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貴重すぎる岡田有希子コンサート!事務所の倉庫でライブ音源を記録したカセットテープ発見

Re:minder

1960年00月00日 岡田有希子のライブアルバム「ファースト コンサート 恋・はじめまして」発売日

岡田有希子の貴重なライブ音源がリリース


岡田有希子デビュー40周年の最後を飾る貴重な音源が12月25日にリリースされる。そう、1984〜1986年の約2年間に開催された4つのツアーのライブ音源である。PAミキサー卓からのラインアウト録音によるカセットテープ音源が最新のマスタリングを施され、カセットの音というイメージを凌駕するクオリティに仕上げられている。それぞれの公演はほぼフル収録、通常盤と通販限定BOXにて発売される。

通常盤の『ファースト コンサート「恋・はじめまして」』は、東阪2か所のみで開催された貴重なファーストツアーの初日、大阪公演の模様をアンコールやトークに至るまでフルに収録。また、通販限定となる『GIFT / 1984-1986 Live Tour Box』には、全4ツアーの音源がそれぞれCD各2枚、合計8枚のCDに収められ、それぞれのツアーパンフレットの復刻も付いた豪華仕様のBOXセットとなる。

BOXの外箱のビジュアルには、ツアー毎の衣装デザインイメージ画、封入ブックレットには舞台セットデザインイメージ画や本人直筆イラストなどの貴重な資料を掲載したファン垂涎の品。通常のライブアルバムではカットされてしまうようなライブ中のトークももれなく収録された臨場感あふれる音源は、当時会場へ足を運んだファンはもちろんのこと、初めて聴く人もコンサートを追体験出来るような魅力に溢れたライブ音源である。

岡田有希子をデビューからずっと間近で見ていた制作スタッフ宮坂英光


このボックスが実現するに至ったのは、サンミュージックの倉庫から資料が奇跡的に発見されたことに尽きる。今回、デビューからずっと岡田有希子さんを間近で見ていたという、当時のコンサート制作スタッフ・宮坂英光さんに話をお伺いした。

ーー 当時のライブ映像がないか事務所の倉庫を捜索した時、映像は無かったが、カセット含む、資料が見つかった。これがなければ今回のボックスは実現しなかったと聞いております。

「運良くサンミュージックの倉庫で保管していたものが見つかったんです。どうして綺麗にとってあったかというと、あの頃のライブのバンド編成って、ホーンセクションも入った、要するにビッグバンドの小っちゃい感じだったんです。今のバンド編成とはまたちょっと違っていまして。それでホーンセクションの人たちとかもよく入れ替わるので、その人たちにこういうアレンジになってますよとその都度説明するための資料一式を1つの段ボールに詰めておいたんです」

ーー 当時から全く手を触れないままで保管されていたということですね。

「それこそ30年以上封印されていた箱を開けてみたら、パンフとかも綺麗な形で残ってまして。カセットはもう聴けるハードもなくなってましたから、そのために新しいラジカセを買って聞いてみたりしました」

ーー(実際の資料を拝見しながら)ファンクラブの会報などもファイルされていたんですね。

「全部あったらよかったのですが、その1部だけですね。その写真もコンサートの舞台裏ですよね。セットリストにしてもニューアルバムに合わせて曲を決めて各地を回る。あの頃は年に2回でしたかね。レコードとパンフレットを中心に会場で販売していた時代で、グッズはあまり作りませんでした。あとは暮れに近ければカレンダーがあるくらいで、コンサートグッズがいっぱいの今とはだいぶ違いましたね」

負けず嫌いな子かなっていうのはありましたね


ーー 岡田有希子さんのライブはすべて宮坂さんがスタッフとして参加していらっしゃったんですよね。初めて会ったのはコンサートの時でしたか?

「デビュー前のレッスンの時からずっとですね。僕はもともとサンミュージックにマネージャーとして入っていろんな人を担当してたんですが、そのうちにコンサートの演出のほうに回らせてもらって、ライブの制作がメインの仕事になっていったんです」

ーー マネージメントはどんな方をご担当されていたんですか?

「最初に単独で担当させてもらったのは演歌の人で朝田のぼるという『スター誕生!』出身の演歌歌手でした。その頃は一緒に都はるみの担当でもあったので、都さんの現場にも行ってましたが。ほかには桑田靖子ですとか、パンプキンっていう2人組のアイドルとかもそうでしたね」

ーー その中で岡田有希子さんもデビューから担当されたんですね。他の方にないような才能とかを感じられたりはしましたか?

