日本精工で科学講座 絵を描いて発電
藤沢市内2カ所に工場を構える日本精工のNSKグローバルトレーニングセンター(本町)で7日、小学4年生から中学生を対象にした科学講座が行われた。約40人が参加し、自分で描いた絵で電気を生み出す太陽電池づくりを体験した。科学技術やものづくりの面白さを体験してもらおうと、同社と市が共催。今年で6回目を数える。
最先端の太陽電池として注目される「ペロブスカイト太陽電池」の開発に携わった、桐蔭横浜大学の池上和志教授が光のエネルギーを電気エネルギーに変えるしくみや光と色の関係などについて説明。子どもたちは、マイナス極にあたる酸化チタンで覆ったガラス板に特殊なペンで絵や模様を描いて電解液を垂らし、プラス極の板を重ねて電池を組み立てた。絵の色素が光を吸収して電子の動きを起こし、電池に接続したLEDランプが光るのを確かめた。
また、もう一人の講師を務めた同社技術開発本部の渕上雄大さんが発電と二酸化炭素、温室効果ガスなどについて触れ、「地球温暖化を防ぐためにみなさんができるのは知ること。再生可能エネルギーや地球のことについて考えてみてください」と呼びかけた。本町小の4年生男子は「太陽電池のことが分かった」と笑顔を見せた。
同社は国内シェアでトップ、世界でも3位を誇る軸受け(ベアリング)の製造企業。軸受けを円滑に回転させる潤滑剤の技術が色素増感太陽電池に生かされている。