わたしの ふかくさ暮らし Vol.6 深草を熱く盛り上げる、藤森祭(藤森神社)の深草郷神輿会!
藤森神社 深草郷神輿会 犬石憲人さん・中大路章乃さん・福村由佳さん
深草に住み、ふかくさ暮らしを満喫されている方へのインタビュー。
今回は、藤森神社のお祭りである「藤森祭」で神輿の担ぎ手として活躍する、深草郷の神輿会・女神輿会・子供神輿会の各会長が登場!神輿を通して藤森祭に関わる魅力、地域とのつながりなどを語っていただきました。
犬石憲人(いぬいしかずひこ)さん
藤森神社 深草郷神輿会会長。深草出身。
大学生になってすぐ、近所の方に声をかけられたのがきっかけで神輿会に参加。ちょうどその前年(1997年)に復活した人力による巡行を支え続け、今年で27年目を迎える。
中大路章乃(なかおおじあきの)さん
藤森神社深草郷 女神輿会会長。深草出身。
藤森祭は子供時代から愛着のある祭りだった。20代半ばの頃、同級生のお母さんに誘われ、迷わず参加。以来、女神輿に関わり続けている。
福村由佳(ふくむらゆか)さん
藤森神社深草郷 子供神輿会会長。広島出身。
2013年、結婚を機に深草に移住。当時、ご主人が深草郷の神輿を担いでおり、結婚前から、藤森祭の神輿巡行に付いて氏子地域を周っていた。その縁から、時を経て、2024年から子供神輿の取りまとめ役を務めている。
平成9年(1997年)、人力による神輿の巡行が復活
――深草郷の神輿に関わられたきっかけは?
犬石さん:大学生になってすぐに、近所の方から「兄ちゃん、神輿に興味ないか?」と声を掛けてもらったのがきっかけですね。ちょうどその前の年から、人が神輿を担ぐ巡行が復活していたんですよ。それまでは、昭和38年(1963年)から34年間にわたって、担ぎ手の減少から、神輿が人の手で担がれることがない状態が続いていたんですね。
中大路さん:そうそう、私たちが子供の頃は、神輿をトラックに載せて巡行していましたね。子供の頃から、藤森祭の活気ある雰囲気が大好きで、500円玉を握りしめて縁日のお店を周るのが楽しみでした。だから、有志の方々の熱意によって人力による巡行が復活したのも嬉しかったですね。そして、その数年後に同級生のお母さんと近所のスーパーで会って、「女神輿担いでんねん」と聞き、「えっ、私も担げるん?」と思わずたずねてました。「ほなあんたもおいで」って誘ってもらって迷わず参加しました。
犬石さん:僕はまず松尾大社で神輿を担ぐ機会があったのですが、全然うまくできなくて…。若いから体力には自信があったものの、技術面で先輩の担ぎ手さんに全くかなわないんですよ。それが悔しくて、「人一倍経験を積んでやろう」と積極的に担ぐうちに、夢中になっていきました。
中大路さん:「ほいっとー、ほいっとー」の掛け声に合わせて神輿の前後の担ぎ手が交互に跳ねることで、神輿をシーソーのよう振るんですよね。
犬石さん:そうそう。それが京都の神輿の担ぎ方ですね。轅(ながえ)の先に付いた鳴鐶(なりかん)と呼ばれる金具の鳴り物をシャンシャンと打ち鳴らすのが特徴で、慣れないと初めは難しいんです。
福村さん:私は2013年に結婚と同時に深草に来たのですが、主人が深草郷の神輿を担いでいたこともあり、5月5日の神輿巡行に付いて歩いていました。
コロナ前に子供神輿を立ち上げようという話が出て、2023年にようやく実現。1年目は警備で参加し、翌年から子供神輿の初代会長を務めることになりました。
犬石さん:コロナ前から少しずつお誘いのジャブを入れていまして(笑)。2023年に正式にお願いしました。
●藤森祭 神幸祭における神輿渡御
藤森神社の祭礼である藤森祭では、毎年5月5日に駈馬神事と神幸祭が行われます。神幸祭では藤森神社での神事の後、深草郷、宮本下之郷、東福寺郷の各神輿が神社を出発。その後には、鼓笛隊と武者行列が続きます。稲荷大社の末社「藤尾社」にて神事が行われた後、神輿は各氏子地区を渡御。深草郷神輿の巡行ルートは約14.6kmにも及び、師団街道での辻回しでクライマックスを迎えます。
地元出身者だけでなく地域の幅広い方が参加
――担ぎ手は地元出身の方ばかりというわけではないのですね?
