介護職におすすめの副業6選|給与アップのための副業や、介護職の副業事情を紹介!
本日のお悩み:介護職におすすめの副業が知りたい!
現在、介護職としてデイサービスで働いています。
給与アップなども目指して副業を始めたいと考えています。介護職と両立してできる副業や、おすすめの職種があれば教えてください。
介護職におすすめの副業を「介護業界」と「他職種」に分けて紹介します!
執筆者/専門家
伊藤 浩一
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14
ご質問ありがとうございます。
副業は、社会的にますます盛り上がりをみせていますよね。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」でも、昨今副業や兼業を希望する人の割合が増加傾向にあると記してあり、これらの背景を踏まえたうえで国としてもガイドラインを出しています。※
このような社会の動きに対し、介護職の皆さんはどう考えているのでしょうか?
※出典:厚生労働省副業・兼業の促進に関するガイドライン
そもそも介護職は副業に興味がある?
実は私、現役の介護職員約140名(入居施設及びデイサービス従事者)を対象に副業についてのアンケートを昨年とらせていただきました。
その結果、65.5%が「興味ある」との回答で、既に副業を行っているという方が4.2%いました(6名程度)。
介護職は人手不足で現場が忙しい、感染症や緊急対応などもあり、体力や精神的負担が大きい、だからこそ休みはしっかり休んでほしいというのが施設長である私の気持ちでしたが、半数を超える職員が「興味ある」と答えたことに驚きました。
介護職が副業に興味を持つ理由とは?
では、介護職の皆さんはなぜ副業に興味があるのでしょうか?
介護職の皆さんが、副業に期待することとしては以下のような回答でした。
この結果から、介護職として収入アップを目指したいという方が多いことがわかりますが、一方で、気分転換で違うお仕事を経験してみたい方や、新たなことに挑戦したい方もいらっしゃるとわかりました。
このことから、今回は介護職としての副業(収入アップやスキルアップを目指す方向け)とそれ以外の職種(気分転換や新たな経験をしたい方向け)に分けておすすめの副業を紹介していきます。
介護の専門性を活かす副業(収入アップやスキルアップを目指す方向け)
介護職の皆さんに「副業したらどのくらいの報酬を月に得たいか」という質問もさせていただいたところ、10,000円~20,000円という答えが47.2%で1番多かったです。これも私は意外でした。50,000円位欲しいのかな?というのが自分の予想でした。
また、月何時間くらいなら副業してもいいのか?というアンケートについては60.5%が10時間以内という結果でした。収入アップにつなげたいけど、お金を得るということはそれだけ働かなきゃいけないって言うことを意識していたんだと思います。
では、介護職の皆さんが10,000円~20,000円が稼げる副業とは何がありますでしょうか?私はまず「自分の専門性」に目を向けることをおすすめします。みなさん、介護の専門性に対してしっかりその価値を意識してください。「介護は誰でもできる、専門性は必要ない」と専門性を持っているはずの皆さんが気づいておらず、うまく武器にできていないようでしたらもったいないと感じてしまいますよね。
介護職におすすめの副業1:買い物や外出、冠婚葬祭の付き添い
介護職の専門性を活かせる副業、といっても副業で疲れてしまって本業が疎かになってしまうのは元も子もないと思います。そこでおすすめするのが、「買い物や外出、冠婚葬祭の付き添い」をする副業です。
高齢者を大きく3つに分解すると、「1.元気な高齢者 (アクティブシニア)」、「2.少し活動範囲が減少してきたシニア(フレイル)」、「3.要介護認定を受けている高齢者」に分けることができます。私は「2」の皆さんへのサービスが不足していると実感しています。
例えば、一人暮らしのフレイル高齢者がいて、お子さんは、離れた場所で暮らしているとします。週末には様子見と買い物のサポート行っているけど「毎週は大変、かといって介護認定は受けてはいないので介護サービスは利用できない。どのように対応するべきなのか…。」といったSOSが実話としてよく私の耳に入ってきます。
ー買い物だけなら誰でもできそうと思われがちですが…
買い物に付き添うだけなら誰もできる、仕事になんかならないのでは?と思われるかもしれません。実はそんなことはないのです。
私たち介護職は、日々の業務を通じて、利用者さんの状況を瞬時にアセスメントする力を身に付けています。そして、どのようなときにどのような声をかければいいのか。また、何をどう支援すれば良いかを実行できるテクニックがあります。これが介護の専門性です。
先日、研究職の方が「利用者さんに私たちが声かけしても全く伝わらないのに介護職の方が声かけたらしっかり伝わるんですよ」とびっくりされていました。このような専門性を活かして、「冠婚葬祭に行きたいけど行けずに諦めた。」「お友達や孫に贈答品を贈りたい、自分の目で買い物行きたいけど子どもに悪くて頼めない。」という皆様に専門性を活かした副業をしてみてはいかがでしょうか?1回2〜3時間の副業で心身に負担も少なく、利用者さんにも喜んでいただけるお仕事です。
介護職におすすめの副業2:他の介護施設でのスキマバイト
以前、スキマバイトの記事で、他の事業所にスキマバイトに行った職員さんのお話を書きました。そのときの内容と重複しますが、他の施設で業務を経験することは、スキルの幅を広げるきっかけとなったり、新たなノウハウを身につけることができたりと介護職として成長することができるでしょう。
また、送り出す施設側としては、自施設の職員をとられてしまう不安などがあると思いますが、「他の施設に行ってみたけど、自施設はやっぱりいいところ!」と思ってもらえるような運営ができていれば、職員のスキルがあがり、自施設の質が上がり…良い循環を作り出せるかもしれません。
※参考:ささえるラボ急増するスキマバイト!スキマバイトの受け入れで介護事業所が気をつけることとは?
