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「お母さんが壊れた…」2カ月の入院で認知症発症。退院後に私を襲った介護の現実【体験談】

シニアカレンダー

手首の骨折で手術入院した89歳の母が、リハビリのため約2カ月を病院で過ごすことになりました。ところが、入院中の母の言動に異変が。退院前に認知機能のテストを受けると……。ついに親の介護問題と向き合うときが来た! と覚悟したエピソードをお話しします。

2カ月の入院で母が認知症に

今年89歳になった私の母は、15年前に父が他界してからも隣町に住む兄夫婦と同居することなく、長野県の田舎町で1人暮らしをしています。この間に軽い脳梗塞を患い、目や腰の手術を受けるなど年齢相応の病気をひと通り経験しましたが、その都度、戦争体験者ならではのたくましさで医者も目を見張る回復を遂げ、私たちを驚かせてきました。

そんな母が2023年7月、散歩中に転倒して右手首を骨折。病院に運ばれて手術を受けました。「術後3週間で退院許可が出たものの、1人で暮らすには家事や入浴ができなければいけません。兄夫婦は共働きで教員をしていて、たとえ同居しても日中はサポートができないため、母をリハビリ病院に転院させることにしました。

しかし、長年誰の指図も受けずにのびのびと暮らしてきた母にとって、単調で自由のない入院生活は苦痛そのもの。本当はもう少しリハビリが進んでからのほうが良いと言われたのですが、半ば強引に退院してきました。

まだ手首が不安定な状態で日常生活に戻ることも心配でしたが、もう一つ心配の種がありました。それは認知症。実は入院中から会話がかみ合わなかったり、事務的な連絡をすぐ忘れてしまったりしていたので、退院前に認知機能のテストを受けました。すると、20点以上が正常とされる認知機能テストで、母は18点と診断されました。まだ深刻ではないにしろ、認知機能の低下が見られると診断されたのです。

明らかに母の言動がおかしい

神奈川県に暮らす私は、仕事もあり、実家には頻繁に帰れません。しかし、退院したばかりの母の様子が気になり、退院後すぐの週末にひとりで帰省。母と生活を共にして、明らかに母の様子がおかしいと確信しました。

例えば、「明日は燃えるゴミの日だよね?」と聞くので、ゴミ出しカレンダーを見ながら「明日はペットボトル、燃えるゴミは明後日だよ」と2人で確認したのですが、15分もすると「明日は燃えるゴミの日だよね?」と繰り返すといった具合。結局、2時間ほどの間にこの問答を10回近く繰り返したあげく、しまいには「明日は燃えるゴミの日だから出してきちゃうね」と言って玄関を出て行ってしまったのです。夕飯の支度をしていた私が慌てて追いかけようとすると、外から母と隣のおばさんの話す声が。「燃えるゴミは明後日だから、まだ早いよ」と注意されたようです。母は「そうか、明日だと思ったよ」と言ってゴミを持ち帰ってきました。

このほかにも、お笑いコントのような出来事が続き、母を責めず怒らず接する私は、悲しさと寂しさに襲われました。母は感情のコントロールができず、突然怒り出したり、涙声になったりすることが増えました。

「母が壊れた……」

その夜、消耗しきった私は実家の天井を見上げて泣きました。

地元でサポートする兄とどう付き合う?

父が亡くなってから、母に何かあると地元にいる兄が病院や役所に付き添っていました。母が自動車免許の返納をしてからは、毎週末に兄が実家に立ち寄り、食品の買い出しや家の用事を手伝ってくれました。

しかし認知症となれば、今後はそれだけでは済みません。幸い要支援と判断され、週2回のデイサービスと週1回・1時間のヘルパーさんを頼むことができました。ところが、母はそれを忘れてしまったのか、デイサービスのお迎えやヘルパーさんを必要ないと言って追い返したそうです。そのくせ、何か不便があれば「すぐ来て」と兄を呼び出すので、温厚な兄もうんざりしています。

近くでサポートできない私は、兄に申し訳ないと思いつつ、母に電話をかけたり、必要なものを送ったりと、離れていてもできることをしようと考えています。しかし心労が重なった兄からの連絡はいつも、私の無力さを非難しているように聞こえてつらく感じます。

少しでも助けになればと、自分の仕事や家庭を調整し帰省しても、「たまに帰ってくるお客さん」と言われると腹が立ちます。ママ友に「お兄さんの奥さんはどうしているの?」と聞かれますが、以前から母と距離を置く義姉は今回も積極的に関わっておらず、それもモヤモヤの原因になっています。

まとめ

母が認知症を発症し、兄妹間の連絡が密になりました。情報共有は大切だと思いますが、立場の違う者同士、ささいなことに不信感も募り、兄妹の関係性さえ変わってしまいそうで心配です。逃げ場のない老親介護。まだ入り口に立ったばかりですが、互いの苦労や気配りを理解しながら、何とか乗り越えたいと思います。

著者:あらた繭子/50代女性。1999年生まれの息子と2005年生まれの娘をもつフリーライター。長年にわたる無茶な仕事ぶりがたたり、満身創痍の身体にムチを打つ毎日。目下の癒やしは休日のガーデニングと深夜のKPOP動画視聴。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)

2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

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