市教委 日本語支援を強化 渋谷小に学びの部屋
大和市教育委員会(藤井明教育長)は4月14日、日本語指導が必要な小中学生を支援するための日本語支援センター「スマイル」を渋谷小学校(中山佳予子校長)内に開設した。今までの支援に加えて、保護者からの相談を受けるフリースペースや担当職員の研修機能が追加された。
大和市では、海外からの編入などを理由に日本語の指導が必要な児童・生徒が、2024年時点で395人(市立小中学校全児童・生徒の2・3%)いた。児童や生徒の多くは日本語学習が初めてで、学習面のみならず学校生活にも支障が出ているケースもある。
こうした状況を受けて市は18年4月に、ベテルギウス(深見西)内にスマイルの前身となる「やまとプレクラス」を開設。日本語の基礎に加え、専門資格を持つ日本語教育アドバイザーが学校生活に必要な知識を授けてきた。児童・生徒の発達段階を考慮し、小学校低学年用と中学年以上用に分けて編成され、好評だった。
修了後は日本語指導巡回教員が各学校を定期的に訪問し、相談対応や日本語指導などのアフターフォローも実施。開設から7年間で、100人以上の児童・生徒が修了した。
今回、市は高座渋谷駅からのアクセスが良く、外国籍の児童が多い渋谷小学校の校舎内にプレクラスの機能を移転し、「スマイル」と名称も新たにした。
スマイルでは従来の支援に加え、二つの機能を拡充する。一つ目は、日本語指導に関する資料を常設し、保護者が進路や学校生活の相談を気軽に行えるフリースペース「ライブラリー・ガイダンス」の設置。二つ目は、各市立小中学校に配置されている国際教育担当教職員への研修機能の付加。さらに授業の様子を教職員がいつでも見学できるようにすることで、市内の小中学校全体の日本語に不慣れな児童・生徒への受け入れ体制強化を目指していく。
14日に催されたセレモニーでは、ベトナムやブラジルから来日した児童・生徒3人が保護者や関係者が見守るなか、日本語であいさつ。藤井教育長からは「学校を身近に感じながら学べることが重要。『スマイル』で頑張ってください」とエールが送られた。