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古町にはなくてはならない場所、「Kaffa パルム」をこれからも。

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古町にはなくてはならない場所、「Kaffa パルム」をこれからも。

古町のアーケード街の小道を入ったところにある、半世紀続く老舗喫茶店「Kaffa パルム」。階段を上り扉を開けると、創業当時から変わらぬ店内がそこにあります。そんな「Kaffa パルム」を営んでいるのは、以前もThingsに登場した「熊さん」こと熊倉さん。お店を引き継いだ経緯も含めいろいろお話を聞いてきました。

Kaffa パルム

熊倉 維仁 Yoshihito Kumakura

1952年広島県生まれ。「株式会社EHクリエイターズ」代表。26歳から新潟に住みはじめ、デザインやライブハウスの運営携わる。「Negicco」のブレイクの立役者としても知られている。2024年「Kaffa パルム」を引き継ぐ。大のコーヒー好き。愛称は「熊さん」。

常連客の、大きな決断。

――熊さんにお話を伺うのは6年ぶりです。まさかここでお会いできるとは思いませんでした。

熊倉さん:お久しぶりです。ひょんなきっかけで昨年ここを事業継承というかたちで引き継ぐことになったんですよ。

――いったい、どんな経緯があったのでしょうか。

熊倉さん:もとは僕はここの常連客のひとりだったんですよ。「チーフ」とお呼びしている、ここを切り盛りしていた方がいるのですが、あるとき「ここを任せられる人を探しているけど、いなかったらお店を畳む」って話をしてきたんです。

――えぇっ、閉店してしまうところだったんですね。

熊倉さん:ここができてからもう49年目でしたからね。体力的なものもあったのかもしれません。あと少しで50周年だし、この場所をなくしたくなかったから「チーフのお目にかなう方がいなかったら、うちの会社が継承するよ」って言ったら、「じゃあ、熊ちゃんにお願いしようかな」って。僕は最終手段として提案したんですけど、その場でうちの会社が継承することになったんです(笑)

――なんて急展開なんでしょう。

熊倉さん:ここに通う常連客も多くいらっしゃっていたし、なにより古町のためにもここを潰しちゃいけないって思ったんです。僕が運営に関わっていた「JUNK BOX」や、商業施設の「カミーノ」があったときから、僕にとっては古町は大事な拠点だったんです。駅前や万代ではなく、昔から芸能文化が栄えていた、古町というエリアへの思いはずっと強く持っていますね。

今も昔も、変わらぬ味を。

──「Kaffa 蒼紫(パルム)」はもとは新潟駅前にある「マントン」の2号店だったと聞きました。

熊倉さん:そうそう。「マントン」の古町店としてスタートした後、チーフが独立して、同じ場所で「Kaffa 蒼紫」をはじめたんです。

――「蒼紫」と書いて「パルム」と読んでいたんですね。

熊倉さん:これは完全にチーフがつくった言葉なんです。紫が好きで「蒼紫」。紫だから「パープル」で、「パルム」……(笑)。今は漢字ではなく「パルム」と表していますが、店名も受け継いでいます。

――フィーリングから、こんなに馴染みやすい言葉が。引き継ぐ前の「Kaffa 蒼紫」と変わったところはあるのでしょうか。

熊倉さん: 内装やメニューはまったく変えていません。これも常連さんを大事にしたいなって思ったからなんです。僕がお客として通っていたときの、雰囲気は崩したくなかったので。もちろん喫煙ができるというところも変えてません。過ごしやすくするために、空調やトイレは新しくしたんですけどね(笑)

――熊倉さんのおすすめを教えてください。

熊倉さん:やっぱりコーヒーですかね。「コクテール堂」の豆を使っています。香りもよくて、コクと深みが感じられるのがとても好きですね。僕は深みのある、少し苦めの豆が大好きなので、ここの豆もとても好きなんです。そしてこのコーヒーに合うチーズケーキも、「Kaffa  パルム」の昔からの味を楽お楽しみいただけます。

――苦みではなく、深みがしっかり感じられるコーヒー、美味しいです。

熊倉さん:ありがとうございます。他におすすめするとしたらカレーですね。これも引き継いでからレシピを変えずにご用意しています。チーフが出勤しているときは本人が作っていますよ。

――どこか懐かしさもあり、安心する味です。味や雰囲気を守り続けているのには熊倉さんのお店への愛が感じられます。

熊倉さん:チーフの存在はとても大きいんです。彼女を目当てに来てくれるお客さんもいますし、お花を買ってきてくれるお客さんもいるくらいなんです。チーフに会いに遠くからいらっしゃる方もいますよ。

――熊倉さんが引き継がれてから、SNSのアカウントを開設したんですね。

熊倉さん:SNSで発信をはじめたことで、メディアからもお声がけいただけるようになりました。以前よりも若いお客さまにも来てもらえるようになったのも、SNSのおかげかもしれません。

――「Kaffa パルム」のこれからを教えてください。

熊倉さん:とにかくここを続けていくことは大事にしたいです。年齢問わず、どんな方にでも気軽に来ていただける場所にしていきたいですね。変わらない雰囲気とコーヒーもっとたくさんの方に楽しんでもらえるように、新しいメニューもつくっていきたいなと思っています。

──長く古町に関わっているからこその思いですね。

熊倉さん:「Kaffa パルム」なら、面白いことをやっていると思ってもらいたくて、月に1,2回イベントも開催しています。このお店がいつも人でいっぱいになるような場所づくりを僕なりにしていけたらいいなと思っています。少し入りづらいかもしれませんが、ぜひ一度いらしてください。古町6番町でお待ちしています。

「Kaffa パルム」は今では珍しい喫煙可能な喫茶店。店内にはオリジナルのライターやトートバックが販売されています。定期的に開催されるイベントの情報はInstagramで確認できるようなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

Kaffa パルム

新潟市中央区古町通6番町987 ミサワビル 2F

025-228-2050

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