【鎌倉市】松尾市政 歴代最長の5期目へ 市長選で新人3人抑える 市庁舎「両輪体制」に意欲
任期満了に伴う鎌倉市長選挙が10月26日に投開票され、現職の松尾崇氏(52・無所属)が5選を果たした。市庁舎移転やこれまでの松尾市政などが争点となった今回の選挙で松尾氏は3万1535票を獲得して新人3人を抑えた。鎌倉市長5期目は歴代最長。投票率は40・91%で過去2番目に低かった。
午後10時すぎ、当選確実の知らせを聞いた松尾氏は選挙事務所に集った支援者の前に現れ、「これまで市の課題になっていたことを圧倒的なスピード感を持って進めていく。その責任をいただいたと思っている」と当選の喜びを語った。
争点の一つとなった市役所移転では、松尾氏が今年7月に既存の本庁舎がある御成町に市長室や市議会などの中枢機能を残し、約8割の部署を深沢に建設する新庁舎に移転する「両輪体制」を発表していた。今回の結果を受け、「皆様に理解していただいている手応えを感じた。オール鎌倉で災害に強い街を作っていく」と、改めて意欲を示した。
栗原氏「やり切った」
元市議の新人・栗原絵里子氏(56)は、市役所移転の反対を訴え2万4829票を集めたが、現職の壁を破ることはできなかった。
選挙事務所で栗原氏は支援者を前に、「市議選の時よりも多くの応援をいただき、できる限りのことをやり切れた」と選挙戦を振り返り、「いろいろな地区で市役所移転反対の声をもらった。投票率が伸びなかったことは残念」と悔しさをにじませた。
緑地保全の基金創設などを訴えた梅澤保雄氏(73)と、市長や市議会議員の報酬ゼロなどを掲げた広瀬浩一氏(61)は支持を広げることができなかった。
今回の市長選の有権者数は14万7948人(男性6万8935人・女性7万9013人)。投票率は40・91%で2021年の前回を0・87ポイント下回り、戦後最低だった13年の37・40%に次ぐ低さとなった。