猫も『恥ずかしい』と思うことはあるの?羞恥心という感情にまつわる4つの説
猫の『羞恥心』にまつわる4つの説
皆様は、穴があったら入りたいと思うほど恥ずかしい体験をしたことがありますか?筆者は多すぎて語ることができません。
では、猫にも『恥ずかしい』という感情はあるのでしょうか。例えばジャンプに失敗した時、何となくばつが悪そうな反応をしていますよね。
ここでは、猫の『羞恥心』にまつわる説を4つ紹介いたします。
1.羞恥心という感情はない
猫が持ち得る感情は人間に換算すると1歳程度とされています。知能が概ね2〜3歳程度ということも加味すると、『羞恥心』という複雑でより高度な感情は抱くことがありません。
さらに猫の場合は単独で行動する動物なので、他者の反応を気にするという習慣そのものがありません。
よって失敗を恥じる、それを見られて恥ずかしいと思うことはないのです。
2.恥ずかしそうな反応の正体は『転嫁行動』
羞恥心という感情がないのであれば、なぜ恥ずかしそうに毛繕いをしたり、その場から逃げ去ったりするのでしょうか。
これらの行動は『転嫁行動』といいます。全く関係のない行動によって落ち着きを取り戻し、気持ちを切り替えようとしているのです。
猫にとって失敗とは恐怖や苦痛、ストレス以外の何ものでもありません。野生の世界であれば命に関わる重大な事故に繋がる恐れがあるからです。
「動揺している場合ではないぞ!」「しっかりしろ!」と言い聞かせ、とりあえず安全な場所へと移動する過程が、人間目線では気まずそうに見えてしまうのでしょう。
この時もやはり、猫は人間のことなど眼中にありません。とはいえ失敗を笑うのはタブー。大声を出すことで更なるストレスや嫌悪感を生んでしまいます。
3.叱られる恐怖に動揺している
動揺といえばもう1つ、叱られたくないという危機感から転嫁行動を取っている可能性が伺えます。
特にイタズラがバレてしまった場合や、粗相をした場合は躍起になって毛繕いをします。猫は賢いので"悪いことをした"という自覚があるからです。
もちろん命に関わる危険な行動は注意すべきです。ただし暴言や暴力など、感情的になって一線を越える過度なやり方では解決からは遠のいてしまいます。
「ダメ」「アチチ(熱いよ)」「痛い痛いだよ」とシンプルな言葉を選んで叱るようにしてください。
粗相に関しては必ず理由があるはずです。叱るよりも、原因の究明と対処法を導き出すようにするのが先決です。
4.飼い主さんの真似をしている可能性も
直接的に恥ずかしと思うことはなくても、間接的に飼い主さんを真似ることはあるかもしれません。
猫は学習能力が高く、元々母猫の行動を見て学び、狩りのスキルを身につけて成長していきます。
飼い主さんが「あら嫌だ!恥ずかしわ」と言いながら手で顔を覆う仕草をする場面を幾度となく目撃しているのであれば、失敗したらこのような行動に出ると学ぶ可能性があるでしょう。
そのリアリティ溢れる反応が結果的に、猫にも羞恥心があると錯覚させてしまうのかもしれません。
まとめ
猫が失敗した時に見せる気まずそうな反応は、転嫁行動によるものでした。猫には羞恥心という感情はなく、恥ずかしという概念すらありません。
とはいえ、人との生活の中で何かを学び取っている可能性はあります。知能の限界から複雑な感情までは抱けずとも、妙に自分に似ているなと思える行動が伺える瞬間があるかもしれません。
実際に猫の失敗を目撃した際は、できるだけ静かに見守りましょう。恥じていないとはいえ、笑われれば不快ですし声によるストレスが生じる恐れがあります。
猫が転倒もしくは落下をした場合は、一通り転嫁行動が落ち着いた後で怪我の有無を確認してください。