介護以外の副業(気分転換や新しい経験をしてみたい方向け)
介護職におすすめの副業3:カフェなどの飲食店
気分転換や、新しい経験を積みたい方には介護以外の職種もおすすめです。
介護以外では、飲食店、特にカフェでの副業はいかがでしょうか?カフェは食事を提供するところに介護と通じるところがありますが、サービス業としてのホスピタリティやそのお店のノウハウを学ぶことができる、そしておしゃれなカフェのユニフォームに腕を通すことも気分転換につながりそうですね。
介護職におすすめの副業4:雑貨屋さんやアパレル業界
また、雑貨屋さんやアパレル屋さんも面白そうです。
商品をお客様に売るという仕事を通じて、流行のキャッチや売り上げの数字に対する意識を身につけることができたり、商品販売の大変さを学ぶこともできたりするでしょう。また、日頃と異なるコミュニケーション形態となるため、気分転換にもなるでしょう。
介護職におすすめの副業5:自分の趣味に関連する職業
また、気分転換という意味では、自身の趣味と関連する職業に就くのもおすすめです。たとえば、SNSが好きな方はSNS運用代行の副業をおこなってみたり、動画を観ることが好きな方は、動画編集の副業をおこなってみたりするなど様々な選択肢があります。
ユニークなところでは、害獣駆除の副業をしている介護職員を知っています。猟銃を趣味にしていたところを副業に繋げ、趣味と副業を両立しているそうです。
介護職におすすめの副業6:挑戦してみたいことに関連する職業
また、自身がやってみたいと思っていることに関連した職業に就くこともおすすめです。例えば、自分が作ったものを誰かに届けてみたいという方でしたら、ハンドメイド作品をフリマアプリで販売するのも副業の1つです。
また、実際にある施設長は、副業にはなりませんが、こども食堂でシニアの皆さんと料理を作ることをあえてしているそうです。そこでは、普段指示する側なのがされる側に逆転し、ベテランの方に調理方法をご指導いただきながら料理を作っています。これも料理をするという挑戦したかったことに一歩踏み出すことができており、気分転換になるそうです。(私の経験です笑)
編集部が介護職におすすめする副業
最後に、ささえるラボ編集部がおすすめする趣味や挑戦してみたいことに関連した副業を紹介します。
編集部がおすすめする趣味に関する副業
●1.WEBライター
文章を書くことが好き、発信することが好きといった方にはもちろんおすすめですが、映画鑑賞や読書が趣味の方にもおすすめです。
自身が観たり読んだりした作品について、感想や考察を書くというのは趣味の延長線上で楽しむことができるのではないでしょうか。ただし、閲覧数や依頼がくるかなどは、個人の技量も試されるので、収入アップを目的とした副業には向いていないかもしれません。
●2.家事代行
料理が好きな方や、掃除が好きな方は家事代行の副業もおすすめです。1日数時間から働くことができ、自分の好きなことや特技を活かすことができます。
数時間から働くことができるので、休日の午前中だけ、退勤後の2時間だけといった働き方もでき、ライフワークバランスもとりやすい副業です。
●3.覆面調査(ミステリーショッパーやモニター)
覆面調査とは、一般の消費者を装ってお店や商品のサービスを調査する職業です。美容や健康食品に興味がある方は、これらのモニターとして覆面調査を行ったり、食べることが好きな方は飲食店の覆面調査員として、サービスを受けたりすることができます。
調査員としての視野の広さを持つことも大切ですが、覆面調査であることがわからないよう自然に立ち振る舞う気遣いも求められます。
編集部がおすすめする挑戦してみたいことに関連する副業
●1.ネイリスト
自分でセルフネイルをしてきたけど、人の笑顔や幸せに貢献をしたいと思っている方におすすめです。ネイリストとしての資格は不要ですが、「JNAジェルネイル技能検定」などの資格をとると、信頼度も高まります。また、好きなデザインのネイルチップを作成してフリマアプリなどで販売することもできるでしょう。
ネイリストはあくまで一例ですが、それ以外にも何かを作ることが好きな方などは、それらを販売したり提供したりすることができるでしょう。
●2.ライブ配信
自分の言葉を発信してみたいという方にはライブ配信もおすすめです。顔を出して行うものもありますが、事業所の規程上、顔出しが難しい場合は声のみで配信ができるアプリもあります。
仕事で身につけた介護のノウハウを発信する、介護職の魅力を発信するといったこともできますし、好きな趣味について語り合う場にするといったことも可能です。
まとめ:副業も介護業界の人材定着に繋がる!
最近、日本全産業で副業が認められるようになった背景は、終身雇用性や年金制度の崩壊が挙げられます。つまり1つの事業所や企業でいつまでも働くことが保証される社会ではなくなったということですね。国がリスキリングを後押ししているのはこういった事情が背景にあります。
また、定年退職後は年金で生活できるから安心という時代ではないことを皆さんもご存知かと思います。デンマークでは人生で平均7回も職を変えるらしいです。その都度転職することによって、手に職をつけることができ、業務を遂行できるカテゴリーを増やすということですね。もちろんこれから人手不足がさらに大変になる介護業界で可能な限り継続してご尽力いただきたい気持ちもありますが、人生100年時代を見据えたうえで、様々な職業経験をすることも介護職にとって大切な時代になったと考えます。
また大手企業も社員が副業で得る経験や知見を自社に生かせるメリットが大きいと副業を推進しているとそうです。介護業界も副業という選択肢があることが人材定着・確保・事業存続につながる時代となってきてるかもしれません。ご参考になれば幸いです。
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