ヨネックスの通期決算は過去最高を更新 新潟県長岡市には新たな研究開発施設をオープン
「ヨネックス(YONEX)」ブランドを展開するヨネックスは5月9日、2025年3月期の通期連結決算を発表した。売上高は1382億7600万円(前年比18.8%増)、営業利益は141億7600万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は105億9100万円(同19.6%増)で、売上高、利益ともに2桁の増収増益で、過去最高を更新した。ヨネックスは好決算を受けて年間配当を22円に増額する方針も発表している。
主軸のスポーツ用品事業はすべての地域で売上高が伸びており、バドミントンやテニスのラケットだけではなくシューズやウェアも好調だった。売上高構成比で41.9%を占めている日本では、売上高は前年比で13.6%増の580億500万円、営業利益は同125.1%増の36億9400万円だった。
中国や台湾など、日本以外のアジアでの売上高は同24.0%増の679億9900万円、営業利益は同9.3%増の97億1200万円だった。アジアは売上高構成比で49.2%とほぼ半数を占めており、特に中国でのバドミントン市場が活性化している。東京・銀座にある「ヨネックス」の旗艦店も連日、訪日中国人で賑わっており、インバウンド需要も取り込んでいる。
北米の売上高は同15.3%増の63億5400万円、営業利益は同123.0%増の5億6000万円、欧州は同18.6%増の53億5900万円、営業利益は同10.6%減の4億7700万円だった。欧州は広告宣伝費や人件費が増加したため減益だった。
ヨネックスは2024年7月に新潟県長岡市に新たな研究開発施設「ヨネックス パフォーマンス イノベーションセンター」をオープンし、隣接する製造工場と連携し、最短で24時間以内に試作品を開発する体制を整えた。今後、同施設を拠点にテニス、バドミントンなどのラケットスポーツだけではなく、ゴルフやスノーボードなどのスポーツ分野へ研究開発対象を拡大していく考えだ。
ヨネックスの2026年3月期の連結業績予想は、売上高は1480億円(前年比7.0%増)、営業利益は148億円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は108億円(同2.0%増)で、5期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
ヨネックスは、就任4年目を迎えたアリサ・ヨネヤマ社長のもと、グローバルな成長に向けて経営体制を強化する。代表取締役会長の米山勉氏は退任し、相談役に就任する。取締役には執行役員のケーシー・ヨネヤマ氏が就任予定で、マーケティングとグローバル戦略を担う。新体制は6月25日付け。