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秋谷老人福祉センター 宿泊に温浴、複合施設に 26年秋の開業目指す

タウンニュース

「SOIL Akiya」のイメージパース(横須賀市提供)

2025年3月末で廃止された「秋谷老人福祉センター」の利活用をめぐり、横須賀市は4月10日、ホテル企画・運営会社の「株式会社Staple」(広島県・尾道市)を拠点整備の優先交渉権者に決定した。温浴や宿泊施設、コミュニティスペースなどを備えた複合施設を26年秋ごろ開業する予定だ。

同センターは1975年3月に完成。国有地を含む約2300平方メートルの敷地内には鉄筋コンクリート造3階建ての建物(延床面積約600平方メートル)があり、広間や図書室、娯楽室などを備えていた。長年地域の高齢者らの交流場所として親しまれてきたが、市は施設の老朽化などを受け、公共施設の再編などを示す「FM戦略プラン」に基づき廃止を決定。跡地を活用する事業者を公募していた。選考の結果、広島県尾道市などで宿泊施設運営を行い、地域活性化の実績を持つ同社に決定した。

地域交流空間を新設

今回、同社が手掛けるのは、公園用地の約1200平方メートル。「SOILAkiya」と名付け、既存建物を改修するのに加え、地域の人が集い活動できる交流施設を新築する。新築する交流拠点は、60〜100平方メートルほどの木造平屋建てを想定。建築にかかる費用のうち、5700万円を上限に市が負担する。駐車場スペースではマルシェなどのイベントを催していくという。

宿泊施設を整備

既存建物の改修・運営費として約5〜8億円を想定。1階には誰でも利用できる温浴施設や飲食店、地場産食材の物販などを行う売店を設置する。2・3階部分には客室を11室設け、市外からの誘客も視野に入れる。1泊5千円〜2万5千円程度を想定しており、宿泊費を抑えることで長期滞在も狙っていくという。温浴施設については、市民料金などを設定する。同建物は旧耐震基準で建てられており、建物調査を実施したのち、着工していく。

同社の岡雄大代表は「従来の老人福祉センターという文脈を引き継いでいく必要がある。0〜100歳まで、幅広い年齢層の人が集える場にし、このまちで過ごしていきたいと思ってもらえるような運営をめざす」と意気込んでいる。

建物は国道134号線沿いにあり、「かながわの景勝50選」に選ばれる立石公園に隣接。相模湾を一望できるロケーションの良さから地域住民や観光客から人気を集めている。同日行われた会見で上地克明市長は「秋谷地区の皆さんに開かれ、市内外を問わずあらゆる人を呼びこみ、西海岸の魅力をこれまで以上に発信できると確信している」と期待を込めた。

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