新図書館づくりへの提言、ライブラリーフレンズ四日市が市長に提出、次の段階への場づくりも
三重県四日市市の新図書館計画に市民の意見を反映させようと活動しているライブラリーフレンズ四日市(日下由紀子代表)が10月11日、市に提言書を提出した。利用者になる市民が計画段階から主体的にかかわることで新図書館が長く愛される場になるとして、市民と行政がともに考えていくことを求めている。
グループの4人が市役所を訪ね、森智広市長に直接、提言書を手渡した。活動の中で集めた新図書館への市民の意見やイメージなどをまとめたほか、9月に開催した図書館フォーラムでの市民アンケートの結果も同時に提出した。
提言書は①市の図書館づくりの方向性や流れを市民に公開していくために、市民団体と行政が協働しながら新図書館づくりを行える場づくりを提案②これまでの活動で得られた市民の意見やアイデアをどのように反映させていくかを議論する行政と市民団体のワークショップを行う③市がめざす「滞在型、交流型の図書館」のコンセプトに合う声はもちろん、声の多い市民の意見については優先的に検討、実現し、実現がかなわない場合はその理由を提示し、情報をオープンにすることなどを求めている。
〇市と市民団体が議論、検討する場づくりも話題に
ライブラリーフレンズ側にも、2018年から続く活動のなかで、市民の意見がかなり出尽くしてきた印象はある様子で、今後は、本当に必要なのは何かを深める話し合いが必要と考えている。森市長との懇談の中では、行政と市民団体がそれらについて議論、検討できる場を設け、市と市民の協働作業をステップアップさせることも話題になったという。
また、市役所北の「三重機械鐵工駐車場周辺」を新図書館のあらたな候補地として優先していることについて、森市長から、できるだけ早く建設地を決めたいことや、近鉄四日市駅から少し離れる場所になる一方で、新しい人の動きを創り出すことで街づくりへの効果を期待したいとの思いも語られたという。
提言書とともに提出された市民アンケートの結果からは、四日市市に新しい図書館ができることは9割以上の人に認識されており、新図書館の場所については、近鉄四日市駅西側の「じばさん」や市役所東広場への支持も、市役所北の候補地に劣らない結果になっていた。現図書館のリフォームで出費を抑える考え方については、5割余の人が「新しい場所につくってほしい」と答えており、「リフォームで」とする声は3割強となっていた。
ライブラリーフレンズ四日市は2018年の立ち上げで、今年も高校や大学など様々な場で市民が求める図書館像を考えるイベントを開いてきた。これまでに開催したワークショップなどへの参加者は約1700人になったという。