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「ラジオ英会話」を 始める前に。 どうしたら英語学習が続く? 英文法を学ぶ意味は? 大西泰斗先生が英語学習のQ&Aに答えます!

NHK出版デジタルマガジン

「ラジオ英会話」を 始める前に。 どうしたら英語学習が続く? 英文法を学ぶ意味は? 大西泰斗先生が英語学習のQ&Aに答えます!

 文法を学ぶ意義や、話せるようになるために必要なこと、学習を継続させるコツなどを「ラジオ英会話」講師の大西泰斗先生がQ&A形式で答えます。

 英語学習をスタートするにあたって、「ラジオ英会話」で学ぶ意味がきっと見えてくるはずです。

英語を学ぶために、なぜ英文法を学ばなければならないのですか?

 本来の「英文法」は「こうしなければならない」をまとめた小うるさい規則集ではありません。「どうすればネイティブスピーカーたちと同じ気持ちで英語が使えるのか」––––彼らと同じように英語を理解し操作するための「ガイダンス」です。英文法なしで英語を学ぶのは、ガイドなしで山に分け入るようなもの、とても効率的な学習はできません。英語の学び方は人それぞれですが、どんな学び方をしていくのであれ、基礎を正しく作っておかねばなりません。その絶対の基礎が「ラジオ英会話」で学ぶ英文法なのです。

「ラジオ英会話」で学ぶ英文法は、従来の英文法と何が違うのですか?

 皆さんは、これまで学習した英文法で「英語がわかった」と感じることができましたか? 「英語はこんな言葉」と今すぐに言えますか? そうでないとすればその文法は単なる「規則集」にすぎません。
 「ラジオ英会話」で学ぶ英文法は単純・明快です––––英語は「配置の言葉」だから、文の基本配置に習熟すればいい。ただそれだけです。しかも基本配置は大きく「7 つ」しかなく、極めてシンプル。それで伝わる英語が話せます。
 ただ、英語の基本配置は日本語と大きく異なるため、ネイティブスピーカーと同じように英語を操るためには練習による習熟が必要となります。

文法を学ぶだけで英語は話せるようになるのでしょうか?

 無理です。文法を学ぶだけで英語ができるなら、中学校・高校で文法を学んだ皆さんなら、ある程度は英語が話せるはずですよね。
 「ラジオ英会話」の文法は、たった「7 つ」の原則でできており、数時間あれば理屈はマスターできます。「英語は簡単だったんだ」と目の前が開ける思いを抱く人も多いでしょう。でもそれだけでは実用に届きません。
 理屈を学んだそのあとは、それを体になじませるプロセスがどうしても必要です。ゴルフの理論書を読んだだけではスイングがよくならないのと同じです。何度もクラブを振ってみなくてはなりません。
 「ラジオ英会話」では単純な原則・パターンの紹介のあと、たくさんの音読をネイティブスピーカーたちとしていただきます。何度も繰り返し音読することによって、言葉の感覚はゆっくり着実に体に根づいていくのです。
 放送のあとも、音読・暗唱を繰り返せば、その価値をより実感していただけますよ。

高校生でも「ラジオ英会話」を学ぶ意味はあるのでしょうか?

 もちろんです。受験を控えた多くの高校生は「読解問題対策」が気になるところでしょう。昨今は読むスピードも要求され、いかに「正しく・速く」読むかが攻略のポイントとなっています。
 「正しく・速く」読めないなら、その理由は明らかです––––日本語に訳しながら読んでいるから。日本語文と英語文の基本配置は大きく異なります、というか、まったく逆です。日本語では前に置かれる要素が、英語では後ろ。日本語訳をしながら英語を読もうとすれば、語順どおり読むことはまったくできません。後ろの要素を訳してから前に戻る––––返り読みを強いられるから。これではまともなスピードは生まれません。
 「ラジオ英会話」で学ぶ英文法は、英語を「語順どおり」読み、話す力を養います。当然です。この英文法はネイティブスピーカーの文法であり、彼らは「語順どおり」英語を使っているのですから。いちいち日本語に訳していたら間に合わない––––そうした皆さんの必要に十分に応えることができますよ。

今まで英語学習が続いたことがありません。どうすれば続きますか?

 何かを続けるためには、目に見える成果と楽しさが不可欠です。ゴルフを一生懸命練習しても、スコアがまったく伸びなかったり、ちっとも楽しくなければ、いずれあきらめてしまいますよね。英語学習だって同じですよ。
 「ラジオ英会話」の学習は––––始めていただければわかりますが––––毎回明確なターゲットがあります。私たちと練習を重ねることによって、そのポイントは間違いなく乗り越えることができます。疑う余地のない成果があるのです。それを毎日続けると––––「ラジ英仲間」の多くの皆さんがおっしゃるように––––「できるようになってきた」という大きな実感につながります。
 「ラジオ英会話」は楽しいか––––この評価は皆さんにお任せしますが、非常に多くのリスナーの方々が毎日続けてくださっていることを思えば、答えは明らかでしょう。

講師プロフィール

大西泰斗(おおにし・ひろと)
 筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。英語学専攻。オックスフォード大学言語学研究所客員研究員を経て、現在、東洋学園大学教授。NHKテレビ「3か月トピック英会話~ハートで感じる英文法」「しごとの基礎英語」「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」などの講師を務める。著書に『話すための基礎が身につく 音読×英文法 基本文型編/時表現・助動詞編/関係詞・仮定法編』『ハートで感じる英文法 決定版』(すべてNHK出版)、『一億人の英文法』(東進ブックス)、『総合英語FACTBOOK』(桐原書店)、『それわ英語ぢゃないだらふ』(幻冬舎)など多数。

講師コメント
 ちょっとわからないことがあっても大丈夫。細かい話は、後回し。ロードマップを眺めるような気持ちでお聞きください。今までの英語学習に何が足りなかったのかに気づく方もいるでしょう。ネイティブスピーカーと声を出すことによって、音読・暗唱の大切さを感じる方もいるでしょう。
 皆さんの英語はこれから始まります。これからの長い道のりを、私たちと・楽しみながら・ゆっくり進んでいきましょう。
 さぁ、それではさっそく始めましょう。

◆イラスト:pai

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