姫路城市之橋門跡近くの『杢酒場』凜とした佇まいの古民家で大人時間を嗜む 姫路市
城下町の風情を色濃く残す姫路城市之橋門跡近く、材木町にある『杢酒場』(姫路市)を訪ねました。ここは古くからの町家が建ち並ぶ通り。連棟町家の一角にある同店は、落ち着きのある店構えとなっています。
文化的景観の計画区域のため、通りには歴史を感じさせる建物が多く残っています。漆喰の壁と格子が印象的です。
店内は古民家独特のやわらかな光につつまれています。4人掛けのテーブル席が3卓とカウンター席。ゆっくり静かに食事ができる空間を、と内装にはこだわったそうです。天井近くの壁には碍子(がいし)引き配線がいいアクセントに。インテリアの一つひとつにどこか懐かしさを感じます。
蠱惑的な灯りがともる店内。カウンター席のペンダントライトは大正時代あたりのアンティークだそうです。カウンター正面の柱には姫路張り子の面が飾られています。
カウンターの奥には中庭がありました。夜は店内の照明が窓ガラスに映り、幻想的な雰囲気になるそうです。
建築当時の面影を多く残している落ち着いた店内。静謐な空気の中でいただいたのは「釜飯ランチ」です。
発想力豊かなシェフが作る料理は毎日内容が変わるそうで、訪れるたび新しい味に出会えます。杢酒場の料理では素材の持ち味を引き出すため、発酵調味料や麹を取り入れられているとのこと。
懐石料理出身のシェフが作る八寸は、目も舌も癒やされます。ひとつずつ丁寧に仕上げられていて、気づくと心を奪われ「美味しい」の言葉しか出てきません。
焼物はすずきに新玉ねぎのソース。玉ねぎの甘みは身が締まったすずきのおいしさを引き立てます。新玉ねぎのソースは見た目と違い、あっさりとしたやさしい味でした。
蒸し物はふろふき大根。やさしい味わいの大根を肉味噌がキリリと際立たせています。
そして本日の主役、釜飯。ホタルイカとたけのこ、グリンピースの釜飯です。ふたを開けるとあたたかい湯気が立ち、あたりは春の香りに覆われました。たけのこは地元姫路の太市産。アクが少なく香りが高いたけのことして知られています。ぷりぷりのホタルイカとシャキシャキのたけのこ、みずみずしくもっちりしたグリンピース、うれしい食感のハーモニーで箸が止まりません。春の食材をふんだんに使ったランチで体中が満たされたひとときでした。
入り口横の土間には角打ちのコーナーもあります。予算を伝えて予約をするとお酒に合う料理を用意してもらえるとのこと。日本酒ソムリエといわれる酒ディプロマの資格を持つ店長さんチョイスのお酒が豊富に並んでいます。今回ご紹介した釜飯ランチは当日予約もできますが、その他のコースは前日までの予約が必要です。
自分へのごほうびタイムに、大切な人とゆっくり過ごしたいときに。美味しいお酒と料理で、杢酒場の大人時間を堪能してみませんか。
場所
杢酒場
(姫路市材木町9)
営業時間
昼 11:00~14:00(L.O.13:00)
夜 18:00~22:00(L.O.21:30)
定休日
日曜日、月曜日
駐車場
なし