豊岡の誇り!30周年の老舗『割烹なか井』で美味しい創作料理を「いざ満喫!」 豊岡市
今年10月に30周年を迎える『鮨 割烹 但馬の舌つづみ処 なか井』(豊岡市)地元豊岡では知る人ぞ知る、大将仲井雅弘さんの素顔に迫ってきました。
当初は1階部分のみを借りて1995年にオープンした同店。18歳で料理の世界に飛び込んだ大将は、神戸、大阪、福岡など各地で修業を積み、寿司、天ぷら、割烹、日本料理の腕を磨きました。お父様が姫路おでんのお店をされていたことが、料理や商売に興味を持ったきっかけになったと話します。
1階はカウンター9席と完全個室の掘りごたつ8席、4人掛けテーブル席が3つと2人掛けが1つあります。今は2階席もあり、30畳の大広間と7畳の個室が繁忙時に解放されます。スタッフの数も多く、お客さんもひっきりなしに来店されています。
「なか井を町の人に知ってもらうために夜も来てみたい、と思うようなランチを提供する必要があった。これは逆に言えばカケでもあった」と、真剣な顔で話す大将。30年前から「日替わりランチ」の値段はほとんど変わらず、美味しい、と思ってもらえたら夜にも来てもらうことができる―――。大将の考えには明確な意図がありました。
「割烹や鮨屋さんは、お客さんからすれば値段がわからず敷居の高いところになるんです。だからまず、ランチで一度来てもらい、料理が出されるまでの間にメニューを見てもらうだけでいいんです」と微笑む大将。
「正直に値段を出しておくことで、次は夜に来てもらえる、単品を頼んでもらえる、となるんです」。たしかに、値段が見えると安心できるし、自分の財布事情とも相談できるので、入店のハードルがグッと下がります。
昔はロウ加工で作っていたサンプル食品が主流だったころ、オープンして間もない大将はキャンパスに値段と写真を入れることで“値段の可視化”を狙いました。
今では多くのお店が店頭にメニューを出していますが、「豊岡では『なか井』が初めてだ」と笑う大将。工夫を凝らしたお店の運営手法に脱帽です。ちなみに、少し路地に入ったところにお店を構えたのも、修業先で培ってきた商売学に基づいた戦略なのだそう。
「大将、面白いのん、美味しいのん出して―な!」と常連さんに言われた時、期待にしっかり応えられる店でありたい、と努力を絶やさない姿勢や、愚直に料理と向き合う姿が印象的でした。
仕入れについて尋ねると、板長である息子の仲井雅人さんと毎朝セリに行き、魚に触れ、舐めて、良い素材を見極めているそうです。大将が考える創作料理とは、昔習ったことを基本にし、良い素材をみつけ、その素材に合うソースやアレンジを加えること。まさに「守破離」の精神ですね。
大将は今までに大病を2回されていて、お店に立てないこともありましたが、助っ人で助けてくれる料理人や、もちろん板長、なか井で今まさに修業されてる方たちスタッフの面々が「すわ!なか井!」と集まってもらえることが何よりの誇りだと照れ笑いします。
「すわ」は驚きや気合いの掛け声で「いざ」や「さあ」といった意味合いで使われます。大将の人柄が「いざ!集まろうなか井へ!」となるのです。
2025年10月で30周年を迎えるなか井。周年イベントの第一弾として7月19日は「土用丑の日」に合わせて、通常2,200円の「うな丼」を半額の1,100円で提供予定。
10月には感謝を込めた“盛大なふるまい”を考えているそうなので、今からとても楽しみです。
場所
なか井
(豊岡市中央町12-21)
営業時間
11:00~14:00
17:00~22:00
定休日
月曜日
月に一度火曜日(不定期)
駐車場
10台まで無料