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【災害時の避難】高齢者・子ども連れ・ペット連れの場合はどうする?避難所で必要な準備や注意点を解説

チイコミ!

【災害時の避難】高齢者・子ども連れ・ペット連れの場合はどうする?避難所で必要な準備や注意点を解説

災害時に開設される避難所に避難をする場合、プラスアルファの準備が必要な人もいます。

高齢者、子ども連れ、ペット連れの場合について教えてもらいました。

お話を聞いたのは…

公益財団法人 市民防災研究所 主任研究員 伊藤英司さん

【高齢者と避難する】食べやすい食事の準備と体を動かすこと

避難所は決して「快適」な場所ではありません。特に開設直後は固い床の上に雑魚寝することもあり、季節によっては暑さ寒さも過酷です。

そんな中で高齢者が体調を維持するために、まず用意しておきたいのが「自分に合った食べ物」。味の好みだけでなく、かむ力や飲み込む力に合わせた食べやすいものを備えておきましょう。

次に「常用薬とお薬手帳」。入れ歯や眼鏡など、生活に欠かせないものをワンセットで用意するといいでしょう。

高齢者が避難所で過ごす際には、意識して体を動かすことも大事です。災害でショックを受けて体も動かさないとなると、心身の機能低下を引き起こす「生活不活発病」のリスクが高まります。家族や周りの人も声を掛けてあげてください。

【乳児や幼児と避難する】乳児には液体ミルク、子どもにはお菓子も

赤ちゃんを連れて避難所に行く場合は、紙おむつ、消臭処理袋、おしりふき、授乳ケープなど2、3泊の旅行に行く時と同じような準備を考えておくといいと思います。

水がない、お湯が沸かせない状況での授乳を想定して、液体ミルクも活用しましょう。液体ミルクは定期的に賞味期限をチェックして、ストックを更新するようにしてください。

避難所で赤ちゃんが泣きやまずに周囲が気になる場合は、部屋を別にしてもらえるよう避難所の職員に相談を。

幼児以上の場合、避難所は退屈ですし、「いつもと違う」状況は子どもにもストレスです。安心して過ごせるよう、好きなお菓子や、遊び慣れたおもちゃも用意できるといいでしょう。

【ペットと避難する】同行避難と同伴避難の違いを理解して

環境省発刊の『人とペットの災害対策ガイドライン』では、災害時には飼い主がペットと「同行避難」することを求めています。

しかし、避難所の中に「同伴避難」できるかどうかは自治体の指示に従ってください。スペースが限られる中、動物が苦手な人やアレルギー体質の人がいる可能性もあるので、同じ部屋で避難生活が送れない場合もあると思います。あらかじめ近くの避難所のルールを調べておくといいでしょう。

いずれにしても、非常事態において「ペットは人間よりも厳しい環境に置かれる」可能性があります。

避難した人の中には介護が必要な人、日本語が話せない人、目が見えない人や耳が聞こえない人など、いろいろな人がいます。互いを思いやって助け合うことが大切です。

避難所に行く「前」と「後」にすべきこと

避難所へ行く前に…

□ 電気の消し忘れによる通電火災を防ぐため、分電盤のブレーカーを切る

□ ガスは自動で供給が停止されるが、元栓も閉めておくと安心

□ 戸締りなど防犯・盗難対策をする(できる範囲で)

避難所から戻ったら…

□ 電気、ガスは安全点検をしてから復旧させる

□ 水道が止まっていた場合は、キッチンなどで少しずつ水を出して水道管の中にたまってしまった空気を放出させる(トイレなど一度に大量の水を使うと水道管を破裂する危険性あり)

□ 保険や罹災証明のため被害状況を写真に撮っておく

「在宅避難」について
個人の健康状態などによっては、不特定多数が集まる避難所に行く方がリスキーな場合もあります。「自宅にとどまる避難」も視野に、自宅の災害対策を万全にしておきましょう。

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