山林で実践的火災訓練 秦野消防が表丹沢で実施
秦野市消防は4月30日、表丹沢のミズヒ大滝で放水訓練や可搬ポンプの引き上げなどの山林火災訓練を行った。
大船渡市をはじめ、今年に入り全国各地で発生した山林火災。秦野でも3月に二ノ塔付近で小規模な山林火災が起き、大きな被害はなかったものの、市域の52%を森林が占めるため山林火災対策が重要視されている。市消防はこれまで、林道や傾斜地を活用した訓練を行ってきたが、大船渡市への緊急消防援助隊派遣経験を生かしたより実践的な訓練をするため、今回初めて山地深くで実施されることになった。
当日は本署及び西分署の警備第1課など約30人が出動。ドローンで情報収集後、発見した火点をグリッド地図に落とし込み、消火活動に向かった。部隊は消火用の道具や50kgある可搬ポンプなどを背負って移動。ポンプを25mの滝上部へ引き上げ、足場が悪い中で放水をした。「山林での消火活動は水源がなく、ポンプで沢の水を使う必要がある。今回の訓練を通じて、放水するには高低差が重要であることを改めて認識した」と市消防。今後もより実践的な訓練を行いたい考えだ。「しかし、まずは火事を出さないことが重要。枯草の近くで焚火をしない、強風や乾燥時には火を使用しない、タバコは指定された場所で吸い、ポイ捨てをしないといったことを守ってほしい」と呼びかけた。