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新大学、新図書館、合葬墓に絞り質疑、四日市市議会予算常任委員会

YOUよっかいち

予算案に対する審議もやま場にさしかかった四日市市議会

 三重県四日市市議会の予算常任委員会は3月12日、全体会審査を行い、合葬墓、新大学、新図書館に絞って追加資料を求めての質疑をした。新大学は設置主体や事業費の考え方など、新図書館は事業費や駐車場の考え方などが説明された。合葬墓は、行政がすべきことかを問う質問もあった。同13日に新図書館に関する追加の質疑をし、その後、予算案全体についての討論、採決などに向かう予定。

〇新大学の事業費で参考の試算を提示

 新大学については、あらためて、「素材・半導体」を主軸に、デジタル技術(情報)を組み合わせた国立・公立の工学部系学部として1学年200人規模、私立などの理系学部として1学年150人規模の、全体で計1400人程度の大学の規模をめざしていることが説明された。

 新設大学のイメージは、国立大学と公立大学、私立大学が一体となったもので、私立は四日市大学を運営する暁学園と協議をしているが、四日市大学が独自に国の大学・高専機能強化支援事業でのデジタル・グリーンなど成長分野の学部設置をめざしていることもあり、理系でもあり、四日市大学と併設されている四日市看護医療大学を新大学に誘致する考えについて言及があった。

 大学づくりの事業費については、基本計画策定が2025年度夏ごろにずれ込む見込みで詳しい数字が示せないとして、三重県が県立大学を検討した2021年度の条件を紹介し、収容定員を1400人とした場合で157億12200万円となったとの試算を示した(最近の物価上昇などは含んでいない)。

〇新図書館の駐車場は必要か否か

 新図書館については、くわなメディアライブ(三重県桑名市)、みんなの森ぎふメディアコスモス(岐阜市)、岡崎市図書館交流プラザ「りぷら」(愛知県岡崎市)などを参考に試算した概算費用120億円~150億円を提示した。新大学、新図書館ともに、市側は今後の税収確保や基金の活用、国の補助メニューなどを紹介し、財源をどうするかについて考えを示した。

 駐車場について、市側は、一般市民が近鉄四日市駅やJR四日市駅から歩ける距離ではあるものの、障害者や高齢者、妊産婦など多様な利用者を考え、新図書館との併設が望ましいとし、200台程度で考えていることを示した。市役所東広場で新図書館を整備した場合には、過去の検討などから、「くすの木パーキング」や民間の駐車場の活用で、年間2.6億円の駐車場利用料負担が続くこととなると説明した。一方で、建設用地として東広場など市有地を活用すべきではないかとの質問は残った。

〇行政がすべき事業か、民間に任すべきか

 身寄りのない高齢者などが安心して最期を迎えられるよう、終活支援のひとつとして合葬墓を設ける計画については、孤独死の増加や墓じまいが増えている現実の状況から、一定条件の下で公的機関が行うことを市は考えており、委員からも賛成の声はある。一方で、民間の宗教団体との間で十分な話し合いができていないのではないかとの質問や、そもそも、現在、北大谷霊園にある「萬霊塔」が遺骨の一部を収めてシンボルになっていることから、これ以上、公費を投入して新しいことをすべきなのか、など、行政がかかわることに疑問をぶつける質問もあった。

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