物事を自分で決められない…SNSのアンケートに頼ることも 決断できる人間になりたい!【お悩み#86】
はーいみなさん、ごきげんよう!満島てる子です。
5月になりましたね。みんなは…元気でやってんのかしら。
あたしったら、怒涛のゴールデンウィークを乗り越えて(飲食業の人間にとって、大型連休は逆に大連勤人生なのよね)、ややしばらくこころもからだも燃えカス化。
仕事にせよプライベートにせよ、判断力がしっかり鈍り散らかしてしまい、そんな労働の後遺症とたたかう日々を送っていました。苦笑
サッと決めればいい話も、なんか後回しにしちゃったり。
もしかしてこれって、世に言う「5月病」の一種だったりするのかな…(トホホ)。
そんな季節の話はさておくとしても。
何かについて決断を下すのって、どんな内容であれそれなりにエネルギー要るもんだったりするから、人によってその得手不得手、はっきり分かれるわよね。
みんなはどう?物事決めるの、得意?それとも苦手?
そう、今回のお悩みは「決めるの苦手」勢のおひとりからいただいたの。
早速読んでみることにしましょう。
読者のお悩み 物事を自分で決めるのがとっても苦手。決断できる人間になりたい…
なるほど!SNSのアンケート機能って、プライベートのあれこれを定めるためにも活用できたりするのね!
今まで気づかなかったけれど、とっても賢い使い方だと思うわ。
あたしもやってみようかしら。
そんな、自分の発見から文章をはじめてしまったけれど。
くまつんさん、お手紙を送ってくれてどうもありがとう!
あなたのお悩み、共感する人もきっと多いはず。一緒に考えていきたいと思います。
「決断」で周りの意見を聞けるのってえらいなぁと思うのよ
でもそうかぁ。
「選択肢がいくつかあったとき、本当にどれでもよくて」っていうの、とっても率直な思いを書いてくれたんだろうと一旦受け止めつつ。
情報にあふれ、それによって選択肢の幅というのも日常の単純な行為についてすら、いちいち膨大なものになっている、この現代社会。
くまつんさんの苦手な「決断」を迫られる場面って多々あるだろうから、「どれでもよい」と言ってばかりもいられないのよね、大変ねぇ……と、その身を案じざるをえなかったりもして。
以前にも実は「優柔不断になった自分に自己嫌悪」という類似のお悩みに回答させてもらったことがあったんだけれど。
▼【相談】優柔不断すぎて自己嫌悪になります。昔に比べて、決断力が弱くなった気がします。
そのときにお伝えした「あたしなりのアンサー」は、くまつんさんの場合にも有効だったりするんじゃないかなぁと、かつての自分のコラムを読み直しながら、改めて「物を決める」ということの面倒さに思いを馳せたりしていたのでした(もしよかったら、参考にしてみてね!)。
えらいなぁと思うのは、くまつんさんは親御さんや先生といった、周りの人たちの意見をしっかり引き出して参考にした上で、自分の振り方やみんなで目指す方向を考えようとしているというところ。
これあたし、自分に「足りないなぁ」と思っちゃったりする部分なんだよね。
トホホなことだってある…
例えば、超絶二日酔いでのお客様とのご飯の約束。
「最初はソフトドリンクでもいいのよ…?」と言われていても、飲み物を「一杯目はビールで!」のノリで考えなしに決めちゃって、肝臓にみずから九頭龍閃(cf. 『るろうに剣心』)叩き込んで再起不能になっちゃったなんてこと、これまで多々あったし。
はたまた、プライベートのデートの予定。
「ここは評判いいし、店内もオシャレでくつろぎやすかったはず!イケる…!」と思い、食事の場所をこちらの一存で設定したら。
お相手が好き嫌いはっきりしてるのもあって、一緒に食べられるメニューがろくに無いことが行ってから発覚。
ときめきも灰と化した、なんて経験もあったっけ。汗
他にも、仕事に関する重要な判断についても、定期的に「これは周囲の意見を仰ぐべきだったなあ」と反省することになったり、きちんと大失敗することになったりしてるのよね。トホホ。
だから、自分の決断の足がかりを作るために、他者の意見をきちんとあおぐことのできるくまつんさんの態度は素晴らしいし、見習わなきゃなぁって、あたし個人的には思うの。
たとえ結論を出すのに時間がかかったとしても、その方が安定を実現できるし、周囲の人とも安心して一緒に過ごせるだろうなぁって。
「決断」への扉を開くために
とはいえです。
考えに考え、でも最終的な方向性がなかなか出ない…という状況に、事の大小があるにしてもわりかし高い確率で陥ってしまい、足踏みすることが多いのだとしたら…。
くまつんさん自身はもちろん、意見を聞かれているであろう周りの人も、その足踏みのたびにストレスを抱えることになりかねないわよね。
それは端的によくない。
くまつんさんの背中を押し、決断に向かう扉を開くためにも。
あたしはずっと「どんな言葉を送ろうかな」と、ここまでの前半を綴りながら考えていたのでした。
あたしなりのAnswer
さて、くまつんさん。
ここからあなたに送る言葉は、決してあなたにとって耳障りのいいものばかりとは言えないかもしれない。
それでもよければぜひ読んで、これからを生きていくための参考にしてもらえたらうれしいわ!
