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磨く!救助技術、仲間と共に 釜石大槌地区消防本部が訓練披露 岩手県大会前に

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 釜石大槌地区行政事務組合消防本部では、第48回消防救助技術岩手県大会(6月26日、矢巾町・県消防学校)に向け、出場する職員らがそれぞれ鍛錬を重ねている。5月の大型連休明けに始まった訓練は、いよいよ終盤戦。11日には、釜石市鈴子町の釜石消防署で大会前最後となる効果測定があり、出場者らが訓練の成果や課題を確かめた。

 同本部が県大会でエントリーするのは、陸上の部5種。水平に張った長さ20メートルのロープを渡って対面する塔上の要救助者を助け出す「ロープブリッジ救出」(4人一組)や、高さ15メートルの「はしご登はん」、8メートルの煙道をくぐって要救助者を救出・搬送する「ほふく救出」(3人一組)などで、釜石、大槌の2署から計18人が出場する。

要救助者を助け出すためロープを渡る署員


 11日の効果測定は駒林博之消防長や幹部職員らが見守り、本番さながらの緊張感が漂う中で行われた。日々の職務をこなしながら厳しい訓練に臨んできた出場者らは、その努力を発揮しようと競技に集中。いずれの種目も速さのほか、▽安全の確認ができているか▽機材を確実に操作しているか―など実際の救助で役立てられるレベルまで習熟しているかが評価されることから、「タイムは?」「減点はないか」と現時点の力量、修正点を見つけ出していた。

はしごを勢いよく登る大会出場者を先輩署員らが見守る


ほふく救出は煙道をくぐって要救助者を助け出す


 2人一組でロープを使って高さ15メートルまで登る「ロープ応用登はん」は、同本部から5年ぶりにエントリーした種目。出場を強く望んだ釜石署の長野凌太さん(28)はこの日、ロープを瞬時に右足に巻き付け、両手で手繰り寄せながら駆け上がるようにして登っていった。「訓練でやってきたことを、実際の現場で生かせればいい」と言いつつ、挑戦には別の理由も。以前、出場した際に結果を残せず、「リベンジ」に燃えていた。

器具を使わずロープを登る長野凌太さん。補助者と息を合わせるのが鍵


 効果測定を終え、長野さんは「失敗。ゴール手前で失速した」と悔しがった。現状を確かめられたと前向きに捉え、「スピードを保てるよう体力を」と上を向く。応用登はんは、ロープをさばく足の柔軟性と引っ張る腕力が必要な上、地上でロープを引っ張る補助者とのコンビネーションも重要になるという。補助者の篠原優斗さん(26)=釜石署=は「タイミングを合わせるのがポイント。磨きをかけたい」と後押しに熱を込める。

 「引揚救助」(5人一組)に出場する大槌署の細田智之さん(29)もリベンジ、再挑戦という思いを持つ一人。昨年まで2年連続で県大会上位に入り、東北大会への切符を手にした。ただ、昨年は山形県などで発生した豪雨災害の影響で東北大会が中止となったため、「今年こそ」との気持ちが強い。この日は雨が降っていたため、「減点なし」を意識して競技に集中。安全確実性、タイムも「かなり良かった」と手応えを感じた。

引揚救助はチームワークがポイント。左上写真の右側が細田智之さん


 地下などでの災害を想定した引揚救助は、空気呼吸器を装着して下降しロープを用いて要救助者を引き上げる団体種目。細田さんは「いろんな人と関われるが、思いやりを持ってやらないと結果が出ない。団体行動の消防業務、救助活動と同じで、技術だけでなく気遣いが大事」と話す。メンバーには訓練を始めて2年目の職員もいて、「大会には慣れていないが、ポテンシャルはある」と仲間を信頼。「全員のメンタルをケアしながら本番に臨みたい。県大会は1位を目指す。そして、確実に東北大会へ」と意気込む。

 救助活動に必要な体力や精神力、技術力を鍛えることが目的の大会。駒林消防長は「訓練での努力は現場、あらゆる仕事でプラスになる。体調やメンタルをしっかり整え、ベストなパフォーマンスを」と激励した。

消防長の激励を受け、県大会に向け気を引き締める署員


 同本部の出場者らが目指す東北地区支部指導会は7月29日に宮城県仙台市で、全国大会は8月30日に兵庫県三木市で開かれる。同指導会には水上の部(7月16日・新潟県新潟市)もあり、同本部から「溺者救助」(3人一組)に出場する。

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