赤ちゃんと楽しむ大阪・関西万博 / 現地で気づいた注意点とお役立ちアドバイス
開催から早くも2ヵ月が経ち、徐々に入場者数が増えてきている大阪・関西万博。当サイトでは開催初日に佐藤記者が雨の中レポートをお送りしたが、かなり遅れて筆者(高木)も会場へ行くことが叶った。
今回は筆者と夫、そして生後5ヵ月を迎えた我が子の3人で訪問。乳児を連れての万博は総合的に見て超楽しかった! ……が、子連れならではの難しさも当然あったよね。
ってなワケで、赤ちゃんを連れての万博で注意すべき点やアドバイスをレポートしておくとしよう。
・車での訪問がオススメ
まずは現地までの交通機関。子どもを連れて行く場合は、断然マイカーでの訪問がオススメ。理由はふたつある。
ひとつめの理由は、比較的空いている西ゲートを利用できること。(写真は平日9時半に撮影した9時入場者用の西ゲート)
大阪・関西万博には東と西のふたつのゲートがあり、東は主に大阪メトロでの来場者向け、西は主にバス・タクシー・マイカーでの来場者向けとされている。
……といっても、西ゲートの前までマイカーで乗り付けられるわけではなく、舞洲(まいしま)、尼崎、堺にある予約制のP&R(パークアンドライド)駐車場に車を停め、そこからさらに約15分間のシャトルバスへ乗り換えて会場に向かうこととなる。
利用手段が限られた西ゲートは比較的利用者が少なく、2025年5月20日の情報では東ゲートの3分の1ほどの利用者数に留まっているのだそう。
今回筆者が予約したのは平日午前10時の入場枠で 駐車場に9時着、西ゲートに9時半着という流れ。
実際にゲートの待ち時間に子どもがグズってしまったのだけど、あいているスペースで抱っこしてあやすことができてとても助かったよ……!
ふたつめの理由は、行きかえりのストレスの少なさ。
東ゲートの場合ツラいのが、行きかえりの電車内の人ごみや乗り換えだ。メトロには利用人数制限がないため混雑必至(特に午前中や帰宅ラッシュ時)。ベビーカーを押しての来場は大仕事である。
その点西ゲートの場合は、家から駐車場までは同行者だけで過ごす快適空間。駐車場と会場をむすぶバスも、予約必須なので座席が確保されている安心感があった。
っていうかもっとシンプルな話、子どもがいると荷物が多いし 万博で買ったおみやげも増えるし、全部一気に積み込めちゃう車ってマジで便利だったよね。
今回の駐車料金は、会場との往復バス料金込みで6000円+早朝料金500円。(繁忙期や土日祝日は追加料金がかかります)
合計6500円っていうと割高に思えるけど、指定高速道路を利用したら駐車料金が割引になったり、大勢で行くことで1人当たりの料金が安くできたりと工夫次第では割安にもなる。
こちらが筆者が利用した『舞洲E』駐車場。
午前9時の時点では駐車場の20%も埋まっていない状態で、バス停のすぐ近くに停めることができた。
会場までのシャトルバスはバリアフリー。
スタッフさんもみんな優しく、快くスロープを出してくれるので安心して利用できたよ。
ただし2025年5月現在、パークアンドライド駐車場の利用者が少ないことから駐車料金の値下げなどが検討されているらしい。安く停められるとなると一気に利用者が増えるかもしれないので、実際に行く際は最新情報をチェックすべし!
・液体ミルクが便利すぎた
詳しくは後述するが、万博会場内には利用者数に対してベビーケアルームがかなり少ない。また調乳用温水器も場所によっては設置がなく、あったとしても混雑時は時間がかかるし 冷ますのも手間。
そこで便利なのが、液体ミルクである。
おすすめは、専用アタッチメントを使えば容器から直接飲める『ほほえみ らくらくミルク(120ml・200ml)』と『アイクレオ 赤ちゃんミルク(125ml)』。セット販売にはなるが、Amazonでも購入可能だ。
かさばる哺乳瓶や水筒の持ち歩き、調乳の手間などの問題がすべてクリア。いつでもどこでも開封して飲ませるだけなので、ノーストレスだった。
ちなみに大阪・関西万博には缶・ビンの持ち込みNGという決まりがあり、入場の際は金属探知機による手荷物検査がおこなわれている。
ただし、赤ちゃん向けのミルクや離乳食に関しては持ち込みOK。公式のQ&Aにも記載があるので、安心して利用しよう!
