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視力検査拒否の息子に「仕方ない」と言われ…視力矯正はあきらめる?セカンドオピニオンを求める?【3/21は「世界ダウン症の日」】

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視力検査拒否の息子に「仕方ない」と言われ…視力矯正はあきらめる?セカンドオピニオンを求める?【3/21は「世界ダウン症の日」】

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

3月21日は「世界ダウン症の日」

こんにちは。漫画家の星きのこです。ダウン症の男の子、きいちゃん(現在9歳)を育児中です。

もうすぐ3月21日ですね!
3月21日と言えば……そう!「世界ダウン症の日」です!
ダウン症という疾患が21番目の染色体が3本あることにちなんで、3月21日が「世界ダウン症の日」と国際認定されました。
3月21日当日はもちろん、もう今から「世界ダウン症の日」に向けて世界中で啓発イベントが盛り上がっているので、是非是非チェックしてみて下さいね♪

さて、今回は「子どもの疾患にセカンドオピニオンはつけるべきかつけないべきか問題」について書いていきたいと思います。

ダウン症の息子、セカンドオピニオンはつけるべきかつけないべきか問題

きいちゃんは「ダウン症」という染色体異常があるおかげで、さまざまな合併症も持って生まれてきました。そのため、生まれてまもなくから地域で最大の子ども病院で定期的にいろいろな科で診察して頂いています。

きいちゃんの場合、具体的に言うと、遺伝科、循環器科、内分泌科、整形外科、歯科、眼科、耳鼻科……と、ほぼ全てです!(笑)
※整形外科はのちに別の病院に転院

もちろん、普通に風邪を引いた時は近所のかかりつけの小児病院で診て頂いていますが、これだけの疾患を地域最大の子ども病院でまるっと1か所で診て頂けるのは、安心感もありますし、本当に大大大感謝の毎日です。

で・す・が……!!

ついにその時はやってきました。それはきいちゃんが2歳を過ぎたあたりにやってきました……。

きいちゃんにはダウン症の合併症で多く見られる「強い遠視」があります。そのため、赤ちゃんの時からこの大病院で診ていただいていました。そしてきいちゃんが2歳を過ぎた頃、やっと視力を矯正する眼鏡を作ろう……!!ということになったのです。

ちなみに、子どもの視力が改善されるのは8歳までと言われています(※)。

※視力の発達は6~8歳で完了します。この期間に目の病気や異常、けがなどによって「物をくっきりと見る」ことが妨げられると、視力の発達は十分に進まないため、3歳児健診での視覚検査で、弱視や屈折異常等を早期発見し、早期治療につなげる必要があると言われています。

よーし!!きいちゃんも眼鏡を作ってもらい、視力アップを目指すぞーー!!……と、思ったものの、検査は目薬を挿したり、暗い中で目に光を当てたり、機械に顎を乗せて視力を診ていただいたり………と、2歳のきいちゃんにとっては難しく、拷問としか思えない検査が続きました。

その度にきいちゃんはギャン泣きで拒否。
とても視力を測れるような状態に持っていくことができませんでした。

視力検査でガン泣きのきいちゃん……。先生からの言葉に冷や汗・油汗が!

すると、先生が
「これでは検査は無理ですね。今年は諦めて来年にしましょう」と一言。
私は冷や汗だか油汗なんだかわからない汗を流しながら「も、申し訳ありませんでした……!」と謝るしかできませんでした。

しかし、きいちゃんには知的障害(知的発達症)があります。ふと、果たして来年もおとなしく検査ができるようになっているのだろうか……?という不安がよぎりました。そこで「あ、あの、もし来年になっても検査ができなかったらどうなるんでしょうか……?」と、つい、医師に質問をしてしまいました。

すると、
医師「そうなると、また翌年ですね(眼鏡を作るのは)」
私「え……で、でも、その翌年も検査できない可能性もありますよね……?そうしたらどうなるんでしょう…」
この時すでに、矯正可能な年齢が8歳までと知っていた私は、心配になり、しつこく医師に聞いてしまいました。
医師「ふーー……。正直言って、小学生になっても検査できないお子さんもいらっしゃいますよ。検査できる時が眼鏡が作れる時だと思ってください。まあ、仕方ないですね」

ガゴーーん!!そ、そ、そんなーーー……!!

そりゃ先生は「仕方ない」で済ませられるかもしれないけど、かわいいわが子の視力を少しでも良くしてあげたいと思う私にとっては仕方なくないんじゃーーー……!!!!
………と、思いながら、ギャン泣きするきいちゃんを連れて帰るしかなかった私……。

知的障害(知的発達症)のある子は眼鏡作るのをあきらめるしかないの!?でも、実際に視力検査ができないと、どうすることもできない……でも……
と帰り道、モヤモヤしながら帰りました。

そうして私の初めてのセカンドオピニオンを探す旅が始まりました。旅の続きはまたの機会に書ければと思います。

執筆/星きのこ

(監修:鈴木先生より)
世間には他職同様、いろいろなドクターがいます。ドクターの通っていた中学・高校・大学でも違いがあります。知識は大学の医学部で主に習得しますが、人柄は中学・高校で決まると言っても過言ではないと思います。ドクターの臨床経験がないと今回のようにあきらめるほうに向く傾向があります。ドクターによって知識や経験はさまざまです。以前私はこのコミックコラム欄で、患者さんを診るセンスとは知識と経験だとお話ししました。まさにそのセンスの違いが育った環境の違いで必ずあるのです。極端な話、同じ病院内でも別のドクターに聞けば違うやり方での検査や治療を勧められることも珍しくありません。新聞や本を読んで、別の方法があると知り、臨床経験豊かなドクターを頼ってセカンドオピニオンに訪れる患者さんが大勢います。私の外来でも自費でセカンドオピニオン外来を行っておりますが、たいていの患者さんは子ども大人問わずその後、私のクリニックへ転院してきます。世間の困っている人びとは、センスのいいドクターを求めています。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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