テスト期間は練習休止」というスタイルながら、秋季三重県大会でベスト4入りを果たした。
強豪撃破、サヨナラ勝ちのドラマ
秋季大会では、いなべ総合を4対1で撃破。安打数ではいなべ総合より劣るも、ミスの無い手堅い守備と冷静な試合運びで勝利をつかんだ。準々決勝では宇治山田商業と延長タイブレーク(※)に突入。10回表を無失点で抑えた後、佐野優晶選手のヒットでサヨナラ勝ち。俊足で4安打を放った貞任宏槻選手(2年)は「試合前から勝てる気配を感じた」と語った。
サヨナラヒットを打った佐野選手
野球×科学=探究する高校球児
SSSH指定校として、野球部員の中には科学的視点で「野球道具に関する探究」や「野球の経済効果に関する探究」などをテーマに探究活動を行う部員もいる。バットの反発係数などを調べることで、道具の特性を生かした打撃を考え、チーム内で共有し技術向上に生かしたり、野球の普及について考えたりしている。
勉強との両立のため、登下校や試合の移動中の時間を無駄にせず、車内で勉強し、メリハリをつけることで野球に集中できるようにしているそうだ。
59年ぶりの甲子園出場なるか 夏には自力で出場目指す
四日市高校は1955年の夏の甲子園で全国優勝。最後の甲子園出場は1967年。今回、21世紀枠での出場が叶えば、実に59年ぶりの夢舞台となる。
加藤敬三監督は「21世紀枠に推薦されたことで選手の集中力が高まっている。場面に応じて、やるべきことをしっかりとやってくれる」と語る。
隯主将は「21世紀枠はもう高野連の審議を待つだけ。選ばれたら嬉しい。春季県大会で2位までに入り東海大会に出場、夏は自力で甲子園へ」と力強く宣言した。
※タイブレーク:延長10回から無死一・二塁で攻撃を始める特別ルール。試合の長時間化を防ぐため、高校野球公式戦で採用されている。