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全例文がスーパーポジティブ! 熱すぎる『修造漢字ドリル』を大人がやってみたら…あれ、なんだか涙が出てきたぞ

ロケットニュース24

元プロテニスプレイヤーであり、その前向きさから「日本一熱い男」とも呼ばれる松岡修造さん。ときに熱すぎるキャラをいじられながらも、ひたむきに努力することの価値を否定する人はいないだろう。

そんな松岡さんが小学生向けの漢字ドリルを作った。しかしそこは日本一熱い男、ただのドリルじゃない。学習指導要領対応ながら、例文がみんな “修造語録”とでも言うようなスーパーポジティブなものばかり。漢字を覚えながら自己肯定感までアップするという練習帳だ。どんな内容なのかちょっとのぞいてみよう。

・『修造漢字ドリル 小学1年生』(税込1320円)

表紙からして勢いがある。「つよさを出せ! よわさを出せ!」がいいな。ここはスポ根マンガよろしく「よわさを出すな!」と言いたくなるところだが、弱みや欠点もありのまま受け止める姿勢が感じられる。

内容は小学1年生で習う漢字80字の読みと書きの練習帳だ。ナビゲーターは「まつおかん字しゅうぞう」。

大人だけれどちょっと漢字練習をしてみよう。……と思ったが、家の中に1本も鉛筆がなかった。んなまさか、前に買って忘れてたとか、何かのおまけとか1本くらいはあるだろと思ってあちこち探したが、やっぱりない。パソコンとスマホに毒された大人の自宅なんてこんなものだ。仕方がないのでペンで。

小学校1年生だから、漢字はごく簡単なものからスタート。本書も「一(いち)」から始まっている。「きみは一人じゃない!」が最初の例文だ。

続く例文「かぞくは きみの 一ばんのみかただ」は、人によってはそうじゃない人もいるから完全同意はできないけど、そうであったらいいよね。

ペンなので引っかかって書きにくいというのもあるが、驚くほど字が下手になっているのに愕然とする。横線すらまっすぐ書けない! 今は行政の書類提出なんかもたいがいパソコンで作成できるし、自筆なんてたまに封筒に宛名を書くときくらい? さすがに小学校1年生の漢字がわからないことはないけど、これはガチで練習する必要がある……。

漢字は二、三、四と続く。「きみはにじだ、七いろだ!」や「三日ぼうず つづけてみよう。十かいやれば 三十日ぼうず」ってのもいい。三日坊主も何度もやれば立派な活動。のび太くんも大丈夫!

途中でテストのような復習ページもある。「十かい。いや百かいチャレンジだ」という力強い問題が出ていた。いや、漢字テスト百回は嫌だけれども。どんな失敗でも続けている限り「途中経過」だし、結局は最後までやめなかった人が勝者。それがたぶん人生に共通する成功の法則だ。

……とは思いつつ、頑張るのが疲れちゃうときもあるよね。「ここまでやってもダメなら、もういっかぁ」なんてね。そんなときはどうすればいいの、まつおかん字しゅうぞう!

「じぶん大すき それが大じ」……そんな風に言えたら何があっても大丈夫、どこにいても幸せに生きられる。なかなか言えないけどな!

時折「きみが九九をおぼえるとクククク」ってなナンセンスな例文や、「こえに出して ぜん力でよんでみよう」なんてご近所迷惑な指示を挟みながらも、基本的には書き手を鼓舞するようなメッセージが並ぶ。

この「書く」という行為が重要で、単に「言われた」とか「見た」よりも強い効果をもつように思う。自分の手を動かして書いている、というのが自己暗示になるような。

「よわい気もちを空っぽになるまではき出せば その空白にあたらしい力が生まれてくる」

「じぶんで立ち上がる その一ぽが きみをつよくする」

なんだろう、最初は “まっすぐすぎる” まつおかん字しゅうぞうに、心の中のリトル冨樫が「現実はそんな甘くないだろ」だとか「学校キライな子はどうすんのさ」だとか「孤独な人もいる」だとか、ひねくれたツッコミを入れるのだが、それが氷解していく。

公明正大すぎて一見何かのキャッチコピーみたいにも感じられるメッセージなんだけれど、実は真理がきらりと含まれていて、いろいろ考えさせられる。

「生」の例文は「生まれてきてくれてありがとう」────

こんな自分だけど、誰かひとりにでもそう思われていたら、それだけで生きていく価値があるかも。もうちょっとだけ頑張ろうかな。ホロリ。

・高学年向けなどシリーズ化希望!

コミカルなキャラクターに注目されがちだが、現役時代の松岡修造さんは世界を相手に活躍したアスリート。発言にも説得力がある。本文中には松岡さんからのメッセージが載ったコラムのようなページも。

心が疲れたとき、弱気になっているときは、ポジティブな人のキラキラッぷりに「光が強すぎる……!」と感じることがある。本書もそういった側面がありつつ、まだ挫折や理不尽を知らない、希望にあふれた小学校1年生に向けて作られていることを考えると納得。高学年になっていくにつれ、適切な例文も変わってくると思う。

たとえば高学年になると人と自分を比べて悩む子や、学校に馴染めない子、友達をなかなか作れない子が出てくるはず。ますます大人にも共通する悩み、人類の普遍的な悩みに近づいてくるはずだ。そんなときにどんな例文を挙げるのか。これシリーズ化して欲しいなぁ!

参考リンク:『修造漢字ドリル』特設サイト、Amazon
執筆:冨樫さや
Photo:共同通信PRワイヤー、RocketNews24.

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