犬石さん:神輿の担ぎ手は地域在住の方が中心となっていますが、京都神輿愛好会をはじめ他の地域の方にもたくさん協力いただいています。また、深草地域の担ぎ手の中でも「もともと深草が地元」という人は割合としては意外と限られているんですよ。
福村さん:私の地元の広島でもお祭りはあったと思うんですけど、あまり関わる機会がなくて。むしろ深草に移住してきたからこそ、「地域に関わりを持ちたいなぁ」という思いがありました。結婚前から深草郷の神輿に馴染みがあり、雰囲気に魅力を感じていたことが大きいですね。
中大路さん:由佳ちゃんは子供神輿だけでなく、ホームページの立ち上げや担ぎ手募集にも積極的に関わってくれてるよね。
福村さん:そうですね。小学1年生から中学3年生までと幅広い年齢層のため、安全にケガも体調不良もなく、無事に神輿巡行を終えることを一番に思っています。また、年に一度しかない貴重な1日のなかで「神輿に関わる楽しさをぜひ知ってほしい」という思いで取り組んでいます!
●深草郷神輿
深草郷神輿は「大神輿(男神輿)」「女神輿」「子供神輿」で構成されています。女神輿は中学1年生から参加でき、子供神輿の対象は小学1年生から中学3年生まで。そのため女子中学生はいずれかを選ぶことができます。そのほか、0歳から就学までの子供が参加する「引き神輿」も行われ、ママ・パパに抱っこされて参加する赤ちゃんの姿も。深草に住むすべての年代の方が参加できる神輿です。
また、神輿は江戸時代に氏子の寄進により造られたもので、京都で最も優雅な神輿として知られています。平成に入り、修復された際にも費用の大半が氏子の寄進によって賄われ、深草地域の氏子によって大切に受け継がれています。
深草地域と深く、熱く関わる神輿の魅力
――神輿の渡御を担うやりがいや魅力について教えてください。
犬石さん:やはり、地域の担ぎ手が中心となって地元を盛り上げられる点ですね。担ぎ手は交替をくり返しながら巡行するため、男神輿の場合は担ぎ手だけで200人程度の人が必要ですし、今年は東福寺郷神輿の巡行ルートが変更になることから、例年、そちらに参加されていた京都神輿愛好会の皆さんが深草郷に協力いただけることになり、さらに約100人が加わります。そして、周りで支えてくださるお手伝いの方々を含めると総勢500人前後が携わります。
その大勢の人たちの熱い思いが一つになり、力強いエネルギーを生み出すところに魅力を感じます。
中大路さん:女神輿の場合は、最低でも80人は必要で、最大で150人程度の参加がありました。
こうした規模で子供の頃から愛着のある藤森神社のお祭りに関わりながら、深草地域の方たちとふれあえることが嬉しいですね。巡行で周った先々で、住民の方々が手を合わせて迎えてくださったり、接待をしてくださったり。喜んでもらえていることが伝わってくるんですよ。
福村さん:私も、子供たちが元気に「あ~ら、よいよいよいっ、あ~ら、うんとま~かせ!」とかけ声を張り上げる姿、それを見守ってくださる地域の方々の笑顔を目にすると、素直に喜びを感じます!
子供神輿の場合は終日となると大変なのと、何よりも「安全第一」を考えて、当日は午前と午後の組に分けて参加してもらっています。昨年は午前・午後合わせて80人弱の参加がありましたが、もっともっと増やしていきたいですね。
犬石さん:「大神輿(男神輿)」「女神輿」「子供神輿」、そして「引き神輿」と、赤ちゃんから年配の方まで、参加できるので、家族で同じ体験ができるのも大きな魅力の一つだと自負しています。家族、地域の一体感が生まれるきっかけになっていると思いますよ。
5月の神幸祭に向け参加者募集中!初心者向け練習会も実施
――新たな担ぎ手も募集されているのでしょうか?
福村さん:はい、現在、深草郷のそれぞれの神輿で担ぎ手を募集しています!ホームページで概要をご覧いただき、少しでも興味を持たれた方はぜひ参加申し込みをお願いします。まったく経験がない方、とりあえず話だけでも聞いてみたいという方も大歓迎です!
中大路さん:初めての方も4月に練習会を実施していますし、当日は私たち役員がしっかりフォローしますので安心して参加してください。例年、朝は慣れなくて戸惑っておられた方が、終了する頃にはベテランのように生き生きと担がれてます!(笑)
犬石さん:深草に引っ越してこられた方は、まずは藤森祭に見にきて雰囲気を感じてもらえると嬉しいですね。
中大路さん:そうそう。でも、担ぎ手として登録していただくと、お揃いの法被を着て参加していただけますし、やはり仲間に加わっていただけるとなお嬉しいです!
●担ぎ手参加者募集
2025年5月5日(祝)の藤森祭、神輿渡御の担ぎ手募集は下記で行っています。
「説明だけ聞いてみたい」という方はメールや電話でも対応されていますので、ぜひアクセスしてみてください。
▼深草郷神輿会ホームページ
https://fukakusago.site/
▼参加者募集 深草郷神輿会(大神輿)
https://fukakusago.site/?page_id=16
▼参加者募集 深草郷神輿会–女神輿 –
https://fukakusago.site/?page_id=2074
▼参加者募集 深草郷神輿会–子供神輿 –
https://fukakusago.site/?page_id=1785
■スポット情報
店舗名:深草郷神輿会
住所:京都市伏見区深草鳥居崎町609(藤森神社内)
電話番号:075-641-1045(藤森神社)