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空高く“水のカーテン” 守る!心構え示す一斉放水 釜石市消防団演習 任務遂行へビシッと

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 釜石市消防団(坂本晃団長、全8分団36部、団員524人)の2024年度消防演習は9日、鈴子町の釜石消防庁舎駐車場などで行われた。団員443人、ポンプ車など38台が出動。ビシッと姿勢を正して観閲を受けたり、空に向けた一斉の放水訓練などを繰り広げ、災害や火災から「住民の安全安心を守る」と心構えを示した。

 開会行事で、統監の小野共市長が訓示。全国各地で頻発する地震や近隣自治体で発生した山林火災などに触れながら、「いざという時に頼れるのは消防団。地域に密着した防災活動の中核として職務に尽力してほしい」と求めた。統監らによる閲覧を受けた団員たち。姿勢を正し、任務遂行へ士気を高めた。

統監の小野共市長の訓示(左下写真)に聞き入る団員ら


消防団を背負う団員たち。敬礼し、職務遂行へ気を引き締める


 災害現場や火災予防で優秀な活動をした団員や部をたたえる市長表彰として、17人に功績章、5つの部に竿頭綬(かんとうじゅ)を授与。在職3年以上で職務精励、消防技能に優れた5人に市消防団長表彰の精勤章を贈った。

 新規入団者4人が辞令を受け、代表して第8分団2部(唐丹町本郷)所属の伊藤康生さん(22)が「良心に従って誠実に消防の義務を遂行する」と宣誓した。

表彰では優れた活動を続ける部や団員をたたえた


坂本晃団長の前で宣誓を行う新入団の伊藤康生さん


 千鳥町の甲子川河川敷にポンプ車を並べ、豪快な放水訓練を実施。川からくみ上げた水を天高く放ってつくった“水のカーテン”に、見守る市民から大きな拍手が送られた。近くに住む大澤七奈さん(9)は「生で見るのは初めて。水の勢いがすごかった」と目を大きくし、父賢一さん(43)は「このような放水が行われることがないようにしなければいけないが、身近にたくましい人たちがいるのを感じてもらえただろう」とうなずいた。

川に向かって一斉放水。訓練で身に付けた技能を発揮した


 岩手県防災ヘリコプターによる救助救出訓練もあった。風水害や大雨による河川氾濫、津波の浸水などが発生し、ビル(建物)の屋上で孤立している要救助者がいるとの想定。消防庁舎訓練棟周辺の上空に到着した防災ヘリから航空隊員がロープで降下し、要救助者役の釜石消防署員を抱えるなどしてヘリに引き上げた。団員や市民らは離れた場所から救助の様子を見つめた。

岩手県防災ヘリとの連携を確認する救助救出訓練


放水訓練や消防車両を見ようと釜石消防署周辺に市民が集った


 釜石市内では昨年、10件の火災があり、1人が死亡、3人が負傷した。今年はこれまでに5件の火災が発生。前年の5月末までと比べると1件少ないだけで、警戒が必要だ。坂本団長は「頼られる団であるよう団員一丸となって訓練に励み、組織の充実、強化を図っていく」と気を引き締めた。

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