認知症になるのは「脳のゴミ」が原因?認知症になるメカニズムとは【認知機能改善30秒スクワット】
なぜ認知症になってしまうのか
「アルツハイマー型認知症」は、アルツハイマー病によって脳が数十年かけて縮む(萎縮する)ことで、記憶したり話したりといった認知機能が低下する病気です。アルツハイマー病の発症のしくみは諸説ありますが、「アミロイドβ(ベータ)」や「タウ」といった、異常なたんぱく質が脳にたまることが原因とされています。
「アミロイドβたんぱく」は脳内に生じる老廃物です。本来は睡眠中に排出されるものですが、加齢などの影響でうまく分解・排出がされないと、脳内にたまって神経細胞の働きを害します。アミロイドβたんぱくが集まると、「老人斑(ろうじんはん)」という斑点状の塊が見られるようになるのも特徴です。
さらに、脳の神経細胞内に「タウたんぱく」と呼ばれるたんぱく質のゴミが蓄積すると、神経細胞の働きが悪くなり、やがて死滅するといわれています。集まったタウたんぱくは「神経原線維変化(しんけいげんせんいへんか)」と呼ばれる、糸くず状の物質をつくります。
こうして神経細胞がおかされると記憶をつくる海馬(かいば)から始まり、次第に大脳皮質全体に病変が拡大。20~30年かけて脳が萎縮していき、認知症が進行していきます。
認知症は、脳にゴミがたまった状態
本来「アミロイドβたんぱく」は分解されて脳から排出されるが、歳をとると分解や排出の機能が衰えてたまってしまう。
さらに脳の神経細胞内にタウたんぱくがたまると神経細胞が死滅する
神経細胞内の糸くずのようなものがタウたんぱくの集まり、神経原線維変化です。このような異常な蓄積が、神経細胞の働きを悪くすることで脳の萎縮を促進させます。
【出典】『認知機能改善30秒スクワット』著:本山輝幸