猫にとって居心地がいい『適度な距離感』とは?猫のパーソナルスペースにまつわる3つのお話
1.猫のパーソナルスペースとは?
猫のパーソナルスペースとは、猫が快適に過ごすために必要な「ある一定の距離」のことです。
猫の場合パーソナルスペースは2mとされていて、猫は知らない人や動物をこの範囲内に入れません。
人間にもパーソナルスペースはありますが、猫は縄張り意識が強いため、人間よりもパーソナルエリアに関してはシビアです。
もちろん関係性が構築された飼い主や、同居猫に対してはパーソナルエリアの範囲は0mですが、そうでない場合は、きちんと猫のパーソナルエリアを意識すう必要があります。
信頼を得ていない状態で猫のパーソナルエリアに侵入すると、嫌われるだけでなく、攻撃の対象となるケースも…。
なおパーソナルエリアの範囲は個体差がありますが、初めての猫には、無理に急接近したりベタベタしないのが賢明です。
2.パーソナルスペースは猫との関係性や気分で決まる
先ほど猫のパーソナルスペースは約2mと解説しましたが、このパーソナルスペースは固定されたものではなく、猫の気分や状況によって変化します。
たとえばリラックスしている時は人間に急接近していきますが、警戒している時は信頼する飼い主であっても、距離を置こうとします。
さらに同じ場所でも、周囲の状況によって、その場所に対する感覚が変わることもあるようです。
また猫がどれだけ飼い主を信頼しているかによっても、パーソナルスペースの広さは変わります。
関係が築かれていると猫は飼い主の近くで過ごしたがりますが、初対面の人が無理にパーソナルエリアしようとすると、猫は逃げたり怒ったりするでしょう。
そのため猫とコミュニケーションを取りたいときは、猫の気分や状態、関係性を踏まえたパーソナルエリアを意識するべきといえます。
3.猫のパーソナルスペースを縮めるには?
猫のパーソナルエリアを縮め、より親密な関係を築くためには、時間をかけて信頼を得ることが重要です。
まず、猫に「安心できる空間」を整えてあげましょう。
具体的には、猫が静かで落ち着ける空間を用意してあげるのが理想です。常に緊張感が必要な場所しかないと、猫に「心の余裕」をもたせられません。
また、突然触れたり抱き上げたりするのはNG。猫が自主的に来るのを待つことがポイントです。猫が飼い主に慣れてくると、自然にパーソナルスペースの範囲も狭まってきます。
次に遊びやおやつの時間を共有するのも、距離を縮めるのに効果的です。
猫が好きなおもちゃやおやつを使って楽しい時間を過ごすことで、猫は飼い主に対してポジティブなイメージを持ちやすくなるでしょう。
ただし最も大切なのは、忍耐強く焦らないで猫のペースに合わせることです。
猫の心はすぐに開くわけではありません。そのため時間をかけて少しずつ距離を縮めていく必要があります。
そっぽを向かれても、愛情を忘れずに忍耐強く接していけば、猫もより近くで過ごしてくれるようになるでしょう。
まとめ
猫のパーソナルスペースは、猫が安心して過ごせる心理的・物理的な空間を指します。この概念を理解し尊重することは、猫との良好な関係を築く上で非常に重要です。
ただパーソナルスペースは猫の個性や状況によって変化し、適切な距離感も一様ではありません。
そのため飼い主は猫の行動やボディーランゲージを注意深く観察し、その時々の適切な距離を保たなければいけません。
猫のパーソナルスペースを理解し尊重することは、猫のストレス軽減だけでなく、飼い主との豊かなコミュニケーションにもつながります。
ぜひ今回紹介したことを活かして、適切な距離感を保ちながら、猫との関係を深めていきましょう。