犬のウンチを道に放置するのは危ない?他のわんこへ悪影響を及ぼす可能性も
愛犬のウンチを道に放置するリスク
1.パルボウイルスに感染する
愛犬のウンチを道に放置すると他の犬がパルボウイルスに感染するリスクがあります。
道に他犬のウンチが落ちていれば、犬はニオイを嗅いでしまいます。そのとき、パルボウイルスに感染する恐れがあります。
犬がパルボウイルスに感染し、重度発症の場合の致死率は高くなります。道に落ちていた他犬のウンチのニオイを嗅いでしまった後、下痢や嘔吐の症状があれば、すぐに獣医師に相談しましょう。
パルボウイルスへの感染は、混合ワクチンを接種することで防ぐことができます。「みんな接種してるから大丈夫でしょう」と安易に考えて、愛犬のウンチを道に放置してはいけません。
持病やアレルギーなどの事情があり、混合ワクチンを接種することができない犬もいます。全ての犬が安全にお散歩を楽しむことができるよう、愛犬のウンチは必ず持ち帰りましょう。
2.ジステンパーウイルスに感染する
愛犬のウンチを道に放置すると他の犬がジステンパーウイルスに感染するリスクがあります。ジステンパーウイルスは、ウンチ、鼻汁、吐物、咳、くしゃみによって感染が拡大します。
ジステンパーウイルスは、感染力が強く、致死率の高いウイルスです。犬が感染すると、消化器や呼吸器、神経系に深刻なダメージを与えてしまいます。
最も恐ろしいのは、確立された治療法がないということです。消化器や呼吸器に異常のある犬、免疫力の低い犬、体力の少ない子犬や老犬は、致死率が高くなります。
3.犬も飼い主も感染症にかかる
愛犬のウンチを道に放置すると他犬だけではなくその飼い主も感染症にかかるリスクがあります。
人と犬に共通する感染症のことを人獣共通感染症と言います。道の放置された犬のウンチから感染するものには、犬回虫症があります。
道に放置された犬のウンチに犬回虫の卵が存在し、ニオイを嗅いだ犬の鼻に付着し、その鼻を舐めたときに口の中に取り込まれ、飲み込んでしまうのです。
飼い主が感染するのは、犬回虫に寄生された愛犬のウンチの後始末をしているときなどです。
4.食糞してしまう
愛犬のウンチを道に放置すると他犬が食糞してしまうリスクがあります。
「我が家の愛犬は病気を持っていないから大丈夫」なんて思っていませんか?感染症にはかからないかもしれませんが、他犬がウンチを食べてしまうことは大変なことです。
愛犬のお口の中がウンチのニオイで侵されてしまってはショックですよね。歯磨きをさせたからといって、そう簡単にニオイがなくなるものでもありません。
「食糞させないためのしつけや対策をしていないからいけないんだ」という考えも決してあってはなりません。しつけや対策以上に愛犬のウンチを放置しないことが大切なのです。
5.お散歩の楽しみを奪う
愛犬のウンチを道に放置すると他の犬のお散歩の楽しみを奪うリスクがあります。
我が家の愛犬たちが気に入っていたお散歩コースの途中には、ほぼ毎日ウンチが放置されている場所がありました。
その場所とは反対側の道路を歩くようにしていたのですが、放置されたウンチを目にすることが嫌になり、ここは汚いから通らないようにしようと考えるようになりました。
愛犬たちが気に入っていたお散歩コースを変えなければならず、申し訳なかったです。きっと同じ思いをしている犬と飼い主が他にもたくさんいらっしゃることでしょう。
まとめ
愛犬のウンチを道に放置するリスクを5つ解説しました。
✔パルボウイルスに感染する
✔ジステンパーウイルスに感染する
✔犬も飼い主も感染症にかかる
✔食糞してしまう
✔お散歩の楽しみを奪う
なぜ愛犬のウンチを道に放置するのか、私には全く理解することができません。ティッシュや紙で包み、袋に入れて持ち帰り、ゴミ箱に捨てるだけのことです。
愛犬のウンチを道に放置したことが原因で、他犬や他人が感染症にかかり、死に至らせてしまう恐れがあります。
あなたの健康のためにも、愛犬の健康のためにも、他人に迷惑をかけないためにも、他犬が命を落とさないためにも、愛犬のウンチを道に放置するのは絶対にやめましょう。
(獣医師監修:葛野宗)