今、「仏教」入門に最適な名著3選――NHK「100分de名著」シリーズ【NHK100分de名著キャンペーン2024】
なぜ私たちは救われつづけられるのか――
シリーズ開始から13年で、累計1000万部の発行を記録したNHK「100分de名著」シリーズ。古今東西の名著を25分×4回の100分で読み解き、今の世の中を見通すためのヒントを得る構成が人気です。書籍の元となる番組では、司会の伊集院光さんとゲスト講師とのやりとりも、毎回話題に。
今回は、100以上の名著、またその背景にある数百もの名著に触れてきたNHK「100分de名著」テキスト編集部に、「今、より良く生きていくために必読の『仏教』にかかわる名著」を聞きました。
なお、2024年7月末からは、全国の書店とNHK出版公式サイトにて、「100分de名著」1000万部突破キャンペーンを実施中です。
「宗教(仏教)」入門におすすめの3冊
長い歴史の中で、人びとの心をとらえて離さない仏教経典や仏教書の数々。とはいえ、その存在は知っていても、「難しそう」「ついていけるのだろうか」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、当代一流の思索者たちによる解説のことばが、現代の私たちが生きるうえでの困難さを乗り越え、あるいは私たちの弱さに向き合い、私たちを救いや援けに誘い、導いてくれます。普遍的なテーマと今日的なテーマを両輪として読み解く3冊です!
『法華経』
人間の尊厳と平等思想を説いたその思想を読み解く!
―― 『法華経』には、一見すると非常に大げさな、現代人の感覚ではつかみがたい巨大なスケールの話が次から次へと出てきます。しかし、その一つひとつにはすべて意味があります。(名著ブックス「はじめに」より)
道元『正法眼蔵』
「哲学書」として読むことで、その真価に到る!
――(前略)道元は禅僧ですが、同時に偉大な哲学者でもあるといえるでしょう。
哲学とは何か。それは、人間の理性、つまり言葉でもって、人類普遍の真理を構築する営みです。道元は、たとえ末法の世になったとしても、仏教の真理を正しく読み取る眼が後世に伝わるよう、自らの智慧──それは、釈迦が菩提樹の下で開いた悟りと同じものである、と彼は信じていました──を言語化して残そうとしたのです。(名著ブックス「はじめに」より)
『歎異抄』
多くの知識人をも魅了した、その箴言や警句の奥深さを知る!
――最初に、『歎異抄』について私が感じる魅力を二つあげておきます。一つめは、人の内実へとズバッと切り込む、切れ味鋭い金言や箴言にあふれている点です。二つめは、それまで人々が漠然と抱いていた宗教や仏教のイメージをひっくり返す力を持っている点です。私たちの常識を揺さぶるような逆説的な内容や思想がいくつも書かれています。(名著ブックス「はじめに」より)
今回ご紹介した「名著」読み解きのための「NHK『100分de名著』ブックス」は、全国の書店、またNHK出版の特設ページでも展開しています。