「可愛い子だなっていうのと、負けず嫌いな子だなっていうのはありましたね。何人かでレッスンをやっていて、自分が納得いくまで絶対に帰りませんでした。あとは、あるグループに歌の振りを真似されてからかわれたと、泣いて帰ってきたこともありました。真似されるってことはいいことなんだよ、なんて話した憶えがありますね」

記憶力はとても良かった


ーー レコーディングですと、国吉さん(国吉美織、元ポニーキャニオン担当ディレクター)のお話によれば、すごく飲み込みが早い女の子だったそうですが、ライブの現場とかではどうだったんでしょうか。

「振りは結構苦労したほうでしたね。ただ、ほかの子たちと違っていたのは、テンポに合わせて歩いて歌うってのは大抵できるんですけど、彼女の場合、歌のテンポと歩きが合ってなくてもちゃんとできる。だから “すごいな、普通はテンポと一緒に歩いちゃうんだけど、 これが出来るのはすごいよ” っていう話をしたのを憶えてます。振りがない時に灯りのある決めた位置までゆっくり歩くっていうのは、簡単なようで実はすごく難しいんですよ」

「あと、記憶力はとても良かったと思います。テストの時はいつも一緒になって勉強も見ていたんですが、例えば社会科なんかにしても年号を覚える必要があるでしょう、参考書を赤いシートで隠したりして。あれで僕が “江戸幕府の成立は?” とか言うとすぐに何年とか答えてました。今は知りませんが、当時のマネージャーはみんなそういうこともやってたんですよ」

有希子ちゃんは絶対音感持ってるの!?


ーー 通常盤のブックレットに載っている資料の中にも、ご本人が歌いだしの歌詞をメモしてるのが見られますね。

「今と違ってコンサートの時にモニターに歌詞のプロンプが出されることもなかったですからね。そうやって覚えてたんだと思います。歌詞の覚えもすごく早かった。複数回にわたるライブですから多少の歌い間違えなどもあるようですが、ほとんど合ってますからね」

「バンドも優秀ですよ。ホーンセクションが入るようなビッグバンド編成で、最初は、ザ・コンソレーションという松田聖子のバックをやっていたバンドがそのままスライドしてやったんです。ファーストコンサートの東京公演がそのバンドで、大阪は別のファインメイツというバンドでした。その後もドラムとベースはずっと一緒でリズムセクションだけは変えませんでした。ホーンセクションはどうしてもほかの仕事との兼ね合いで替わることが多かったんですが」

ーー 当時は歌番組も多かったですし、それぞれの番組にビッグバンドが入っていてしかも生で歌わなければならないわけですから、歌手の方も実力が問われますよね。

「あれはたしかTBSの番組でしたかね、「Love Fair」の時でした。あの曲はイントロが無くていきなり歌から入るんですよ。それで有名なビッグバンドのバンマスの方が “じゃあガイドの音を出すね” とか言ったら、本人が “いや、大丈夫です” なんて言うもんだから周りが慌てちゃって。“有希子ちゃんは絶対音感持ってるの!?” なんてバンドの方に言われて僕らが後ろで真っ青になったのを憶えてます。当時バンマスと言えば絶対的な存在ですから。そんなふうに変な度胸もありましたね」

ーー アイドルがビッグバンドで歌うステージというのも最後のほうの時代ですよね。昭和も終わりに近づいていた過渡期でしたね。

「そういうバンドもだんだんキラキラ音がないとか、宇宙音がないとか言われるようになって。レコードにはシンセの音がいっぱい使われてるのに、ステージではそれを生でやる方法がない。まだDX7なんかも広まっていなかった頃ですね。初めて使ったのはその後の酒井法子のバンドだったのかな。バンド編成が変わっていきました。だいたい昭和の終わりから平成に代わる頃がちょうどその変わり目だったような気がしますね。ビデオでリハーサルを撮ったりしたのはその頃からなので、岡田有希子のものは音だけしか残っていないのです」

努力も人一倍、とにかくずっと練習してました


ーー 音だけでも残されていてこうして聴けるのは本当に有難いことです。初めてのステージに臨む岡田有希子さんはどんな様子だったでしょうか。

「喜んでましたが、やっぱり不安も大きかったみたいですね。“きっとお客さんがいっぱい来るはずだから、 自分の中で恥ずかしくないくらい練習しようね” って言うと、とにかくずっと練習してました。努力も人一倍でしたよ。ステージで緞帳が上がっちゃうと僕らはもう見守ることしか出来ないのですが、ちゃんと覚えてやっていました」

