新紙幣を印刷 国立印刷局の静岡工場で見学再開 製造技術学んで1億円の重さも体験
■工場見学は無料 2週間前までに事前予約
20年ぶりに発行された新紙幣が話題となっている。紙幣は静岡市にある国立印刷局静岡工場でも印刷されている。静岡工場はリニューアル工事を終え、7月4日から工場見学が再開となった。予約をすれば誰でも無料で紙幣の製造技術を学んだり、1億円の重さを体験したりできる。
日本銀行は7月3日、新たな紙幣の発行を開始した。紙幣が刷新されるのは2004年以来、20年ぶりで、1万円札は渋沢栄一、5000円札が津田梅子、1000円札は北里柴三郎が肖像となった。
紙幣は造幣局がつくっていると思われがちが、造幣局は硬貨のみで、紙幣は国立印刷局が担当している。紙幣を印刷しているのは全国4つの工場で、そのうちの1つが静岡工場だ。
静岡工場は1943年に開設された。国立印刷局の工場としては東京都北区にある「東京工場」、神奈川県小田原市にある「小田原工場」に続く、3番目だった。
実は、静岡工場では工場見学を実施している。見学施設のリニューアル工事に伴って休止されていたが、7月4日に再開した。対象は小学生以上で、料金は無料。見学日は祝日や年末年始を除く毎週火曜日と木曜日で、2週間前までにインターネットまたは電話による事前予約が必要となる。
■紙幣の印刷を見学 1億円の重さを経験して記念撮影
内容は映像による国立印刷局の業務内容紹介や、機械で紙幣を印刷する様子をガラス越しに見学。さらに、展示室で偽造防止技術を学んだり、1億円の重さを体験しながら記念撮影したりできる。所要時間は約90分で、見学中に担当者へ質問もできるという。
工場見学当日は身分証明書が必要で、許可された場所以外での撮影や録音は禁止されている。駐車場がないため、公共交通機関の利用を勧めている。最寄りは静岡鉄道「県総合運動場駅」で、北口から徒歩5分の距離となる。
国立印刷局では紙幣のほかに、法令などの政府情報の公的伝達手段として重要な役割を果たしている官報、パスポートや印紙といったセキュリティ性の高い製品を製造している。工場見学は静岡工場以外にも東京工場、小田原工場、彦根工場で実施している。
(SHIZUOKA Life編集部)