食べた?「オーバーライス」 アイスタに長蛇の列ができる店【函南町・ニューヨークヴェンディーズ】
サッカー・清水エスパルスの本拠地・IAIスタジアムで行列ができるほど人気の「オーバーライス」店が静岡・函南町にあります。ニューヨーク発祥B級グルメの魅力に迫りました。
【画像】メニュー画像など記事中に掲載していない画像も!スタジアムで大人気!「オーバーライス」とは何か
清水エスパルスの本拠地・IAIスタジアムでは、ある料理を求めて長蛇の列ができています。
その行列は「最後尾」の看板が出るほど。
行列は1階からぐるっと階段を上がって2階へ続いていました。
そこで売られていたのは、その名も「オーバーライス」。
スタジアムグルメとして今、大きな注目を集めているのです。
静岡初のオーバーライス専門店
函南町にある「ニューヨーク ヴェンディーズ」は、10年以上前からオーバーライスを販売している専門店。
清水エスパルスのホーム戦全試合に出店しているそうです。
メニューボードには「チキンオーバーライス・胸肉(790円)」「チキンティカマサラオーバーライス(900円)」「シュリンプ&チキンの2点盛り(1090円)」などと書かれており、種類が豊富そうです。
看板には「静岡で初のオーバーライス専門店」と堂々と書かれていました。
店主の川辺雅貴さんにオーバーライスについて教えてもらいました。
ニューヨークヴェンディーズ 店主・川辺雅貴さん:
オーバーライスはニューヨークの屋台飯でして、「チキンオーバーライス」が一番有名です
川辺さんによると、ニューヨークスタイルのオーバーライスの主な特徴は、以下の3つです。
・ ターメリックやサフランで色付けした細長い米を使用
・ スパイスで味付けしたチキン、ビーフ、ラムなどの肉をトッピング
・ ヨーグルトベースのソースをたっぷりかける
このオーバーライスは、トルコ系の移民がニューヨークで販売し、人気に火がついた「屋台メシ」。ニューヨークのB級グルメなのです。
ニューヨークとの出会いが生んだ情熱
川辺さんがオーバーライスに目をつけたきっかけは、ニューヨークでの偶然の出会いでした。
ニューヨークヴェンディーズ・川辺さん:
2009年に新婚旅行でニューヨークに行き、たまたま泊まったホテルの目の前がニューヨークで1番有名なオーバーライスのヴェンダー(売店)だったんですね
川辺さんはその屋台にできた行列を見てなんだろうと思い、実際に並んでみたそうです。
そこで食べたオーバーライスのあまりのおいしさに「こんなうまいものがあったのか。なんだこれ!」と感動したと言います。
ニューヨークには、ブロックごとにオーバーライスの屋台が並んでいるそうです。
日本ではまだまだ「チキンオーバーライス」が主流ですが、本場ニューヨークではバラエティ豊かなオーバーライスが提供されています。
ニューヨークヴェンディーズ・川辺さん:
ニューヨークに行くとチキンは数あるオーバーライスの中の1つに過ぎない感じで、ビーフ、ラム、ファラフェル(中東発祥のコロッケのような料理)とか、シュリンプもありますし、シーフードオーバーライスとか、ありとあらゆるオーバーライスであふれているのがニューヨークですね
オーバーライスを熱く語る川辺さん。
毎年オーバーライスの研究のためニューヨークを訪れているというのですから、その情熱は半端ではありません。
最近では日本でもオーバーライスを提供するお店が増えてきたことについて、川辺さんは「それも全て僕の功績」と、ユーモアを交えながら胸を張ります。
「うちがキングです」と自信満々に言い切るその姿は、冗談めかしつつも並々ならぬ「オーバーライス愛」が感じられます。
キング自信の「アメリカンドリームオーバーライス」
そんな「キング」のおすすめメニューが「アメリカンドリームオーバーライス(1350円※テイクアウト)」です。
鶏と豚に加えて2種類の牛肉がのったボリューム満点の一皿です。
実際に食べてみると、まず特徴的なのがソースです。ヨーグルトベースのホワイトソースには程よい酸味があり、クリーミーで爽やか。
ニューヨークヴェンディーズ・川辺さん:
基本となるヨーグルトホワイトソースは絶対です。シーザーサラダのドレッシングが近いです
ビーフとポークはアメリカ産を使用。
チキンはジューシーなもも肉を、そしてサイコロステーキは、ニューヨークで「チョップドラム」と呼ばれるラムのひき肉、ラムのハンバーグを砕いたものをイメージしているそうです。
さらに特徴的なのがお米です。
ライスは日本米ではなく、ターメリックで味付けしたタイ産のジャスミンライスを使用しています。
確かに香り高く、パラパラとした食感が特徴的でした。
激辛ソースで「味変」も楽しめる
食べ応え抜群のアメリカンドリームオーバーライスですが、実は「味変」を楽しむのがニューヨークスタイルだそうです。
その主役となるのが「サドンデスソース」と呼ばれる激辛ソース。
実際にかけて食べてみると、辛みによって味がシャキッと引き締まりました。
かなりの辛さですが、トマト、ビネガー、レモン果汁、そして大量の唐辛子で作られた、しっかりとしたうま味のある辛さが特徴です。
オーバーライスを購入すると、ミニボトル入りのサドンデスソースがもらえますが「超激辛」なので、かけすぎには注意が必要です。
豪快に食べるのが、アメリカンな屋台メシ・オーバーライスの醍醐味。
片肘張らずにバクバク食べるファーストフードのような気軽さも魅力の一つです。
日本でも広がるオーバーライスの魅力
「オーバーライスのキング」と自負する川辺さんですが、最後は少し自虐的に語ってくれました。
ニューヨークヴェンディーズ・川辺さん:
キングなんですけど、割とお店は暇なので、そこがなんでかな。キングの店なのになんで暇なのかな?
スタジアムは混雑していても、逆に店ならゆっくりと本場のオーバーライスを楽しめるチャンスかもしれませんよ。
■店名 ニューヨークヴェンディーズ
■住所 静岡県函南町間宮674-3
■営業時間 11:00~15:00
■定休 日・月 ※イベント出店時は臨時休業
■問合せ 055-982-6733