メダカの稚魚を守り育てる方法とは? 成魚と隔離&適切なエサを用意しよう
メダカといえば、“飼育する魚”として真っ先に思い浮かべる人も多い魚です。小学校の教室などでも飼育されることがあり、比較的に飼育は簡単なイメージがあると思います。
しかし、メダカの稚魚は成魚による共食いや、成魚とのエサの争奪戦に敗れてしまい生き残れないこともあるのです。
そこで、メダカの稚魚を育てていくうえで土台となる知識をご紹介します。
メダカの稚魚を成魚と隔離 ネットなどで分けて守る
卵から孵化したメダカの稚魚を見つけたら、成魚とは隔離する必要があります。市販の隔離ネットを使えば、同じ水槽の中で育てることができ、飼育スペースの心配もなく飼育が可能です。
なぜ生まれてからすぐに隔離しなければいけないかというと、メダカの成魚は生まれてばかりの稚魚を食べることがあるのです。隔離しなければ、水草があったとしてもほとんどが生き残れません。
また、稚魚は成魚に比べてエサを上手く食べることができないため、成魚にエサを奪われてしまうことがあります。
このように、メダカの稚魚は成長までにいくつもの苦難があるため、隔離することで生存率を上げるのです。
稚魚用のエサを用意 経過を観察しながら量を調節する
メダカの稚魚は、「ヨークサック」と呼ばれる栄養の詰まった袋をお腹につけているため、生まれてから2~3日程度はエサを与える必要がありません。
ヨークサックが無くなってからはエサをあげる必要がありますが、メダカの成魚と同じエサでは口が小さく、また潜る力も弱いため、エサを見つけることが困難です。
そのため、エサは水に沈みにくい粉末タイプのものや、市販で売っているプランクトンなどを与えましょう。3分から5分程度で食べきれる量を、1日に4回程度与えて、経過を観察しながら量を調節します。
日当たりや水温、水質を管理 ストレスを与えないように
メダカの稚魚はストレスに弱く、特に水質の変化や飼育環境が大きく影響します。基本的には、水質や水温は成魚のメダカと同じで問題ありません。
ただ、泳ぐ力が弱く水流に弱いため、ろ過フィルターなどは使用せず、水質の変化に敏感なので水換えもあまり行わないようにして、汚れが気になる場合はスポイトで取り除くようにします。
また日光がよく当たるところで育てることにより免疫を高め、骨の生成にも効果的なため成長の促進にとても有効ですが、水温が30℃を超えないよう注意も必要です。
メダカの稚魚を育てる一連の流れ
メダカの稚魚を育てる一連の流れを整理します。
水槽でメダカの稚魚を発見した場合、スポイトや小さいカップなどを使い捕獲をして、隔離ネットなどで2センチ程度になるまで成魚と離して飼育しましょう。これが最も生存率を上げる方法です。
隔離した稚魚のヨークサックがなくなったら専用のエサを与え、フンやエサの食べ残しは水質悪化の原因になりかねないのでスポイトで取り除きながら成長を観察します。
隔離した稚魚の成長で個体差が現れ始めると、稚魚同士の共食いの危険性も生まれます。成長の早い稚魚を分けたり、酸欠を起こさないよう水草を増やすなど状況によって対応することが重要です。
(サカナトライター:nasu阿部)