上越市議会が差別発言で辞職勧告決議 中川市長進退「時間いただき後日」 給料削減案は全会一致で否決
高卒者に対する差別的な発言が問題となっている新潟県上越市の中川幹太市長に対し、上越市議会は2024年7月19日の臨時会で、中川市長への辞職勧告決議を賛成多数で可決した。議会終了後、中川市長は報道陣に対し自らの進退について「少し時間をいただき後日考えを皆さんに伝えたい」と述べた。また市議会は、中川市長が自らへの処分として提案していた5か月間の給料全額カットの議案を全会一致で否決した。
市長への辞職勧告決議 上越市史上初の可決
辞職勧告決議案は、今回の発言を含めて就任以来、繰り返されている不適切発言を挙げ、「市民に心痛や不快感を与えながら、その都度、反省を口にしているが、反省を次に生かす、教訓とするという姿勢が見えないまま、今日に至っていることは、中川幹太市長が本質的に偏見や差別意識を持っているのではないかとさえ感じることを禁じ得ない」と指摘。「市政の混乱と市民の信頼を失墜させたことに対する政治的、道義的な責任は免れ得ない」として辞職を求めた。
▼辞職勧告決議PDF( https://cdn.blog.st-hatena.com/files/4207112889963685954/6801883189123137854 )
市議会最大会派の久比岐野代表の橋本洋一議員が提出した。採決では議長を除く31人のうち、賛成25、反対6で可決した。反対したのは会派みらい(4人)と公明(2人)。みらいの桜庭節子議員が「議会が市長の不手際のみに集中していては市政が滞り、市民の不利益になっている。進退は市長自身が決めること」などと討論で反対の理由を述べた。
《画像:賛成25、反対6で辞職勧告決議が可決された》
同市議会で市長に対する辞職勧告決議が可決されたのは初めて。
市長提案の減給処分案は全会一致で否決
今回の差別発言を受け、「自らを強く戒めるため」として中川市長が提案した、自身の7〜11月の5か月間の給料全額をカットするための条例改正案などは全会一致で否決された。
本会議の総括質疑や委員会では中川市長は減給処分について「私自身の覚悟を示すため政治家として決断した」と説明したが、議員からは辞職を求める意見が相次いだ。中川市長は「公約を一つ一つ実現することで皆さんにお応えするしかない」などと繰り返した。
「重く受け止め、少し時間を」 辞職勧告受け中川市長
《画像:辞職勧告決議が可決された市議会終了後、報道陣の取材に答える中川市長》
中川市長は議会終了後、報道陣の取材に対し辞職勧告決議について「非常に重く受け止めている」とした。また従来「とにかく誠心誠意頑張りたい」と繰り返していた自身の進退については「少し時間を頂き、後日考えを皆さんに伝えたい」と述べた。