「もっとこうしていれば…」母の認知症介護の苦悩と決断。胸に残る深い後悔の念【体験談】
私が初めて体験した母の認知症介護のお話です。「もっとこうしていれば……」という後悔が今でも残っています。
母を襲った異変
ある日、母は自転車で近所のショッピングセンターへ出かけました。しかし、あとになって、母が反対方向にある他人の自宅に保護されていたとの連絡が入り、不安になった私たちはすぐに病院へ向かいました。
そこで、母は前頭側頭型認知症(4大認知症の1つ。脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することでさまざまな症状が現れる病気)と診断されました。
けがをきっかけに急激に進行
その後、母は階段から転落し、両足裏を骨折するという事故を起こしました。事故の影響もあったのか、認知症の病状は急激に進行していきました。
さらに、排泄の失敗が頻繁に起こるようになり、部屋の至るところにその痕跡が見受けられるようになりました。次第に、母が発する言葉も少なくなり、最後にはほとんど話さなくなってしまいました。
無知な自分を反省
子ども夫婦も心身ともに疲弊し、家族としての限界を感じた結果、母を養護施設に預ける決断をせざるを得ませんでした。
決断する瞬間は、深いさびしさとともに、これまで認知症を単なる「物忘れ」だと思っていた自分への反省を強く感じました。
まとめ
今回の介護を通じて、認知症が単なる記憶障害に留まらず、排泄や言語といった多様な側面を伴うことを痛感しました。もしも、もっと早く認知症について学んでいれば、母ともう少し寄り添いながら過ごせたかもしれないという思いが、今も心に残っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:新 智博/40代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)