では、始めるわね。
まず、前半の続きみたいになるけれど。
あたしあなたのリサーチ能力というか、周囲の意見を聞いたり集めたりすることができる力は、やはり素敵なものだと思うの。
SNSのアンケートの使い方は素直に「え、参考になるかも」って感じたし、周りの意見を沢山聞くその姿勢は、個人的にも見習いたいぐらい。
「これっていう決め手」をしっかり探そうとしているくまつんさん。
そこはどうか今後も変わらずにいてほしいなぁと、あたしとしては願ったりしておりました。
ただです。
やっぱり「決めるきっかけを探すこと」と「決めること」って全然違う。
この2つにはどうしても埋められない、確たる隔たりがあるのよね。
料理で例えていうとですが。
美味しい一品を作るための材料を集めることは、食を楽しむための準備としては大事。
しかし、新鮮な食材が満足に集まったとしても、「じゃ!包丁握るか!」とならなければ、そうした食材たちも単なるストック。
「調理」という直接的なアクションを起こさなければ、「美味しい!」というゴールにはどうしても辿り着けないのです。
「決め手のリサーチ」と「決断」の関係性は、まさにこの「食材集め」と「調理」の関係性に等しいでしょう。
調理しなきゃ、食材は料理にならない。
決断しなきゃ、リサーチも意味がない。
しかもです。
調理は経験値を積み重ねることで、だんだんと細部に配慮が行き届くようになり、慣れていくもの。
物事を決めることもこれと同じで、その身に馴染ませる必要がある。
そう、「料理の経験」が「料理人」に必須なように、「決める」という行為を習慣づけることで、ようやく「決められる人」になっていける。
あたしはそう思うのよね。
決断するときに心がけているたったひとつのこと
だから。
くまつんさんの知りたい「心がけていること」のニュアンスとは、少し異なるかもしれないけれど。
あたし自身は日頃から、自分で決められることはどんな小さいことでも、どんなあやふやな基準でもいいから「これ!」と決めてみる、そういう経験から逃げないように意識しています。
そんな人間なのでくまつんさんにも、まずは気軽に、根拠が無くてもいいから「こうする!」と決めちゃう癖をつけること、それをぜひお勧めしたいなとは思うの。
この癖付け、あなたの行動を大きく変えてくれるんじゃないかしら。
そうそう、「何かを決断するときに心がけていること」と言えば、ひとつだけありました。
それはね、覚悟を持つこと。
何を着るかもそう。
何を食べるかもそう。
仕事の大事な決めごとだってそう。
いかなる内容であろうと「自分で決めたんだから自分に責任がある」と、きっちり己の腹をくくるようにしています。
そんな大袈裟な、と笑われちゃうかもしれないけれどさ。
これ、個人的には大事。
だって、覚悟は希望をくれる。
自分で決めたからこそ、ここからの光景は自分のものとみなすことができる。
そんな風に、未来への明るい眼差しを持つことができるようになるのは覚悟があってこそと、あたしは信じているんです。
なので、くまつんさん。
あなたももしよかったら、「決断を癖付けること」と同時並行で「決めた内容に覚悟を持つこと」も、少し意識してみてください。
「誰かに決めてもらう」では味わえない生き方、自分自身の人生を歩む感覚が、そこから手に入るはずだから。
『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の主人公、ジョルノ•ジョバァーナは「「覚悟」とは‼︎暗闇の荒野に‼︎進むべき道を切り開くことだッ!」と叫びました。
この言葉、大好きなんだよね。
「暗闇の荒野に」ではなかったとしても。
どうかくまつんさん、あなたもこれから、自分で自分の進むべき道を切り開いていこうという、そんな意志を持って生きようとしてみてください。
このコラムが、少しでもそのためのエールとして響いてくれていればいいなと、あたしはそう祈っています。
ま・と・め♡
というわけで、今回は「決断」という話題について考えてみました。
やだぁ、なんだかここまで書いてたら、だんだんと「5月病とか言ってる場合じゃなかったわよね、あたし…」って気持ちになってきたわ。
自分の文章に、自分で身につまされているというか。笑
エネルギーがある程度補充できたら、また「決められる人」になるための習慣作り、意識しながら頑張っていこうかしらね。
おのれのコラムに鼓舞される、そんな人間がこちらの相談ルーム、担当しております。笑
ではでは今日はこのあたりで。
また次回!Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。