〈奈良みやげ〉国内生産トップ級!『三広織布』が織りなす美しくやさしい“蚊帳生地”雑貨
奈良伝統の「蚊帳織り」を使った生地や生活雑貨の数々
夏に蚊などの小さな虫の侵入を防ぐために使う「蚊帳(かや)」に代表される目の粗い平織りの「蚊帳生地」は、約1700年前に日本に伝わり、以来多くの書物や絵図に描かれる、歴史ある織物です。
奈良では江戸時代から『奈良晒(ならざらし)』を筆頭に、麻や木綿を使った蚊帳が普及。明治から昭和30年代ごろにかけて、奈良県中部を中心に100以上の工場が稼働する一大産地として栄えました。
“靴下のまち”で知られる奈良県広陵町にある『三広織布』もその一つ。昭和33年(1958)から3代にわたり、綿素材を中心に天然繊維で織りあげる蚊帳生地の生産・卸・販売を行っています。
創業当時は主に建物内装に使う、ふすま生地の生産をしていましたが、建物の様式の変化に伴って「蚊帳ふきん」をメインにシフト。現在では1か月に10万メートル以上の生地を生産し、国内トップクラスの生産量を誇っています。
今までは主にメーカーや企業を対象に取引を行っていましたが、近年は一般消費者にも蚊帳生地の魅力を知ってもらいたいと、オンラインショップやSNSアカウントを開設。2024年2月には工場の一角に直営ショップも開きました。
綿100%の蚊帳生地を重ねて作ったふきんやタオルは、吸水性と速乾性に優れ、嫌なにおいも残りにくいのが特徴。また洗えば洗うほど、使えば使うほどにやわらかく、やさしい肌触りになっていきます。
使いやすさはもちろん、持ち運びや保管の手軽さからも人気で、家庭用の実用品でありながら、贈り物やあいさつの品、大人数への手土産にも喜ばれていますよ!
またストールは白地の染織用も販売しており、親子で好きな色や模様に染めて楽しむ人もいるんだとか。今ではSNSなどを見て県外から来る人や、海外からの購入もあるそうです。
ショップの訪問と共に工場内の見学も可能です。蚊帳生地がどのようにして生産されているのか、実際に稼働している織り機を間近に見て学ぶことができます。
工場に入ってすぐ左手には整経機(たて糸を巻き取る機械)があり、クリールスタンドに取り付けられた1000個の原糸のロールは壮観。そこから一定の張力でビームに巻き取られていきます。
下の筒のようなものがビーム
クリールスタンド
レピアやエアージェットなどの織機も並んでいて、中には部品の替えが利かない古いタイプのものも現役で稼働しています。機械好きの方ならカタカタと生地が織られる光景はずっと見ていられるかも。
布ガムテープの布部分も製造されていてびっくり!
ショップ・工場見学ともに訪問日前日までの事前予約が必要です。電話やメールのほか、InstagramのDMやLINEでも受け付けているので、気になる方は気軽に連絡してみて。
施設情報
名称:株式会社 三広織布
ふりがな:さんこうおりふ
住所:奈良県北葛城郡広陵町萱野379-2
営業時間:9:00~18:00
定休日:土・日曜、祝日
アクセス:近鉄田原本線「箸尾」駅から徒歩6分
駐車場:あり
TEL:0745-56-2895