ーー 音を聴かせていただくと、ライブ中の声援も聞こえたり、本人もそんなファンの声を拾ったりしていますね。

「あの頃のファンは今のように過激な人たちはいなかったんじゃないですか。親衛隊がいて掛け声をかけたりしてますけど、それでかえって規律が守られていたので暴走するようなファンもいなかったような気がしますね。勝手にステージに上がりそうになるとかそういう子たちはいなかったです。だからこそ客席とのコミュニケーションも少しはあったでしょう。紙テープは危ないので禁止していました。女性ファンも2割ぐらいはいましたかね」

​​

「ライク・ア・ヴァージン」を歌いたいって言ってきたのにはびっくり


ーー ステージ制作で一番苦労されたのはどんなことでしたでしょうか。

「その時は苦労したのかもしれないですが、今はそんなに思わないですね。有希子に関しては衣装についての意見が合わないってのは結構ありました。“セットとすごい合ってるからこれで行こうよ。少しずつ変えて。仮縫いの時にね、"変えとけばいいじゃん” とか言いながら合わせていくというのがありましたね」

ーー 衣装デザインにはご本人のそういった意思も割と反映されてたんですね。

「そう。それぞれの意見を合わせていくのが僕らの仕事なんで、なるべく本人が嫌にならない様に。最初にこれって決められちゃえば全然いいんですけどね。4着とか作らなきゃいけない時に全部すんなりOKみたいなことは滅多にないので。選曲もそうですよ。通販限定BOXに収録されている『ハートにキッス ツアー』で小泉今日子さんや中森明菜さんの曲を歌ってますけど、あれは本人の希望でした。マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を歌いたいって言ってきたのにはびっくりしましたけど」

ーー1回のショーでだいたい1時間半ぐらいが目安でしたか。

「そうですね。それくらいのつもりで作るんですが、やっぱりちょっと延びちゃうんですよ。変化を持たせたり、着替えもいかに素速く済ますとか。今みたいにプロジェクションマッピングとか映像とかでガンガンにできないんで、難しかったってのはありますよね。例えば照明。ピンスポットを当てたり鏡を使って光を揺らすかなり原始的なやり方も当時は実際にやってましたね。ミラーボールとオーロラマシーンを使ったり、アナログでしたが工夫は凝らしました。今だったらもっといろんなことができるなってつくづく思います」

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前向きな姿勢に僕らも引っ張られてましたから


ーー ずっと岡田有希子さんを間近でご覧になっていて、やはり成長ぶりは感じられましたか?

「やっぱり自分の歌にだんだん自信がついて来てるんだろうなっていうのはわかったかな。ステージでも、ここでこれをやったらこう受けるんだみたいなことを掴んでいってるし。あの頃はシングルを出す時、何回か練習してすぐレコードになっちゃうんですよね。それから人前でたくさん歌う場があって、どんどん上手くなっていく。だからライブで成長するというのはありますね。本人にもライブの時に “今日はすごくいいよ” みたいなことは言いましたよ」

ーー 岡田さんとの普段の会話の中で、将来こんな歌手になりたいとか、こんな仕事をしてみたいとか、そんなお話をされていたことはなかったですか。

「有希子には、“今頑張って売れたらこれからなんでも出来る。それがタレントだから。逆に売れたら向こうからお願いしますってくるから、今頑張ろうねって” いうことを言ってたんで。本当にこれからっていう時で、僕もいろんなものを封印しちゃってたのはそこですね」

ーー 改めて今、岡田有希子さんのステージを振り返ってみて思うところはありますか。

「もっと動きのあるステージをやってみたかったというのはありますかね。ブランコで降りてきたりとか、最近の紅白の演出みたいなすごく大きなドレスとか。大きなドレスは実際にやってみたんですが、逆に本人が小さく見えて判りづらくなってしまった。うまく映像を駆使出来たりしていたらもっと綺麗に見せられたんじゃないかなんて思いますが。もちろん常に全力で取り組んできました。彼女の前向きな姿勢に僕らも引っ張られてましたから」

Information
① 通常盤
タイトル:『ファースト コンサート「恋・はじめまして」』   
・発売日:2024年12月25日
・仕様:CD2枚組、8Pブックレット 
・価格:¥3,740(税込)

② 通販限定BOX <完全生産限定盤>
タイトル:『GIFT / 1984-1986 Live Tour Box』 
・発売日:2024年12月25日
・仕様:CD8枚組、A4サイズBOXセット、復刻ツアーパンフレット4種、別冊24Pブックレット、三方背外箱 
・価格:¥36,300(税込)

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