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発達障害グレーゾーンの2年生、授業参観でトラブル発生!?「特別支援学級でよかった」と感じたワケ

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発達障害グレーゾーンの2年生、授業参観でトラブル発生!?「特別支援学級でよかった」と感じたワケ

監修:初川久美子

臨床心理士・公認心理師/東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち

特別支援学級2年生に進級し、初めての授業参観の日がやってきた!

わが家の長男はASD(自閉スペクトラム症)の傾向があり、小学校では自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍しています。この春、ついに2年生がスタート!長男はどんな様子で学校生活を送っているのか、授業参観で見られるのを楽しみにしていました。

交流学級の教室に入れない……1年生の時の様子

1年生の時は、交流学級の授業にはなかなか参加できなかった長男。そもそも交流学級の教室まで移動することもできなかったり、移動できても教室の外から先生と見学したりしていました。しかし、1年生の後半になると、たまに担任の先生から「今日は参加できました!」と教えてもらえる日も増えてきたので、このまま徐々に交流学級に参加できるようになるといいなと思っていたのですが……。2年生に進級したことで、交流学級の所属クラスも変わり、長男は新しい環境にうまく適応できず、また参加ができなくなってしまいました。

授業参観でトラブル発生!?教室を飛び出した長男に先生は……

今回の授業参観では、特別支援学級の児童全員が1つのクラスに集まり、みんなで授業を受ける(授業といってもクイズなどの遊びを交えた内容)というスタイルだったのですが、長男以外の子どもたちはみんな座って授業を受けている中、長男だけはなかなか椅子に座っていられず、そのうちに教室から飛び出してしまいました。

長男の特別支援学級には、担任のほかに補助としてついてくださっている先生がいます。教室を飛び出した長男を、すかさず補助の先生が追いかけてくれました。私もそのあとを追っていくと、先生は廊下に座り込む長男に寄り添い、決して怒ることはせず、優しく声掛けをしてくれていました。そのうちに、長男も気持ちが落ち着いてきたのか、教室へ戻ってきて、なんとか授業に参加することができました。

困難さもあるけれど、手厚いサポートに感謝しつつ今後に期待

やはり長男にとって、学校生活には大きな困難があるのだな……と思い知る出来事でした。ただ、特別支援学級の先生方の手厚いサポートのもとならば、少しずつ「大丈夫だった、自分もできた」という経験を重ねて、自信をつけていけるのではないか、とも感じました。家にいる時の長男は、次男の面倒を良く見てくれる、優しいお兄ちゃんです。自分より年齢が低い子の前だとお手本になろうと頑張る性格なので、特別支援学級に入ってきた新1年生のお手本になる姿が見られるよう、今後に期待したいと思います!

執筆/プクティ

(監修:初川先生より)
長男くんの2年生最初の授業参観でのエピソードをありがとうございます。自閉症・情緒障害特別支援学級に所属している長男くん。自閉症・情緒障害特別支援学級は、一般的に、ASD(自閉スペクトラム症)や情緒障害のある知的に遅れのない児童が、少人数での学級編成でクラス替えなどの変化を少なくした学級です。変化を苦手とするお子さんにとってはありがたい環境調整です。ただ、そうはいっても、交流級(通常学級)は変化の多い年度替わりの時期を経ていたり、特別支援学級でも1年生が入ってきたりと何も変化がないわけではありません。また、授業参観自体も、いつもはいない保護者が来られる日で良くも悪くも緊張やストレスを感じることもあるでしょう。自閉症・情緒障害特別支援学級を担当される先生方はおそらくそうしたお子さんたちの特性や苦手さ、つらさを十分分かっていてくださるからこそ、教室にいられなくなり外に出てしまっても、「怒る」のではなく、寄り添ってくださったのだと思います。単に人的サポートが多いということのみならず、関わってくださる先生方のあたたかいまなざしやご理解がありがたいなと感じました。子どもたちにとって、安心して過ごせる環境だからこそ、ますますの成長が望まれると思います。長男くんの成長、楽しみですね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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