・ベビーカーの暑さ対策は万全に
万博会場は想像以上に広く、ベビーカーは必須アイテムと考えて間違いないだろう。家から持ってくるのが難しい方も、無料貸出サービスがあるのでご安心を!
ただし、これからの季節は暑さ対策がマスト。
我が家の場合はファン付きシートと扇風機を装着した。
筆者が訪れた5月中旬は、上記の装備+大屋根リングでなるべく直射日光を避けて移動することで、子どもはほとんど汗ばむことなく過ごせているようだった。
幸いなことに会場は海のすぐ横なので風通しがよく、街中ほどの暑さはない。だが、夏本番となれば ファンに保冷剤を取り付けて冷風を送るなどの工夫や、時には諦めて早く帰ることも必要だろう。
──ちなみに、会場内の移動にはベビーカーと抱っこ紐の二刀流がオススメ。一部のパビリオンでは、ベビーカーがツラい場合もあるのだ。
特に筆者にとって想定外だったのが、複数の国や地域が共同で出展する『コモンズ』のパビリオン。
予約不要でブラブラ見て回るには丁度いいと聞いていたのだが、いざ入場してみたら人が多く、思うように身動きがとれなくなった。
コモンズの中は 人の導線が一方向に決まっている1ヵ国のパビリオンとは異なり、みんながそれぞれの目的地へと向かって歩くフリースタイル。ベビーカーが流されていくシーンもあったので、子どもは抱っこしておいた方が無難かもしれないな。
・ベビーケアルームは事前にチェック
最後に、筆者が今回一番困ったのはベビーケアルームの少なさだった。
なんといっても、会場内全部合わせてもたったの18部屋。詳細としては、おむつ交換台が33台と授乳室が35個しかないのだ。
場所によっては個室がひと部屋用意されているだけのベビーケアルームや、おむつ交換台が独立していない(授乳室の中にしかない)場所もある。
さらに小規模なベビーケアルームに関しては大きな目印や案内がなく、スタッフさんも場所を把握していないためマップを見ながら10分以上探してようやく発見したこともあった。
イオンやららぽーとといったショッピングモールでのお出かけに慣れていると、この不便さには驚くかもしれない。
ベビーケアルームの場所や数に関してはこちらのページで確認できるため、あらかじめ立ち寄るベビーケアルームに目星をつけておく方がよいだろう。
・子連れでも楽しい大阪・関西万博
いろいろと注意すべき点を並べたが、今回の大阪・関西万博においての筆者の満足度はかなり高かった。
というのも、パビリオン(主に海外)によってはベビーカーを優先してくれるところもあるのだ。
頻繁&時間のかかる授乳や体力のなさなど 乳児を連れての万博はハードルが高く、人気パビリオンに並ぶなんてまず不可能。
「会場内を散歩するだけになるかも」と覚悟していたが、実際にはいくつかのパビリオンを見学することができたのだ。
具体的な名称は伏せるが、傾向としては入り口が階段になっているパビリオンはベビーカー優先である場合が多い模様。その日の混雑や時期によっても対応が変わるようなので、気になる方はスタッフさんに聞いてみるべし。
また優先の無いパビリオンでも、スタッフや他の来場者の皆さんは優しい方ばかり。
エレベーターでボタンを押してもらったり、「大丈夫ですか?」と声がけをしてもらったりと感謝しかない。勇気を出して行ってみてよかったよ……!
育児中は旅行、特に海外旅行なんて夢のまた夢。しかし万博のおかげで、疑似海外旅行を楽しめた次第だ。
一般的に、万博は会期が後半になるにつれて来場者が増える傾向にあるらしい。子連れの訪問をためらっている方がいるなら、今のうちに是非トライしてみてほしいな!
参考リンク:大阪・関西万博公式、缶ミルク・離乳食に関するQ&A、ベビーケアルーム詳細、Amazon「ほほえみ らくらくミルク」「アイクレオ 赤ちゃんミルク」
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.