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集団食中毒の中でつかんだ価値ある1勝!藤枝MYFCの須藤大輔監督が明かした今季初勝利の裏側「我々は一人で戦っていない」

アットエス


藤枝MYFCは試合2日前に選手・スタッフ計25人が集団食中毒に陥る異常事態の中、ホームでブラウブリッツ秋田に2-1で逆転勝ちしました。昨季は浅倉廉選手のプロ初ゴールを前田翔茉選手がアシストするなど縁が深い大卒2年目コンビが今季初勝利を呼び込みました。

須藤大輔監督はベンチ入り20人がそろわず、スタメンにも体調不良者がいる異常事態でも「弱腰で戦ってしまっては開催にこぎ着けた努力がパーになってしまいます。たくましく戦う姿勢を見せたい」と攻撃的サッカーを貫徹。サポーターの大声援にも感謝の言葉を送りました。

須藤大輔・一問一答

ー集団食中毒という前例のない事態の中で逆転勝ち。
底力、総力が試される試合でした。我々としても送り出した選手がこういったプレーができると信じていましたし、期待以上のものを出してくれたと思います。

チーム始動から厳しいトレーニングを積んできましたし、いつ出番が来てもいいよう常に準備しているからだと思います。そういう選手は「持っているよね」と。食中毒にも耐えて持っている。それをどう生かすかというゲームだったと思います。

持っているだけの選手はたくさんいます。その中で結果をつかみ取るからこそ未来が切り開けるという話は選手からも出ていましたし、私も思っていました。それをしっかり具現化できた選手をたたえたいと思います。

秋田という徹底したサッカーをしてくる相手に対し、自分たちの土俵ではない部分でも引けを取らないバトルを演じられました。セットプレーで先制点を決められたのは精査しなければいけませんが、ベンチで見ていても「今日はやれるんじゃないか」という空気感を選手から受けましたし、その通りの結果になったということは、我々が持っているもの以上のものをこれから発揮できると深く思いました。これが一過性で終わってはいけないので、次の甲府戦が非常に真価を問われると思いますし、熾烈(しれつ)なメンバー争いがチームの総力を高めるのかなと思います。

ー大幅なメンバー変更を強いられた試合。どのようなプランで選手を送り出したか。
本当にチームはひどい状態でした。それでも医療従事者の方々の助けがあり、試合を開催できたことに感謝したいと思います。コンディションは悪いですけど、1人1人にタスクは与えました。

慣れないポジションなのでできることは限られますが、それを全員がしっかりやること、できないことは周囲がフォローしていたのかなと思います。やはり、セカンドボールが一番のキーポイントだったので、回収しやすいスタイル、システムで臨みながら個人のストロングを生かしました。

一番の肝はセコウ(ディアマンカ・センゴール)のところで引っ張れる、ボールが収まる、つぶれることで寛汰(千葉)、風希(中川)が前を向いてプレーできる場面が多かったです。センターバックも慣れない翔茉(前田)が得点するということは、ポジションをローリングできている効果だと思います。

ーこの勝利は1勝以上の重みがある。
我々は1人では戦っていないということがすごくフォーカスされた試合だと思います。1人だけでは開催もできていませんし、棄権という形で相手に勝ち点を渡していたかもしれません。現場も頑張りましたけど、スタッフとフロントが保健所との意思疎通やJリーグとの話し合いを経て開催することができました。

秋田さんがいてこそこういったゲームができたというのも感謝しなければいけません。その上で我々が弱腰の試合をしてしまったら全てがパーになります。まずはたくましく戦う姿を披露するというマインドで臨み、結果を出すという力強さを具現化できたと思います。やはりできる。できるときだけできるのではなく、できない時もできると分かりましたから、自分たちを過小評価せずに、自信を持ってこういう試合を続けていきたいと思います。

ープロ2年目の2人が大きな仕事をした。
廉(浅倉)の場合はあとはゴールだけというプレーをしていました。取れないと自信を失うし、取れれば右肩上がりでいく。彼がそこの扉をこじ開けたのかなと思います。(相手シュートに)体を張った場面で脳しんとうとなり交代しましたが、あのプレーも助かりました。華がある選手ですけど、泥くさいこともできるというのが我々の特長でもあるので続けていきたいと思います。

翔茉は非常に調子が良かった。ただ。ポジションのバランスでなかなか試合に出られず悔しい思いをしていたと思います。やはりそういう選手のところに降ってくるんですよね。降ってきた時に結果を残せるかは、そこまでの過程が物語ると思います。その過程を踏んでいるからこそ、ボールが転がってくるし、決めきることができる。彼の今までの人生がこのゴールを引き寄せたと思います。ただ、我々は1人で点を取る作業はしていないので、クラブとして全員でつかみ取った1勝だと思いますし、普通の1勝とは違う重みを感じています。

ーベンチ入りが上限20人に満たない18人。プレー可能な選手がそれだけだった?
みんなほぼ動けないです。それでもぎりぎりサブに入りました。本当はもっと少ないので時間限定で考えていましたし、耐えてくれました。スタメンの中にもスタメンでは出られないような状況の選手もいましたし、サブ組にも寝ていた方がいい選手もいました。

スタッフもそうです。でも、気持ちがそうはさせない、無理やりでも練習したいと。それだけの気持ちがあるからこういう試合ができたと思います。こう言う時に勝つというのがエンターテインメントなのかなと思います。本当はこのようなことにならないよう気を付けなければいけませんが、これはどこにでも起こることだと感じました。教訓を得られたので、それを含めてクラブが成長していければと思います。

ー勝ち点1を取りにいくサッカーでもおかしくない状況。それでも勝ち点3にこだわった?
バランスは考えつつ、選手交代時にも攻撃的にいこうと。ただ、守備をおろそかに、大まかなポジションを取るのではないという話はしました。チャンスはありますし、ビルドアップは相手の立ち位置を見ながらできていたので、常に勝ち点3を取りにいつも通りの戦い方はできていたと思います。

ー普段と異なるポジションでも違和感なくプレーしている選手も多かった。
マイク(松木)はもともとウイングをやっていたというのがありますし、われわれの右ウイングはセンターバックと同じ動きをするので翔茉も違和感なくできたと思います。

一番厳しいかなと思っていたのはダブルボランチのカネ(金子)と廉。ディフェンスの強度やポジショニングに不安はありましたが、センターバックがよくカバーしてくれていたと思います。やはりストロングとウイークを補完し合ったことがこのパフォーマンスにつながったと思います。我々はローリングしてポジションを逸脱していきますし、GKもボランチの位置まで入ってきます。セコウも途中で下がろうかという意思を見せていました。そこは強みとして、さまざまなパターンを落とし込める材料になったと思います。

ーサポーターの後押しも大きかった。
ワンプレーごとに、例えばピンチでクリアするだけでも声援が上がりました。どれだけ選手が勇気づけられたか。本当にシーズンスローガンである「一体感 ハイエナジー」をサポーターからも感じました。我々も負けないようにハイエナジーをもっと発散していきたいと思います。

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