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【タンチョウも訪れる、北海道の絶景】秋なのに新緑が見られる!この時期だけの魅力/帯広・幕別町

Sitakke

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数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。

今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、十勝の「この時期だけの新緑の景色」をお届けします。

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

秋なのに新緑

11月に入り、十勝平野の紅葉は、落葉が多くなりました。見ごろを終えようとしています。
ことしは風の強い日が続き、葉が色づく前に散ってしまった印象でした。

しかし、この時期に十勝平野で見られる絶景は、紅葉だけではありません。

十勝管内の畑の景色です。
秋といえば収穫の季節で、今はビートや大豆、小豆などが多少残って、次は長芋が主になるかなというころです。

一方で、この時期に芽を出す作物があります。秋まき小麦です。
9月下旬に種を植えていて、越冬してから収穫を迎えます。

そのため、秋にもかかわらず、新緑のじゅうたんが広がる光景を見ることができます。
これがまた美しい!

この時期しか見られない、秋まき小麦の新緑の景色をお届けします。## 秋まき小麦の芽

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/100秒
・絞り f/10
・ISO 160

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

秋蒔き小麦の芽です。

僕が転勤で帯広に引っ越してきたのは、去年(2023年)の10月でした。
その時期から、ちらほらこの光景を目にしていましたが、最初は緑色の芽が何なのか、全然わかりませんでした。

とりあえずきれいだなー、なんて思いながら、風景の一部として写真を撮っていたのを覚えています。

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/250秒
・絞り f/16
・ISO 640

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

十勝に住み始めてから、これが秋まき小麦の芽なんだと、地域の方々に教えていただきました。
とても優しい方ばかりです。何も知らない僕に対し、一から丁寧に教えてくださいました。

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/100秒
・絞り f/9
・ISO 400

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

広大な畑に、芽がきちんと整列する風景がきれいです。
知り合った農家さんが、「昔は農家さんの腕前が、畑を見ればすぐわかった。トラクターでどれだけまっすぐに種をまけるかでわかる」とおっしゃっていました。

今はトラクターにGPSがついて自動で畑に種をまいてくれるようになり、整った畝を作るのは昔より簡単になったそうです。GPS装置がついたおかげで、畑の隅々まで余すことなく種をまけるようになったともお話されていました。

昔の良さもありますが、技術の進歩の良さもありますね。

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/100秒
・絞り f/10
・ISO 400

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

早朝、日があたり始めた頃。
新緑から、黄金色のじゅうたんへと変化します。

この時間しか見れない、特別な景色です。

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/1000秒
・絞り f/8
・ISO 640

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

空気も澄んでいて、この空間で撮影できていることに、特別な気分になります。

車を路肩に停めて助手席側から撮影

・撮影日:2024年10月
・場所:幕別町

・シャッター速度 1/500秒
・絞り f/13
・ISO 800

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

車を走らせていると、太陽を浴びて光り輝く畑の中に、タンチョウが!

もう、とても、とても、優雅な光景でした。

心で言い表せられない感情で、穏やかな景色と反比例して、心はとてもおどっていました。

・撮影日:2024年10月
・場所:幕別町

・シャッター速度 1/1000秒
・絞り f/11
・ISO 800

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

ゆっくりゆっくり歩くタンチョウ。なんとも神々しいです。

「こんな景色を見ることができるんだ!十勝にきてよかったな」と、心から思いながらシャッターを切りました。

・撮影日:2024年10月
・場所:幕別町

・シャッター速度 1/640秒
・絞り f/10
・ISO 800

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

タンチョウはもっと道東側でよく見られるのかなと勘違いしていましたが、十勝のいろいろな場所で遭遇することがよくあります。
このタンチョウも、きっと道東周辺を飛び回っているのでしょうね。この時間帯、このロケーションで出会えたことに感謝です。

・撮影日:2024年10月
・場所:帯広

・シャッター速度 1/250秒
・絞り f/16
・ISO 640

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

秋まき小麦は、これから雪が積もり、越冬期に入ります。
春になり雪が溶けるまで、じっと待ちます。

農家さんは、これから雪腐れの心配などもあり対策が必要なものの、比較的、生育するまでそんなに手間はかからないと話されていました。
ですが、しっかりとした小麦になるまで、僕らが見えないところでの大変さが、多々あるのだろうと思います。

十勝に越してから、農家さんの仕事の大変さもわかり、食をいただくことのありがたみを、肌で実感しています。

そして、来年またきれいな黄金畑を見るのが楽しみです!
テレビ取材でも、来年は密着してみたいなとも考えています。

今回も記事を見ていただき、ありがとうございました。

2024年7月末 収穫間近の成育した秋まき小麦

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2024年11月)の情報に基づきます
※畑の写真は伝染病などに配慮の上で撮影しています

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