レトロ喫茶の聖地・邪宗門の流れを汲む【高岡邪宗門】創業半世紀超の趣きある老舗喫茶の新名物は予約限定・不定期営業のかき氷
開町400年を誇る富山県高岡市。
城下町として築かれながら一国一城令によって高岡城が廃城になった後は商工都市として発展し、伝統産業や寺院がまちの景色に馴染む歴史と文化が香るまちです。
そんな高岡市の中心部、市内でもとりわけ伝統的な街並みが残る山町筋の近くに、ひっそりと佇む老舗喫茶店があります。
店の名前は「邪宗門(じゃしゅうもん)」。
レトロ喫茶の代名詞としてこの名を知る人も多いでしょう。かつて東京・国立で営業していた名和孝年さんの「邪宗門」にルーツを持ち、店や名和さんに魅せられた門主(店主)が荻窪や世田谷、伊豆下田などに出店。それぞれの門主の趣味や個性を色濃く反映させながら、「邪宗門」の看板に違わないレトロな店構えやアンティーク収集品、コーヒーの味が常連客や若い喫茶店ファンに愛される名店です。
「邪宗門」の名を引き継ぐ現存5店のひとつ
世田谷門主の出身地にちなむ「高岡邪宗門」
レトロ喫茶の聖地に挙げられることも多かった国立の「邪宗門」は名和さんの逝去により閉店。他の店も移転や後継者不在による閉店などがあり、現存する「邪宗門」は、全国に5つとなっています。
そのうちのひとつである高岡店は、名和さんに憧れて脱サラして世田谷代田に店を開いた門主の作道さんの出身地であったことから暖簾分けした店。
1970年に創業しました。
知らなければ素通りしてしまいそうな小さな店の中には、レトロな什器やアンティークの小物が所狭しと並び、窓からはやわらかい日差しが差し込みます。
間口が狭い町家造りの奥には緑豊かな中庭があり、ほっと落ち着く時間を過ごすことができます。
老舗喫茶の新たな名物ーー予約限定のふわふわかき氷
キャラメルマキアート 1200円(税込)
そんな高岡邪宗門では、自慢のコーヒーやピザトーストなど、昔ながらの喫茶店の定番メニューが人気ですが、不定期で販売される予約限定メニューのかき氷が新たな名物となっています。
オススメは、ふわっふわで雪のような食感のかき氷に、クリームとたっぷりのナッツがトッピングされた「キャラメルマキアート」。
2023年の夏に販売されて好評でしたが、2024年はナッツを増量し、クリームにも手を加えてさらにおいしくなるようにマイナーチェンジしています。
氷はふわふわに削られて、口の中でスッと消えていく口どけのよさ。
まろやかなクリームとキャラメルが甘い後味を残して、暑さでほてった体をひんやりしずめてくれます。
さらに食べ進めると…
氷の中から、コーヒーゼリーが!
店自慢の「邪宗門ブレンド」で作った自家製のコーヒーゼリーです。これがクリームやナッツと合わさるとさらに味わい深くなり、最後のひと口まで飽きることなく食べられます。
老舗喫茶店を守るぐ3代目門主は大の「かき氷好き」
高岡邪宗門でかき氷が提供されるようになったのは、2023年。
父から店を受け継いだ2代目門主の開田裕子さんから義理の娘の理恵子さんへの代替わりをきっかけに、理恵子さんが大のかき氷好きだったことから始めました。
販売をはじめてまもなくSNSで話題となり、今では不定期で販売日が告知されるとすぐに予約が埋まってしまう人気メニューとなっています。
老舗の味を守りながらも門主の嗜好を取り入れて変化する高岡邪宗門には、まさに邪宗門らしさが受け継がれています。
かき氷は、マンゴーや黒胡麻みるくなど、いろんなフレーバーが登場するようなので、こまめにSNSをチェックするのがオススメです。
かき氷は、InstagramのDMから予約が必要です。不定期での営業となるので、詳しい情報はInstagramで更新される情報をご確認ください。
店舗情報
【邪宗門】
住 所 高岡市三番町50
営 業 12:00~15:00
※喫茶は8:00~18:00
※かき氷の営業・予約についてはInstagramをご確認ください
定休日 元日
電 話 0766-22-1459
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2024年7月12日放送
記事編集:nan-nan編集部