麻生区文化協会 先端技術で伝統文化継承 40周年を記念し講演会
麻生区文化協会は3月15日(土)、創立40周年を記念し「IT技術と映像文化」と題した講演会を麻生市民館で開催する。映像や照明システムのリーディングカンパニーをゲストに招き、バーチャルの世界などについて学ぶ。同協会の板橋洋一会長(70)は「伝統文化をつないでいくため、最先端の技術を活用していきたい。学びのきっかけになれば」と思いを語る。
麻生区の文化活動の振興に寄与することを目的に1984年に創立した同協会。文化サロン、アカデミー、美術工芸、舞台芸能の4つの部に分かれ、現在は25団体、87人の個人が会員として名を連ねている。
新たな見せ方に期待
同会は活動の中で、文化講演会を毎年実施している。今年度は創立40年を記念し、映像制作に関するサービス、バーチャル技術を提供するARRIJapan(株)代表取締役の朱嘉浩(カルロス・チュー)氏が講師として登壇する。
今回、ゲストを決める中で「映像のまち・かわさき」推進フォーラムから同社を紹介され、講演会を行うことになった。板橋会長は「高齢化、後継者不足が課題と言われ、文化継承のためには今、重要視される知識を蓄える必要がある。新たな教養を深めるきっかけになれば」とテーマについて説明する。
当日は同社の実践的な最新技術や事例紹介などを行う。板橋会長は「単なる合成ではなく、より自由なバーチャルスタジオを展開していくような技術を持っている」と目を輝かせる。
一見相反するように見える伝統文化とIT技術だが、「伝統的な文化も映像とかけ合わせることで見せ方に幅が出ると思う」と板橋会長。「例えば、日本舞踊を桜吹雪や京都の映像をバックに舞うことで、より華やかに見せられる。伝統文化をつないでいくため、できることにはチャレンジしたい」と熱を込める。
広報に注力
ほかにも40周年の記念事業として、記念誌制作やウェブサイトのリニューアルを行う。
現在、会員手製のウェブサイトを活用しているが、会員から宣伝力強化を望む声をうけたことなどから、刷新し、3月中の開設を目指す。板橋会長は「子どもたちに情報を届ける方法として、既に効果が出ている。今後は活動の申込みをウェブサイト上で行うなどしていきたい」と話す。
今後目指すのは、「時代に即した文化活動」。板橋会長は「多文化共生、国際化、環境問題。新たな考え方をマッチングさせながら、伝統文化を継承していく一助となれば」と展望を語った。
講演会は3月15日、麻生市民館大会議室。午後2時30分から(2時開場)。入場無料、申込み先着150人。
参加申込みは、氏名、連絡先を明記し、板橋会長【ファクス】042・738・8249、【メール】and28248@hotmail.com。